【違いは?】稲見・小祝・青木、3人のドライバー連続写真!大西コーチが解説

待望の国内女子ツアーが開幕! そこで、女子プロのコーチも務める大西翔太コーチが注目する選手のスイングの見どころを紹介。

アマチュアへのアドバイスを交えて解説して頂きました!

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賞金女王も狙える!腕と肩の三角形キープがミート率を上げる

スイングの再現性は上半身で作る

小祝選手は賞金女王を獲りたいという気持ちがとても強く、昨シーズンの悔しい気持ちをバネに今年も活躍してくれると思います。

オーソドックスで誰でもマネしやすいスイングで、①のアドレスも両腕と肩で作られる三角形の形がすごくきれい。アマチュアは右肩が下がりすぎる傾向がありますが、小祝選手は両肩ともほぼ同じ高さで構えています。この三角形はスイング中も崩れません。

三角形をキープするコツはお腹の回転でクラブを上げ下げすること(②)。そのまま体をねじって、③のトップまでいき、ダウンスイングからインパクトでも三角形を崩さないよう振る。この上半身の形を身につければミート率だけでなく再現性も高くなるので、どんな場面でもプレッシャーに強くなるスイングが身につきます。

小祝さくら

●こいわい・さくら/1998年生まれ、北海道出身。158cm。21年はダイキンオーキッドレディス、Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント、NEC軽井沢72ゴルフトーナメント、CAT Ladiesで優勝し、20-21年シーズンの賞金ランキングは自己最高の3位に。ニトリ所属。

昨年大活躍の賞金女王は前傾キープで入射角の安定感が抜群に!

手からではなくお腹からスイング

昨年大活躍した稲見選手は、今年も上位争いの常連になると思います。スイングの特徴は、頭の高さが変わらないこと。⑤のインパクトを見ると、①のアドレスとほぼ同じ位置にあります。体の前傾角度が起き上がったり深くなることがないので、クラブの入射角が安定する。全部同じところからヘッドが入ってくるインパクトをしています。

前傾キープは、②のバックスイングではお腹を飛球線後方に、⑥のフォローでは目標方向にねじる「お腹での回転」が大事。軸もキープできますし、捻転差を広げてパワーを生み出すこともできます。このスイングと安定したクラブの入射角は傾斜地にも強い。稲見選手のスイングをマネするなら、お腹に力を入れてみる。そして、手打ちではなくお腹から体を回してクラブを振る意識をもってスイングしてください。

稲見萌寧

●いなみ・もね/1999年生まれ、東京都出身。166cm。20-21年シーズンは9勝を挙げ、賞金ランキング1位、初の賞金女王に輝いた。東京2020オリンピックにも出場し、銀メダルを獲得。今年の開幕戦は10位タイ。Rakuten所属。

テクニックで短所をカバー!遠心力を使ってパワー不足を補う

切り返しで手首を右に回す

僕がコーチをしている青木選手は、小技が上手ですがショットにも工夫があります。青木選手は身長が低いので、遠心力や重力を味方につけるスイングをしています。

③のトップは高く、④の切り返しは手元を低く下ろしていきますが、切り返しで手首を右回転させるのがテクニックのひとつ。手首を右に回すと、ヘッドスピードが上がり、遠心力も使いやすくなります。手首を左回りに回すと体が突っ込み、上からクラブが入るので、インパクトが詰まってしまう。パワーがないと悩んでいる人は、青木選手をマネすれば効率よく飛ばせるでしょう。

また、青木選手は肩甲骨が柔らかいので、⑧のフィニッシュでは体がすごく回っています。柔軟性を高めて、体を大きく回すことも飛距離アップにつながるので、日ごろから肩甲骨などをストレッチで柔らかくすることもオススメです。

青木瀬令奈

●あおき・せれな/1993年生まれ、群馬県出身。153cm。21年は宮里藍サントリーレディスでツアー2勝目を挙げる。その後、アース・モンダミンカップで6位タイ、TOTOジャパンクラシックで4位タイに入るなどで、賞金ランキングは自己最高の21位に入った。フリー。


いかがでしたか? 大西コーチの解説とアドバイスを参考に、注目選手のスイングに注目しながら自身のスイングを改善していきましょう。

解説=大西翔太

●おおにし・しょうた/1992年生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロを目指し、JPGA公認A級の資格を取得。青木瀬令奈のコーチを務め、昨年のツアー2勝目に大きく貢献。ジュニアゴルファーの育成に尽力している。

写真=中野義昌、相田克己、田中宏幸

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