正しいアイアンの打ち方はどれ?人気コーチが解説!「絶対NG」なのは…!?
「アイアンが苦手」を根本から解決!アイアン苦手を克服すべく大川コーチのアイアンの打ち方レッスンを紹介します。
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理想的な入射角は6〜7度とゆるやか
アイアンが苦手な人は「上から打ち込む」というイメージや「ダウンブロー」という言葉に引っぱられてスイングが乱れているケースが多いように思います。また、ボールを強く叩こうとしたり、ボールを押し込むようなインパクトをイメージするのも、上達しない原因になっている場合があります。
アイアンは、もっと「サラッ」と打ったほうがうまく打てる。インパクトの意識を強くしすぎず、腕と体をスムーズに動かすことに意識を置けば、入射角もゆるやかになり、結果的にインパクトが安定してミスも減ります。
ダウンブローといっても、理想的な入射角は6から7度とじつはかなりゆるやか。斜め上からヘッドをガツンとぶつけるのではなく、もっと低い位置からヘッドを入れ、静かにボールをとらえるスイングを目指しましょう。
このイメージが悪い動きを生んでいる!
ダウンブローに上から打ち込もうとしたり(左)、重いものを思い切り叩くようなイメージ(中)、目標方向に押し込むような感覚(右)でボールを強くヒットしようとすると、スイングを乱しやすい
腕の動きはかなり小さくていい
静かなインパクトでボールをとらえられるスイングを身につけるのに重要なのは、腕と体の動きを分離して、それぞれの動きを正しく理解することです。
とくに腕の動きを誤解し、大きく動かしすぎている人が多いので、まずはスイング中の正しい腕の動きを知ってください。
スイング中、腕は左下から右上の斜め方向に一直線に動きます。右の写真のように、手元が左股関節前から右肩の間を往復するだけ。手首はほとんど動かさず、曲げるのは右ヒジのみ。左右方向の動きや、大きく振りかぶる動作もありません。この静かな腕の動きこそが「サラッとした静かなインパクト」のカギなのです。
右ヒジだけ曲げて手は肩の高さまで
手元が左股関節前にあるポジションから、左ヒジは伸ばしたまま、右ヒジを90度曲げると、手元は右肩の前に上がる。腕の動きはこれだけで、大きく振りかぶる必要はない
左ヒジは伸ばしたまま
曲げ伸ばすのは右ヒジだけで、左ヒジは伸ばしたままにしておくことも重要なポイント。左ヒジが曲がるとオーバスイングや(写真左)カット軌道(右)の原因になる
手首の角度をキープして振り下ろす
手首はアドレス時の角度をキープ。ヘッドを振り下ろしたり(×写真左)、手元を押し下げて(×写真右)手首の角度が変わらないように注意
上体は動かさず腕だけを振る
上体の前傾角度は崩さない。腕を上げる動きにつられて反り返ったり、下ろす際に上体も一緒に前屈みに(×写真)ならないように気をつけよう
腰の右側を後ろに「どかす」と肩も回る
腕の動きを理解したら、次は体の動きです。じつはこちらもかなりシンプル。アイアンが苦手な人は余計な動きが多すぎるのです。
まずバックスイングを見ると、アドレスから肩を右に90度回したトップを作りたいのですが、肩や上体自体を回すことを意識してはダメ。とくに、下半身を止めて上体をねじるようなイメージは動きのバランスを崩しやすく、回転不足になってしまうので厳禁です。
意識するのは腰の右側。アドレスから右腰を後ろに引くように動かすことで、肩は勝手に回ります。ポイントは、正面から見たときに、アドレス時に右腰のあった部分に空間を作るように右腰を「どかす」こと。頭の位置が動かないように注意し、体重移動は意識しませんが、右ヒザが伸びつつ左ヒザが前に出て、トップでは左足に体重が乗っていることが重要です。
この動きに、前述した「腕を上げる」動作を連動させれば、キレイなトップが完成します。
体重移動はせずその場で右腰を引く
バックスイングでは右に体重移動すると考えがちだが、これは腰が左に流れたり(写真左)、上体が右に動きすぎるなど(右)スエーの原因になるので、体重移動を意識する必要はない
