ドライバーを得意な番手にする!状況に応じたスイング・考え方で苦手を克服

左に曲げるとOB。右に曲げるとバンカー。

「真っすぐ打たなきゃ」と考えるとプレッシャーで体がうまく動かなくなる!

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状況1. 右へも左へも曲げたくない状況

打ち下ろしと同じで体が左に傾き右肩が前に出る

地面のスパットや、スパットからボールのラインに意識を向けすぎると、体が左に傾き、右肩が前に出てしまう

右へも左へも曲げられない状況では、真っすぐ打とうと意識しますよね。その場合、スパットを設定して目印に対して打ち出すという方法がありますが、これには落とし穴があります。

スパットは通常、ボールから数メートル先の地面に見つけます。そのとき、スパットからボールまでの仮想のラインに集中しすぎると、目線が下がりがちに。その結果、打ち下ろしの状況のダメなパターンと同じ、体が左に傾き、右肩が前に出た構えになってしまいます。

そうなると軌道はアウトサイド・インになり、フェースが開いていればスライス、そうでなければ打球は左へ出てしまいます。正しく構えないと、狙いどおりに打つことが難しくなるのです。

右脳を働かしてイメージどおりのスイングをする

スイングをするボールと打ち出す目標の間にスパットを見つけたら、そこから真っすぐ上、目線の高さに「仮想のスパット」をイメージしましょう。仮想スパットを設定したら、アドレスに入る前にボールの後ろに立ち、この仮想スパットを確認して、それに合わせて構える。すると、目線が地面と水平になって、左傾きにならない正しい構えがつくれます。

仮想のスパットや弾道をイメージすることは、右脳を働かせることになりますが、これがとても大事。「真っすぐ打たなきゃ」と考えると左脳が働き、動きが悪くなってしまうのです。

空中にスパットを設定し、イメージした弾道にボールを通すつもりで打つ。アドレスだけでなく、スイングや球筋もよくなりますよ。

ミスのパターン:地面のスパットに意識を向けると構え方に誤差が生じやすい

地面のスパットを目印にすると、目線方向がはっきりし、正確な向きで構えられる。しかし、注意点もある

苦手克服の原則:目の高さに仮想スパットを設定し弾道イメージに対して立つ

地面のスパットの真上、目線の高さに仮想スパットをイメージする。目線が水平になり、正しい傾きで構えられる
仮想スパットと、打ちたい弾道をイメージして動きをつくる
地面のスパットの真上に仮想のスパットをイメージ。それに合わせて右手、右足を合わせるとスクエアな構えがつくりやすい

状況2. 右にOBとバンカー

体の中心がボールを追い越すと打球は右に飛ぶ

狙いとは違う打球が出たとき、原因として疑うのは第1に構えの向き、第2に構えの形、第3がリズム、第4がスイングの動きという順序です。「狙いと違う方向へ打ちたくない」状況でのミス防止対策としても、この順序で確認するのが最善です。

まずは、右サイドの危険エリアから遠く離れた方向に狙いを決め、「状況1」で説明した仮想スパットを設定します。それに対して、正しく構え、リズムを守って振ることが大切です。

「右がダメ」な状況での動き方の注意点は、左へ引っぱる動きを防ぐこと。体の中心の位置を確認し、その中心をボールの右側に保ったまま振り抜くことを意識しましょう。手先など小さな部分の動きを考えると、ミスになりやすいので避けてください。

ミスのパターン:「右に打ってはいけない」と思うと左へ引っぱるように振ってしまう

右サイドに打ってはいけないと考えると、必要以上に左へ引き込むように振ってしまう

構えや動きは見ている景色に影響されやすい。右にOBやバンカーがあると「右に打ってはいけない」と考え、ダウンスイングで体が早く左へ向いたり、左へ倒れてアウトサイド・インのカット軌道になってしまいます

克服法:正しい構えをつくって体の中心を確認し左右に揺れずに回転

安全な方向を狙ってスパットを設定し、正しい向きと姿勢で構える。体の中心がボールの右にあることを確認しよう
体の中心に意識を向け、スイング中、ボールの右側にある状態をキープする
(点線はボール位置の延長線)

