素振りでゴルフは上手くなる!毎日やることで得られる効果とは?

300ヤード以上飛ばすゴルフコーチが実践している素振りを解説します。

素振りの方法や効果を東城湧大コーチがレッスン。スイングづくりや飛距離アップ、方向性アップに役立つ素振りについて詳しく教えてもらいました!

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素振りを毎日やることで得られる効果

高校ゴルフ部を卒業後、指導者とドラコン選手の道を進むことにした東城コーチは、スイングとパワーのレベルアップのために日々練習に励んでいた。

ある日、アルバイト先の建設現場で鉄骨を見つけて、なんとなく振ってみたところ……「これだ! と閃いて、重い鉄骨にグリップを挿した棒を毎日振りました。すると、体のどこを使い、どう動けばいいか〝鉄骨素振り棒〞が全部教えてくれたのです。そして、逆に軽いものを振ったらどうなるか、やってみたら、飛距離が一気に伸びたのです」(東城)

素振りの正しい練習方法は?

正しい素振りの練習は「重い棒」と「軽い棒」を交互に振ることだと東城コーチはいいます。

重い棒は約1キロ以上を振る

ウエッジ2本(約1キロ)を振るときは、1本を逆さにして持つ。2本ともグリップ側を持つとヘッド側が重すぎて、振り遅れたりクラブに振られすぎてしまう(×)

軽い棒はシャフトだけor逆に握って振る

軽い棒は、クラブを逆さに持つか、弾道調整機能つきのクラブならヘッドを外して振る

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重い棒を振る

ポイント1:体を回さないと振れない!

手先を使ってクラブを振るのはダメ! とわかっていても、スイング中、ついついどこかで手や腕が動いてしまう。しかし重い棒は、手先では振り上げようとしても上がらない。必ず体を回して、体幹などの大きな筋肉を使って振るようになる。

「トップまで、だけでなく、切り返しからフィニッシュまでも体を回して振らないと、重い棒も体の動きもコントロールできません。振るたびに軌道や体の動きが安定しない人は、体をもっと大きく回してください」(東城)

ポイント2:楽に支えられる位置や形が正しいトップ!

「トップの形はとても大事でしたね」と東城。トップの形が悪いと、スムーズに切り返せないのでダウンスイングの軌道が乱れ、飛ばないし曲がってしまう。「重い棒を楽に支えられる位置や形。それがトップの正解でした」と、正しい手や腕の位置、手首の角度などが自然にわかったそうだ。

ポイント3:強く叩く、きれいに振るために使う筋肉がわかる!

数秒で終わってしまう通常のスイングでは、どの筋肉を使って振っているかがわかりにくい。「重い棒は体への負荷も上がります。だから、それぞれのポジションで使うべき筋肉がはっきりわかる。これはいちばん目からウロコでしたね」(東城)。

ちなみに、前傾のキープやクラブを引っぱるために、バックスイングは腹筋、トップは左側の腹斜筋、ダウンスイングは右側の腹斜筋に負荷を感じるそうだ。インパクトエリアでは前傾のキープに加えて、腰がきちんと回転していると左臀部付近に負荷を感じる。各ポジションで、筋肉の張りや負荷がいちばんかかる部位がこれら以外の場合は、力の入れ方や動きが間違っている。

軽い棒を振る

ポイント1:体を回さず腕を積極的に振る!

軽い棒は、クラブを逆さに持つか、弾道調整機能つきのクラブならヘッドを外して振る

軽い棒での素振りは、できるだけ速く振る。「これは2ステップで行ないます。まずは腕を積極的に振って、重い棒では感じにくかったヒジや手首をしなやかに使うことと、クラブを振る動きに合わせて両腕や手首の自然なターンを覚えます。腕を振って速く振ることが優先。体の回転はおろそかにしてOK です」(東城)

ポイント2:音の位置の違いで気づいた!体を回せば左サイドで鳴る!

風切り音を左サイドで鳴らずドリルは、やってみたことがある人も多いはず。しかし、速く振って音を左サイドで鳴らそうとしてもできない人は、体の回転が不足している。東城もフィニッシュまで大きく回り続けることの大切さをこの素振りで学んだ。

ポイント3:フォローサイドで風切り音を鳴らす

ステップ2は「胴体や足腰は重い棒素振りのときと同じ動きをしながら、ステップ1で覚えた腕を積極的に振る動きを加えます。すると、棒が空気を切る音の位置がフォローサイドになる。打つ前に減速してしまうインパクトから、加速し続けるなかで打てるインパクトに変わるので飛ぶようになる。ヘッドスピードが5m/秒くらい上がりました」(東城)

最後に、ドライバーの飛距離と方向性アップに役立つ、重い棒を使ったストレッチを東城コーチに詳しく教えてもらいました!

