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原英莉花が優勝した米下部ツアーのレベルとは?元・世界ランク1位に突撃取材

原英莉花が8月17日、「ワイルドホース女子クラシック」を制した。米下部エプソンツアーで初勝利を挙げたことで、来季のレギュラーツアー出場権も獲得した。

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「赤字になる選手もいる」女子プロが下部ツアーの厳しさを語る

原英莉花/7月下旬のカセラ・ゴルフ選手権

初参戦の米下部ツアーで出場した16試合全てで予選通過し、トップ10入り9回。(9月2日現在)。今年は「レギュラーツアーの出場権獲得」と「少なくとも1勝」を目標に掲げていたため、達成できたことになる。

原英莉花/7月下旬のカセラ・ゴルフ選手権

原は国内ツアーでメジャー3勝を含む通算5勝をあげ、実績は申し分ない。その実力を遺憾無く発揮し、順調な1年を過ごしているように見受けられる。だが、7月下旬に話を伺ったところ、「もっとこう、すんなりいけるかなって」と下部ツアーのレベルの高さを感じていた。

本当のところ、下部ツアーのレベルはどうなんだろうか?

ネリー・コルダ/6月上旬のショップライトLPGAクラシック
2016年に下部ツアーに出場、翌年からレギュラーツアーへ昇格

今年45周年を迎えた下部ツアーは、レギュラーツアーの登竜門に位置付けされる。今年は米国14州で20試合が開催。賞金総額は500万ドル(約7億4500万円)。世界ランキング1位に上り詰めたネリー・コルダ(米国)、ステイシー・ルイス(米国)、朴仁妃(韓国)をはじめ、今までに600名以上が下部ツアーからレギュラツアーに昇格した。

ヤニ・ツェン(台湾)が、率直な印象を語ってくれた。「(レギュラーツアーで戦う)準備ができている選手と、もうちょっと経験を積んだ方が良いかも、という両方の選手が入り混じっている気がしました」

ヤニ・ツェン/カセラ・ゴルフ選手権練習日
下部ツアーデビュー戦

元世界ランキング1位で36歳のヤニは、7月下旬に下部ツアーデビューした。その2週間後に全英女子オープンを控え、調整の目的で出場したのだった。「(その試合の)コースセッティングは、かなりタフでしたよ。(米国ニューヨーク州のコースは)もちろん全英とは全く違ったんですが、試合の中でしか感じられないことがあるんで、良い調整となりました」

その試合を通して、同組の選手らの気迫も感じたという。「『上のツアーに行くんだ』という夢を叶えるため、強い気持ちでプレーし続けることが大事なんだなと感じました。やはり、下部ツアーに留まっていても稼げないですから。宿泊費や交通費など個人の出費に対し、限られたわずかな賞金では赤字になる選手もいるはず」

馬場咲希/8月下旬のCPKC女子オープン
昨年下部ツアーに出場し、最終予選会で出場権を獲得

今季のレギュラーツアーの賞金総額は1億3100万ドル(約203億円)。下部ツアーはその29分の1。生活できるかどうか、サバイバルな世界。下部ツアーには、プロになりたての若手から調整するベテランまで、様々な選手が集っているのである。

写真=南しずか
PHOTO&TEXT Shizuka MINAMI
●みなみ・しずか/東京都出身。 2009 年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「SportsIllustrated」などスポーツ誌に写真を提供。

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