
ダボの直後に焦ってない?ラウンド中にミスしたときの取り戻し方は…
英国では史上最高の視聴者数を獲得するなど、激闘の名勝負となったマスターズ。最終日の戦いをテレビで観戦していたマスター今野は、早々に大混戦になることと最後はマキロイが勝つのを予想した。
その予想が的中した話は奥深く、アマチュアゴルファーが叩いてしまった直後にも実行したいスコアメイク術だった!
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大荒れは予想どおり!?マキロイのバックナイン

ツネ 今年のマスターズは、寝不足覚悟で全部見たよ。
今野(マスター)とてもいい戦いでしたね。泣ける試合は3試合目でした。
ツネ ほか2試合も気になるけど、まずはマスターズの話を。最終日にあんなに浮き沈みの激しいゴルフをしても勝てるもんなんだね。
今野 じつにマキロイらしかったし、単なる優勝ではなくキャリアグランドスラムがかかっているので、ほかの選手の比ではないプレッシャーがあったでしょう。
ツネ その重圧が残り9ホールに出た?
今野 良くも悪くも出ましたが、私は4番ホールの時点で「こりゃバックナインは大変かも」とつぶやきました。
ツネ 4番ホールって、スタートのダボを連続バーディで取り返したところでしょ。
今野 はい。「いい流れがくるのが早すぎる」と感じました。スタートのダボで、今日1日のいい流れを作っていける、いい石を投げ込んだのに。
ツネ 石を投げ込む?
今野 水面に石を投げると波紋ができますよね。それは石が大きければ大きいほど波紋も大きくなる。
ツネ その波紋がスコアの波?
今野 ですね。加えて水柱が上がるのですが、それも大きい石ほど高く上がる。マキロイはダボという大きい石を早々に投げたから、このあと大きく浮上してくると予想したんですが、それがいささか早すぎた。
ツネ 早すぎたらダメなの?
今野 数年前から試合を観るときも自分や同伴者のゴルフでも流れを見るクセがついていて、その予想が結構当たるんですよ。大きくて深く沈んだ石が作る波紋と水柱は、立ち上がるのも広がるのもゆっくりがいい。
ツネ マキロイは投げた石に対して、浮かぶのが早すぎた。だからバックナインが大変そう、と予測し、マスターの予想どおり後半9ホールが3バーディ、3ボギー、1ダボの大荒れでプレーオフにまでもつれ込んだ。
今野 流れというのは点ではなく、経過と時間軸での線になりますが、取り戻すのもいい流れに乗るのもゆっくりのほうが安定していくんですよ。
ツネ 18ホールまでだから、ゆっくりしていられないこともあるじゃない。
今野 そうです。それがデシャンボーの結果でしたが、それはいったん置いておいて、ツネさんは序盤でダボやトリを打ったら、どうしようと考えますか?
ツネ 俺の腕前だとボギーペースに戻したいから、早くパーが2、3個ほしいと思うね。
今野 そう急ぐと、またつまずきますよ。まずはボギーを重ねるプレーで通常運転に戻しながら、チャンスでパーを獲っていくほうがスコアは穏やかにまとまります。
ツネ なるほど。結局、プレーオフでマキロイが勝つわけだけどその予想もできた?
今野 できました。最終ホールもまた投石だったんですよ。単にスコアだけでいえばボギーという小さな石だったのですぐに波紋が広がり、その波はバーディだと予測していました。
ツネ マスターの予想ってすごくない!?トーメメントで解説者やればいいのに。
今野 やりたいですが地上波には向いてないかも。私は“地上”ではなく“地下”の住人なんで(笑)
イバラの道より楽に進める道のほうがお宝を簡単にゲットできる!

急いで取り戻そうとするのは近いけどイバラの道。普段どおりのプレーでホール数をかけて取り戻すのは平坦な道。「その道中にパーやバーディといったお宝があったときどちらが見つけやすくて確実にゲットできるかといったら後者ですよね」と今野。大叩きでスタートしても、残りの十数ホールかけるプランとプレーで取り戻そう!
いかがでしたか? 次回もマスターのお話をお楽しみに!

マスター今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ。RainbowFM(88.5MHz)の「サタマニ♪」(第2土曜 15:00-16:00オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。
写真=鹿野貴司
イラスト=野村タケオ
協力=LaFace
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