飛距離が伸びる“ダウンスイング”はどっち…?飛ばすコツを若手プロが解説!

飛距離アップは「まずは速く振ることを覚える。うまく当てる、曲げないのはそのあと」と多くのコーチがいう。

その具体的なやり方をレッスンしてもらおうとしたとき、「そういえば、最近の若手プロはみんな飛ぶけど、彼らもそうしていたのか」と思い聞いてみた。

その答えは『イエス!』。しかも「エッ?そうなの!?」と聞き返したくなる新理論や新常識を、野澤竜次と鈴木大哉が教えてくれた!

野澤竜次

●のざわ・りゅうじ/1999年生まれ、京都府出身。169cm、70kg。東北福祉大ゴルフ部出身で、今季はレギュラーツアーのANAオープンにも出場。インスタグラム(nozawa.ryuji)にあげるスイング動画が大人気で、120万超えの再生回数も記録。フリー。

鈴木大哉

●すずき・だいや/1999年生まれ、埼玉県出身。180㎝、90㎏。日大ゴルフ部出身で、卒業後、昨年9月のプロテストに1発合格。300ヤードを超える飛距離とグリーンまわりのうまさで、テスト合格者で競う新人戦をプレーオフで制して優勝。フリー。

【関連記事】フェースのどこに当たれば1番飛ぶ…!? パラダイム Ai SMOKEでガチ試打検証

「手元は遠く」「グリップエンドを下に向ける」がタテ振りの極意!

遠心力が上がり、助走距離も伸びる“タテ振り”は手と体の距離とグリップエンドの向きにポイントがある!

手元を引きつけるのはNG。

加速力も遠心力もアップする”タテ振り”は、手元と体の距離とグリップエンドの向きを意識してください。

ダウンスイングをタテ振りにしようとするときのカン違いや、悪いタテ振りは「手元を体に近づけて引きつけるような動き」です。手元は体から遠ざける。

すると、グリップエンドが下を向き、シャフトが立ってタテ振りになります。

正面や後方から見て、グリップエンドが下を向くように振り下ろす。
手元が体に近いとグリップエンドは正面や目標側を向き、軌道もヨコ振りになってしまう。手元が近いとフィニッシュに向かっての通り道が窮屈になるため、両手が浮きやすくなるのもデメリット

右に乗らないから左に移せない

HSを大きく上げるには、ウエイトシフトも不可欠です。これは単純明快に、左カカトを上げてバックスイングしてください。切り返しから体重を左足に移せないのは、トップまでにしっかり右足に乗せていないから。ヒールアップをすると軌道や打点がブレると思っていても、それはいったん忘れて積極的な体重移動を行ないましょう!

「切り返しの動作は左への踏み込みからです!」と野澤。実演してもらうと、クラブや手元はトップの位置のまま、左カカトを下ろす“左への踏み込み”からはじまっていて、左カカトを地面につけてから体を回している。インパクト時の体重配分は7割以上が左足だそうだ

左の踏み込みを意識してヘッドスピードのアップを目指しましょう。

ミート率は真芯ヒットでも必ず上がるとはかぎらない

ミート率の計算方法は[ボール初速÷ヘッドスピード]。そのため、ミート率アップは芯からズレない、芯に当てれば必ずしも上がるものではありません。

近ごろのドライバーヘッドは芯が広く、左右だけでなく上下の打点ズレにも強い。たとえば、トゥ寄りの打点はドローになって飛ぶ。上めの打点も高打ち出し・低スピンになるので飛ぶ。下の測定結果でも、真芯と大きな差が出ませんでした。

