
「クラブが合わない」ならシャフトを見直して!最新6モデルを徹底解説
2025年はドライバーもアイアンも話題作が目白押し。ところが、買ったニュークラブがイマイチ合わない……。だからといって、買い替えるのはちょっと待った!
シャフトを替えれば、振りやすさも弾道も生まれ変わる。思った以上によくなる期待までもてる。リシャフトして使ってほしいオススメの最新6モデルを紹介しよう!
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ドライバーのシャフトは高MOIでも振りやすい!
アイアンのシャフトは高打ち出し!

シャフトは、シャフト単体としても進化していますが、ヘッドとのマッチングで最高のパフォーマンスを発揮するものです。そのためシャフト選びは、最初にヘッドを決めることが大事で、それに飛距離や方向性など何をプラスしたいのか、求めることをはっきりさせてから選ぶのがシャフト選びの鉄則です。

最新モデルのシャフトは、とくにヘッドとのマッチングを重視している傾向を強く感じます。ドライバー用は、慣性モーメントが高いヘッドを想定したシャフトが増えている。慣性モーメントが大きいとミ
スヒットには強い反面、振りにくいという声もありますが、それをシャフト性能が解決してくれていてとても振りやすくなっています。
アイアンは、ストロングロフト化されたヘッドと相性がいいシャフトがスタンダードになりつつあり、カーボンでは新しい「MCI」、スチールではモーダスの「110」がその代表的なシャフトです。

「テクノロジーの進化によって重くても振りやすいシャフト、軽くても安定感があるシャフトが増えました」
飛び系シャフトの2代目は
スピード感アップで芯にも当てやすい!

2代目の「ヴァンキッシュVV(ヴィヴィ)」(以下・VV)を待望していたファンは多いでしょう。22年発売の初代「ヴァンキッシュ」は軽量シャフトながらなぜ男子プロにハマったのか。
それは原材料から開発できる三菱ケミカルならではの開発力と設計力で、今までの軽量シャフトにはなかった〝しなやかさ〟と〝強度〟を両立できたから。プロが使える「飛び系シャフト」という新ジャンルを開拓しました。
初代の魅力である「ヘッドスピードを上げる」性能はしっかりと継承されています。それにプラスしてフェースの真芯に当てやすくなりました。初代のキックポイントは先中調子でしたが、2代目となる最新作「VV」は中間部がしなやかにしなる中調子で、より加速感がアップ。
今回は40g台のシャフトも打ちましたが、ヘッドが暴れる感覚がいっさいありません。ヘッドスピード30m/秒台はもちろん、42m/秒前後のゴルファーでも十分に使えます。

「軽量なのにクセがなくてストレートボールが打ちやすい。低スピンの高弾道ボールでキャリーが伸びます」

【三菱ケミカル】VANQUISH VV
SPEC
●モデル名(フレックス)/3(R3、R2、R、S、X)、4(R2、R、SR、S、X、TX)、5(R2、R、SR、S、X、TX)
●長さ/1168㎜ ●中調子
●価格/4万9500円
歴代「リンク」でもっとも扱いやすい!
「サンライズ レッド」は大人気モデルを継承

長年「アッタスシリーズ」を発売してきたUSTマミヤからは、2本の〝赤いシャフト〟が発売されました。「赤いシャフト=先調子」というイメージが強いですが、この2本はそのイメージには収まりません。
まず「LIN-Q RED」は、歴代のリンクの「BLUE EX」「WHITE EX」と比較して圧倒的にやさしい。中間から先がしなるのでハーフウェイダウンからインパクトにかけて加速感があります。それでいてキックポイントは先調子ではなく〝中調子〟。

そして、アッタス新シリーズ第1弾として登場した「アッタスRX サンライズ RED」も先調子表記ですが、打った感覚は中調子に近い。それでいて先調子のようなつかまりのよさがあります。歴代「アッタス」だと名器といわれたアッタスの13代目「キング」の進化版で、手元と先端を少しだけ硬くしたことでより強い弾道が打てる進化を遂げています。

「振り心地のよいシャフトなので、ヘッドもやさしい高MOIの10Kモデルが合いますね」
【USTマミヤ】ATTAS RX SUNRISE RED
SPEC
●モデル名(フレックス)/4(R、SR、S、X)、5(R、SR、S、SX、X)、6(SR、S、SX、X)、7(S、X)
●重量/58g(5・フレックスS) ●長さ/1168mm
●トルク/4.2度(5・フレックスS) ●先調子
●価格/4万4000円
【USTマミヤ】LIN-Q RED EX
SPEC
●モデル名(フレックス)/5(R、S、X)、6(S、X)、7(S、X)
●重量/59g(5・フレックスS) ●長さ/ 1168mm
●トルク/3.6度(5・フレックスS) ●中調子
●価格/5万5000円
新感覚のしなりとねじれスイングタイプと合えば
最長飛距離を更新できる!