右腰を引いて「どかす」イメージ
アドレスの位置から腰の右側を後ろに引くことで、右腰のあった位置に空間を作る。真上から見たときに楕円形をしている腰が、左側を軸に時計回りするようなイメージだ
下半身を止める意識は絶対ダメ
下半身を止めて上体を「ねじる」ような感覚でバックスイングすると、バランスを崩したり回転不足になってしまう。それを補って腕の動きが過剰になりやすいので注意
正しいトップを作りダウンススイングをシンプルにする
ダウンスイング以降も、複雑に考えすぎず、下半身主導のシンプルな動きで行なうことが大事です。
ダウンスイングの体の動きは、トップで曲がった左ヒザをその場で伸ばすだけ。いいトップの形が作れていれば、これだけで自然と腰が回転し、それにつられて上体も左に回ります。自分で体を左に回そうとする必要はないのです。
前ページで説明した正しいトップができていれば、左足に体重が乗って、左ヒザが曲がった状態になっているはず。ここから左カカト側に体重を乗せつつ左ヒザを伸ばしていくと、腰の左側が自然と左後方に切れ上がっていき体も回転します。
あとは、これに腕を下ろす動きを連動させればインパクト。フォローやフィニッシュはクラブの重さと惰性で勝手に作られるので、意識する必要はありません。
正しいトップを作れば体重移動は不要
トップで体重が左に乗って、左ヒザが曲がった状態ができていれば、切り返しで左に体重移動する動きは必要ない。そのままポンと左ヒザを伸ばせば、体が回っていく
左ヒザが伸びればベルトラインで腰が回る
体重を左足カカトに乗せながら左ヒザを伸ばすと、腰の左側が左斜め上後方に引っぱられて腰がベルトラインにそって斜めに回っていく。これによって前傾を保ったまま体を回せる
ダウンスイングの前半の動きが肝心
ここまで説明してきたとおり、ダウンスイングでの腕の動きはとても重要です。体はトップの形のまま腕だけを真下に下げる感覚は、ダウンスイング前半のカギ。これに下半身の動きが加わればインパクトからフィニッシュへとつながりますが、まずはこの腕の動きを強く意識してください。
これは、腰の高さにある面を、シャフトでバシッと叩く動きをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。ヘッドでも手元でもなく、シャフト全体が面に当たる感じ。実際にテーブルなどを置いてゆっくりとやってみてください。この腰の高さの面に、いかに大きな力をぶつけられるかがスイングのエネルギーを左右するので、右足の横の地面にモノを叩きつけるドリルなども、飛距離を伸ばす効果があります。
また、トップから腰の高さまでのダウンスイング前半を2、3回繰り返してから振り抜く素振りも有効なので、やってみてください。
Drill①腰の高さの台をシャフトで叩く
ダウンスイングの腕の動きを理解するために、クラブが地面と水平になる位置まで腕だけで下ろしてみる。腰の右横のテーブル上面をシャフト全体で叩くようなイメージだ
手元を先行して引き下ろす動き(写真左)やヘッドが先に下りてきてしまう(右)のはNG
Drill②右足の横の地面にボールを叩きつける
ダウンスイングの出力アップには、トップの位置から重いボールなどを右足横の地面に叩きつけるドリルが有効。パワーを出す方向、腕を振り下ろす方向などがわかり、リキまずに大きな力を出せるようになる
Drill③ダウンスイング確認素振り
これらのドリルで身につけた動きを実際のスイングに取り入れるには「Drill1」の動きを2、3回繰り返す。ダウンスイングの位置を確認してからスイングする素振りが効果的だ
いかがでしたか? アイアンを攻略するにはダウンスイングが重要になってきます。大川コーチの練習方法をぜひお試しください。
レッスン=大川夏樹
●おおかわ・なつき/1988年生まれ、神奈川県出身。マンツーマンレッスンを中心に、多くのアマチュアゴルファーに好評を得ている人気コーチ(インスタグラムアカウント NATSUKI72_GOLF)。
構成=鈴木康介
写真=相田克己
協力=取手桜が丘GC(アコーディア・ゴルフ)