「優勝がゴールじゃない」韓国ゴルファーが女子プロ勢力図を語る

ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!

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「優勝=ゴール」ではなく自分のゲームの成長に集中!

Hae-Ran Ryu South Korea ユ・ヘラン
●2001年生まれ、韓国出身。23年から米女子ツアーに参戦。同年「NW アーカンソー選手権」で優勝。24年は「FM選手権」優勝。世界ランキング7位(2月28日現在)。

勢力図が変わりつつあるのか。10年前、朴仁妃を筆頭に世界ランキングのトップ10に韓国勢が6人も入り、女子ゴルフ界を席巻していた。また、国内ツアーではイ・ボミが15年から2年連続で賞金女王を獲得。ところが今年2月末の世界ランキングでは、トップ10に韓国勢は2人のみ。昨年10月のBMW女子選手権の記者会見では「最近、低迷していると思うか?」という質問がユ・ヘランに飛んだ。

23歳のユは現在、韓国勢最上位の選手だ。韓国ツアー(20年)と米ツアー(23年)の両方でルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、米ツアーでは2年連続で優勝を重ねている。「韓国人選手のレベルが落ちたとは思えません」と即座にユは否定した。そして、こう続けた。

「最初にゴルフ場に着いて、最後まで練習をしているのが韓国人選手です。木曜からはじまる試合に向けて月曜から準備して、みんなすごく努力していますが、ツアー全体のレベルが上がり、競争は熾烈を極めています。毎週、誰が勝つのか予想できないほど優勝するのは厳しい。ほかの選手のスコアはコントロールできないので、優勝をゴールに設定するのではなく、自分のゲームの成長に集中しています」。

ユが指摘するように、近年は他国の選手の活躍が目覚ましい。昨年の米女子ツアー最終戦では、平均ストローク1位の称号「ベアトロフィー」をユはつかみ損ねた。3日目までトップを死守していたものの、最終日に古江彩佳に逆転された。その差は、わずか「0・0002」だった。ユはホールアウト後に自身の負けを確認すると、ぎゅっと唇を噛み締め、無言で試合会場を去った。

ユがつかみ損ねた「ベアトロフィー」を受賞した古江彩佳。日本人選手として初の受賞だった

選手の実力が拮抗しているとはいえ、女子ゴルフ大国のエースとして、このまま引き下がるわけにはいかない。4日目の平均パット31・25/147位の順位が上がれば、自ずとメジャー初制覇に近づくだろう。

1月の初戦は、同郷の先輩キム・アリムが制した。今季が終わったときに、韓国勢は通算何勝をあげているだろうか。

いかがでしたか? 海外選手の活躍と勢いにも注目していきましょう!

写真=南しずか PHOTO&TEXT Shizuka MINAMI
●みなみ・しずか/東京都出身。 2009 年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」などスポーツ誌に写真を提供。

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