では、飛ばすためのミートで大事なことは何か?それを解説・レッスンしていきます。

フェースにインパクトマーカーを貼って、打点をズラしながら飛距離を計測
ここ(トゥ上)でも結構飛びます

トゥ寄り306ヤード・・・ドロー系の球筋になって飛ぶ
弾道がドローになり、キャリーは減ったがトータルの飛距離は飛んでいた

センター上307ヤード・・・バックスピン量が減って飛ぶ
高打ち出し・低スピンになって、飛距離減はわずか3ヤード

ヒール上304ヤード・・・大慣性モーメントの効果で飛ぶ
大慣性モーメントがヘッドのブレを抑えてくれて、飛距離ロスを軽減

センター(真芯)310ヤード・・・ベストな位置だがあくまでも理想?
一番飛ぶ打点位置だが、毎ショットここに当てるのは至難の業

ヒール下292ヤード・・・ここはNG!もっとも飛ばない
唯一300ヤードを切った打点。低いスライスになるのでここは避けたい

真芯が一番飛ぶが“ヒール下”以外の飛距離差は6ヤード以下!「6ヤードも、ではなく芯を外したのにわずか6ヤードだけか!と思いました」(鈴木)

最近のドライバーは真芯を多少ズレても飛びます。ヒール下には注意してミートしてみましょう。

芯を外すと飛ばないのは当て方が悪いせい!

ミート率を上げるには「振った力をちゃんと伝える」ことが大事で、真芯に当たったとしても当て方が悪いと飛びません。僕が芯を外しても飛距離を大きくロスしない秘密は、ヘッド軌道は「アッパーブロー」。なおかつこの写真のように“前”に向かって力をかけていける「ロフトを少し立てる」が、大きなポイントになっています。

アッパーブローでロフトが立っている

入射角はアッパーブロー。ロフトを立てて当てるのは、ドライバーでも「ややハンドファーストで打つ」のがキーポイントになる

✖️アッパーブローでロフトが寝ている ダウンブローでロフトが寝ている

アッパーブローでロフトが寝たインパクトは、力が前ではなく上にかかってしまう

カット軌道の人に多い当たり方。スライスが出やすく飛距離をロスしてしまう

✖️ダウンブローでロフトが立っている

ヘッドは上から、ロフトは立つのは、HSが遅い人にとってもっとも飛ばない当たり方。力がある人も打球がフケ上がってしまい飛ばない

アッパーブローでロフトを立てることを意識しましょう。

「ヨコ振り」でアッパーブロー その秘けつは“インサイドループ”!

 アッパーブローで当てると、打ち出し角が上がり、スピン量も減らすことができます。スイング軌道をフラットにするとアッパーになり、ボールも正確にとらえやすくなるため、ミート率を上げるには「ヨコ振り」がオススメです。

このヨコ振りですが、プロ、上級者の軌道は100%、ダウンスイング時の軌道のほうがバックスイング時よりも下を通っています。つまり、ダウンスイングのほうがヨコ振りになるのですが、そのポイントとなるのは切り返しでの「インサイドループ」です。

手元を振り上げたルートよりもインにフワッとループさせて振り下ろす(○)。インからアウトにループさせるとタテ振りのアウトサイド・イン軌道になってしまい、フェースが開くなどさまざまな飛ばない原因が起こるので注意してください(×)。

正しいヨコ振りの正体は前傾角なりのレベルスイング

ヨコ振りといっても極端すぎるのはNG。「直立した姿勢で水平素振りをすると、十分ヨコ振りで振っている感覚になりますよね(○)。前傾しても水平素振りと同じように、上体の角度に対してレベルに振るのが正しいヨコ振りの正体です」(鈴木)

上体の角度に対してアッパーブローがきつくなりすぎると、ヘッドが下から入ってしまいダフリやトップが出る(×上)。もちろん上体の傾きに対して、上から下に振るのも×(下)

インサイドループは投げ縄のイメージで習得!

「インサイドループは、カウボーイでマスターします」と鈴木。長めのタオルの先を縛る。タオルの先は“投げ縄”のように“輪”をイメージ。それを頭上でクルクルと右回転で回してから、イメージした輪で足元のボールをつかまえるように振ると手元をインにループさせる動きが身につく。「軌道もタテ振りやヨコ振りになりすぎません」(鈴木)

写真=相田克己
協力=サザンヤードCC、キングフィールズGC

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