状況3. 左に複数のバンカー

左対策をしたら「いつもと同じ」振り方を目指す

動き方で対策するのではなく、向きや構え方が大切なのは、この状況でも同じです。

まずは、多少曲がっても修正が効く方向に打ち出すラインを設定し、構えます。そのうえで、左を避ける状況ではボール位置を右に、ティーアップは低く、フェースを開いて構えるといった対策をとります。どれかひとつでも対策をとったら、あとは、いつもと同じ動きをするだけ。

うち急がず、テークバックからフィニッシュまで、自分のリズムに集中してください。

ミスのパターン:危険ゾーンを意識しすぎて構え方や動きが悪くなる

左へ打ってはいけないと考えると、左ワキを開けて下からあおりながら打つ形になりやすい

状況2とは逆に「左へ打ってはいけない」と考えると、体をフィニッシュ方向へ回せず、回転が途中で止まってしまう。ヘッドが返って左へ飛んだり、クラブを背後に振り抜けず右へ打ち出してしまいます。

克服法:「左に行かせない」対策としてボールを右に置く

ボール位置を変えるなど、構えの段階で「静的」に変える対策は比較的、ミスを招きづらい
ティーアップが低いとヘッドが上から入って右に飛びやすくなる(左)。高いとヘッドは下から入り左に飛びやすい(右)
ボールを右に置くと、フェースが開いた状態で当たるので、右に打ち出せる(左)。右に行かせたくないときは左に置く(右)

状況4. ドローボールで右バンカーを回避

危険な方向には打ちたくない意識をうまく利用する

この状況は、状況2で説明した右サイドに打たない方法でも対応できますが、右の危険エリアをドローボールで避ける方法も紹介しておきます。

あえて右の危険エリアへ向かって構えてください。そこへ真っすぐ打ってしまうとダメなので、無意識につかまえようとする動きが出る。ボールを意図的につかまえようとするとスイングが乱れやすいのでミスしがちですが「向きに対して回避しようとする自然な動き」を利用して打つと、ナイスドローが打てます。

ミスのパターン:スイングの動きを変えて球筋を変えると想定外のミスが出る

「ボールをつかまえよう」と考えると、手先でヘッドを返してしまい、引っかけのミスが出る

ドローヒッターが「右のバンカーの左のラインがベストポジション」という場合、プッシュアウトを避けるために「ボールをしっかりつかまえよう」としがちです。ヘッドを返そうとしてリストターンが過剰になり、引っかけになります。

克服法:あえて打ってはいけない方向を向きつかまえる動きを誘発する

それ以上右に打ち出してはいけないラインで構えると、球をつかまえる動きが自然に出てくる

苦手徹底克服プログラム
打球が飛ぶ方向は体の上下を動かす度合いで変わる

下半身の動きを控えめにし、腕やリストの動きを大きくすると、球がつかまるため打球は右に飛びづらくなる
下半身を大きく速く動かして手の動きを抑えると、体を開いたインパクトになるため打球は左に飛びづらくなる

腕振り重視は左、回転重視は右に飛ぶことを確認

右にも左にも曲げられない状況でうまく対応するには、方向、構え、リズムが大切です。そのうえで「静的な対策」となるボール位置、ティーの高さ、フェースの向きについて、ひとつひとつ、または組み合わせた方法を試し、うまくいく方法を見つけてください。

「動的な対策」については練習を重ね、得意と感じられるなら使いましょう。上達のヒントとしては、上半身を積極的に動かすと左に、下半身を動かすと右に飛びやすくなる。このメカニズムを知っておいてください。

いかがでしたか? 状況に応じたスイングで苦手を克服してください!

モデル / 大橋健太郎さん
35歳。175cm、64kg。ゴルフ歴17年。最近はラウンドの回数が減り、自信をもってプレーできていないと感じている。持ち球はドローボール。

レッスン=畑井悠佑
●はたい・ゆうすけ / 13歳でゴルフを始め、大学卒業後にレッスン活動を開始。「感動のあるレッスン」で、気持ちいい動き方を身につけさせる指導を心掛けている。GPC恵比寿在籍。

構成=長沢潤
写真=高橋淳司
協力=サザンヤードカントリークラブ

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