
プロ3人の“FWのスイング”を解説!真似すべきは「下半身の使い方」
アマチュアは、FWを苦手とする人が多いはず。
うまく打とうとすると、上半身の動きに意識がいきがちだが「FWで大事なのは下半身の使い方です」と平野茂コーチ。
きちんと飛んで方向性もよくなる下半身の使い方をプロのスイングを手本に解説!
下半身を使うとスイングがコンパクトになります!
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下半身の使い方① 両腰の高さを保って球を高く上げる


Point インパクトまで腰の左右の高さが変わらない。フィニッシュまで地面と平行を保つように振ろう。
低い球を打つ意識をもったほうが球は上がる
小祝選手のスイングの特徴は、❶のアドレスから❽のフィニッシュまで腰のラインが地面と平行なこと。アマチュアは、球を上げようと思って切り返しからインパクトにかけて左腰が上がることが多いですが、左腰が上がるといい感じにインサイドからクラブを下ろすことができてもダフる確率が高くなってしまいます。一度ダフってしまうとダフリたくないという思いから、クラブをアウトサイドから下ろしてミスになるという悪循環も起こりがちです。
ミスを防ぐには、低い球を打つ意識をもって、右腰が下がらないようにします。右腰を下げないコツは、構えたときに左のこめかみを押さえられているようなイメージをもってみてください。左からサッカーボールが飛んできてそれを頭の左側面で受け止めるような感じです。体の構造上も頭が右にあると左腰は上がり、左にあると下がるものです。頭の位置を左側にキープする意識で、スイングしてみましょう。
そうすればしっかり当たってロフトなりの高さが出るので、球を高く上げようと思わなくても上がるのです。「ボールを高く上げるのはクラブの仕事」と思い、両腰の高さをキープしながらインパクトしましょう。
下半身の使い方② ヒザの入れ替えで 飛距離を伸ばす


上半身を大きく動かしてしまうとミート率が悪くなる
FWはティーアップしないで打つクラブの中で、もっとも長くて難しいクラブ。アマチュアはミートに苦労します。ミート率を上げるには、スイングをコンパクトにしたい。でも、コンパクトにするとヘッドスピードが落ちてしまう。そこで大事なのが下半身の使い方になります。
永井選手はヒザをうまく使って飛ばしています。❸のトップのヒザの位置と❺のインパクト前の写真を見てください。トップでは左ヒザが前に出て右ヒザが下がっていますが、インパクトでは右ヒザが前に出て、両ヒザの位置が入れ替わっているのがわかります。ヒザの位置を入れ替えると腰がしっかり回るので、ヘッドスピードを落とさずに打てます。
ヒザをうまく使うには、体重のかけ方がポイントになります。トップまでは左ツマ先と右カカト、切り返し以降は右ツマ先と左カカトに体重をかける。素振りでもいいので、体重がかかる位置を意識して、ヒザを入れ替えて腰を回すスイングをマスターしましょう。
永井選手のように小柄な人ほどオーバースイングで飛ばそうとしますが、彼女のスイングはじつにコンパクト。腕の動きが少なくトップの位置が浅い。上半身の動きを抑えているので、トップもコンパクトになっている(❸)。そのぶん下半身をしっかり使って、ミート率を上げて飛距離を伸ばしています。
下半身の使い方③ 体重移動をせずに腰の回転で飛距離アップ


体が横に動いてしまうと振り遅れてスライスしてしまう
ティーショットでドライバーを使わず、FWを使用することがあると思います。昨年のドライビングディスタンス2位の幡地選手も、ドライバーだと飛びすぎてしまうときはFWでティーショットを打つ。飛ばし屋ですが、FWのスイングはアドレスからフィニッシュまでとてもコンパクトで静かに見えます。
飛ばそうとするとバックスイング(❷)で、右へ大きく体重移動しようとしますが、スエー(体が横に動くこと)しやすく、オーバースイングの原因にもなります。クラブには慣性モーメントがあるので、体が横に動くと振り遅れやすくなってしまう。振り遅れるとフェースが開きやすいのでスライスしたり、スライスを嫌がって手を返しすぎるとフックのミスが出てしまいます。
幡地選手のいいところは、フィニッシュまで体の幅の中でスイングしようとしていることです。アドレス時の体の幅の中でスイングするためには、下半身の動きが重要。インパクトまで体重移動をあまりせずに、体の回転を腰から捻るようにしてください。
体重移動を抑えて腰を体の幅から出さずにその場で回ると、自然とハンドファーストの形でインパクトできます。静かな動きでも「飛んで曲がらない」を両立するスイングで打てますよ。

小祝さくら
●こいわい・さくら/1998年生まれ、北海道出身。158cm。

永井花奈
●ながい・かな/1997年生まれ、東京都出身。155cm。

幡地隆寛
●はたぢ・たかひろ/1993年生まれ、広島県出身。188cm、98kg。

解説=平野 茂
●ひらの・しげる/1973年生まれ、東京都出身。早稲田大学野球部から社会人野球へと進み、プロ野球を目指したがゴルフの道に転向。2013年「フラットフィールドゴルフ」の代表として独立。師匠は叔父の中山徹プロ。
写真=中野義昌、相田克巳、高橋淳司
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