今、米国で話題になっているシャフトが「ARETERA」(アルテラ)です。昨年以降、PGAツアーの使用者が増加中。このシャフトは、従来のカーボンシャフトとはカーボンシートの巻き方が根本的に違います。
今までのシャフトは最内層に45度の角度をつけたカーボンシートがあり、外側に0度(単一方向)のシートを重ねていました。しかし「ARETERA」は0度と45度のシートを交互に配置することで〝しなやかさ〟と〝安定性〟両立。試打した印象は、今までのシャフトで感じたことがない新感覚のフィーリング。独特のしなり感と強烈なねじり戻りがありました。
このシャフトはフレックスや調子による性能や特徴ではなく〝シャフト全体の特性〟にこだわっています。「BLUE」と「GRAY」の2タイプとも先入観をもたず、振った感覚とや打った打球の結果でそのよさを感じてほしいので、フィッティングを受けることを推奨します。


「このシャフトは世界中で大ヒットした超人気シャフトを開発したエンジニアたちが作った新興ブランドです」
【朝日ゴルフ】ARETERA ΣC1 BLUE/ΣC1 GRAY
SPEC(BLUE)
●モデル名(フレックス)/45(2、3、4)、55(2、3、4、5)、65(3、4、5、6)、75(4、5、6)
●重量/58g(55・4) ●長さ/1168mm ●トルク/3.8度(55・4)
●価格/6万6000円〜
SPEC(GRAY)
●モデル名(フレックス)/45(3、4)、55(3、4、5)、65(4、5、6)、75(4、5、6)
●重量/58g(55・4) ●長さ/1168mm ●トルク/3.6度(55・4)
●価格/6万6000円〜
カーボンとスチールのいいとこ取り!
とにかく振りやすい名器

かつて女子ツアーで大流行した「MCI」が、13年振りにリニューアルしました。第一印象としては「とにかく振りやすい!」。50g台から100g台までの重さを打ち比べましたが、打ち終わったあと「もやっぱり振りやすい!!」という試打感でした。前作同様にスチールシャフトの安定感と振りやすさに、カーボンシャフトのやさしさと飛距離を融合しています。
13年前の「MCI」と異なる点は先端部分のしなりです。新しい「MCI」は手元の硬さを抑えつつ、先端の剛性を少しだけ下げたことによりインパクトロフトがついて、スピンが入りやすくなった。そのうえで中間部をしなりやすくしているので、何度もいいますが振りやすい!

最近のアイアンは、ストロングロフト化されているので新「MCI」のようなスピンが入るカーボンシャフトとの相性は抜群にいい。今年後半の女子ツアーで、大ブームになりそうな予感がします。

「スピンが入りつつ、打ち出しが高いのでグリーンで止まる。タイミングのとりやすさも大きな魅力です!」

【藤倉コンポジット】New MCI
SPEC
●モデル名(フレックス)/MCI50(R、S)、MCI60(R、S)、MCI70(R、S)、MCI80(R、S)、MCI90(R、S)、MCI100(R、S)
●重量/75g(MCI70・S) ●長さ/39〜35.5インチ
●トルク/2.4度(MCI70・S) ●中調子
●価格/1万1000円
スチールシャフトの新定番になる!
欧州ツアー選手のリクエストに応えた逸品

6本目のモーダスとして誕生したN・S・プロモーダス3ツアー110(以下・110)。モーダスシリーズは「120」「130」「125」「105」「115」の順番で発売されましたが、末尾「0」のシリーズはそれぞれ特徴のあるモデル。末尾「5」のシリーズは、クセのない挙動でヘッドが走りやすい個性をもっています。
「110」はというと「0」シリーズと「5」シリーズの両方のよさを感じます。振り感はすごくオーソドックスですが、弾道としては適正スピンで吹け上がりを抑えてくれるという明確な個性がある。これは欧州ツアーの選手のリクエストを反映したそうで、先端はかなりしっかりしています。
今、ドライバーでは先端剛性が高いシャフトが流行っていますが、そういうシャフトと相性もよくてドライバーとアイアンの振り感がそろってくる。今後のスチールシャフトの新スタンダードになりそうな1本です。

アスリートモデルの軟鉄鍛造ヘッドにも、飛び系のポケキャビにもマッチするしなり方をするフトコロの広いシャフトです。

同シリーズ初のバランスポイント49%を実現。重心がセンターより先端側になることで、軽量でも安定感が増した。
【日本シャフト】N.S.PROMODUS³TOUR110
SPEC
●フレックス・重量/R・105g、S・110g、X・115g
●長さ/41~37インチ(#2〜#W) ●元調子
●オープン価格(編集部調べ:1本・5500円)
いかがでしたか? 新シャフトをぜひ試してみてくださいね!

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
編集部 写真=田中宏幸
協力=ジャパンゴルフスクール
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