自宅でもできる飛距離アップに役立つストレッチ!

ラウンド前だけじゃない! 練習の前も「眠っている関節や筋肉に刺激を与えてから」はじめると、1球目から体が思いどおりに動く。ムダな球数や時間が不要になるし、ケガも防げる。とくに体が固まる冬場は、このストレッチをしてから打つのがオススメ。「重い棒を使って」がベストだが、ウエッジ4本(約2キロ)でもOK。これも上達に役立つドリルだ!

呼吸が楽になりリラックスできる

クラブを両手で持ち上げたら、バンザイの姿勢から上体をうしろに反らす。胸と一緒に横隔膜も伸ばすことで呼吸が楽になりリラックスできる。朝イチのスタート時など緊張する場面で有効。

デスクワークや運転でのコリをほぐす

頭上に上げたクラブを頭のうしろへ下げる。背中を反るストレッチと組み合わせると肩甲骨や背中の筋肉がほぐれるので、デスクワークやラウンド日の朝の運転で肩や背中がコリ固まっているときにオススメ。上半身のリキみもとれるので、大きく安定した捻転が作れる。

スイングにメリハリがつく

バンザイの姿勢から体を左右に倒す。胸や両ワキ、腰まわりの柔軟性はスイングの緩急を作るために重要で、ダウンスイングではタメを作るために、インパクトゾーンでは詰まってしまうリキみを解消する。大きなフォローやフィニッシュもとれる。

大きな筋肉をバランスよく使える

上体を倒して前屈。ヘソを見るように頭をしっかり落としてお腹を縮めるイメージで行なう。背中全体を伸ばすことで大きな筋肉である背筋を、安定や強い力を引き出すために固く、またはスピードを上げるためにゆるくするなど、バランスよく使う準備ができる。

ひねった力を受け流す

前屈したまま左右に回転。前屈して伸ばした背中側の筋肉にひねりを加えることで、ヒザ裏やモモ裏にハリが出る。ダウンスイングやインパクト時などに急激にかかる下半身への負荷を受け止めたり、受け流すことができる。

どっしりとしたアドレスが作れる

前屈してクラブを背中で担ぐ。背中の筋肉を伸ばしつつ、臀部や両脚の背面に負荷を感じる。普段のアドレスよりも腰を落とすイメージでお尻を突き出し、この状態での負荷のかかり方を実際のアドレスに取り込むと、土台の安定した構えがとれる。

前傾したまま普段より深く捻転できる

クラブを担いだまま、両端が天地を向くまで左右に回転。スイング動作に近いが、腕が体の前にある体勢よりも、前傾したまま深く体を捻転させられる。また、重心を低く下げたままのバックスイングや、回転方向に合わせてしっかり体重を乗せる動きの習得にもつながる。

上半身の激しい動きを支える

片足を大きく踏み出し前屈。「ランジ」という形で臀部からモモ裏にかけての大きな筋肉に刺激を与えられる。後方に伸ばした足はアキレス腱も伸ばせる。踏み出した足はスネの筋肉を縮めると、スイング中のヒザ下の安定感が増す。足元が不安定なライやここ一番で振りちぎりたいときに、上半身の激しい動きを支え、下半身はもうひと踏ん張りが効くようになる。

ねじったパワーをヒザで受け止める

ランジの体勢から左右に回転。スイング時の捻転中にかかる負荷をヒザ裏で感じる。右足を前に出して右に回転したときは、バックスイングからトップ。左足を前に出して左に回転したときはダウンスイングからインパクトまでのスエーを防ぎ、パワーを下半身に充填する感覚が得られる。

腕の自然な回旋

片腕を伸ばして持ったクラブ(2本でOK)を左右に回転。腕はクラブの動きに合わせて回旋するので、バックスイングが直線的になりすぎたり、トップでは極端なシャフトクロスやレイドオフになりにくくなる。また、スムーズに回す動作によって強すぎるグリッププレッシャーが和らぐ。腕全体の脱力によってスイングテンポやリズムの乱れもなくせる。片手をワキに挟んで回すと、ワキの下の神経が刺激され、腕まわりの筋肉や緊張感もほぐれる。

いかがでしたか? 東條コーチおすすめの素振りをぜひ実践してみてください。

レッスン=東城湧大
●とうじょう・ゆうだい/2002年生まれ、東京都出身。聖学院中・高等学校のゴルフ部で活躍。現在は最新のゴルフ理論を学び、自身のショットの飛距離や精度の向上に成功。ドラコン大会に出場して342ヤードをマークした実績ももつ。

写真=田中宏幸

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