
女子プロ6人のドライバーのスイングを解説!プロはどう打ってる?
黄金世代の台頭で大いに盛り上がった女子ツアー。女子ツアーに詳しい青木翔コーチが予想&マネしたいポイントを解説!
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左手一本で打つ練習で腕の脱力感を感じる

渋野選手のいいところは振り切りのよさですが、④のダウンスイングを見てください。左腕が地面と平行になったタイミングで胸はまだ右を向いていますが、お腹が先行して動いているのがわかります。手先で操作せずに、お腹を先行させたまま体を回して体の開きを遅らせてインパクト。こうすることで球のつかまりをよくすることができます。
男性はとくに腕の力が強く、上半身が先行してしまいがち。ダウンスイングでタメることができずに頭が突っ込み、体を開いてボールを打ってしまいます。体の開きを抑えるには、切り返しの瞬間に右手を離して左手だけで打つ練習が効果的。腕の脱力感を感じながら振って、クラブが自然に下りてくる感覚を養ってください。


渋野日向子
●しぶのひなこ/1998年生まれ、岡山県出身。167cm。
リズムよく振ることで飛距離もアップ

原選手のゴルフは、いい意味でまだ完成されていません。昨年1勝し、シード選手になったことで、今後、どのようなプレーを見せてくれるのか期待したいですね。
一般男性にも身長が近い彼女のスイングは、とても参考になります。彼女の大きな武器である飛距離を生み出している要素のひとつに、リズム感があります。足でリズムをとって下半身主体でスイングしますが、それがわかるのが③のトップから④の切り返しにかけて。右足が少し浮いているのは、下半身を先行させることでクラブをスムーズに下ろしているから。腕の力を使わない脱力したダウンスイングになっていますね。リズムがよくなるとクラブの軌道やフェース向きが安定するので、飛距離アップに繋がります。
リズムをよくするためにはステップ打ちやトップで一旦止まって、手を動かさずに下半身を先に動かして振る練習が効果的です。


原英莉花
●はら・えりか/1999年生まれ、神奈川県出身。173cm。
手ではなく腕でクラブを上げる

青木選手は昨年の秋ごろに調子崩していましたが、今年は復調し、万全の態勢で出場できそうです。クラブさばきが天才的にうまい選手なので、今季も注目したいですね。
スイングのポイントは、小さな体を大きく使って打ってパワーを作り出していること。③のトップでウエアの左ワキ腹にシワが入っていますが、これはしっかり捻転ができている証拠です。クラブを高く上げて捻転を深くすると、落下スピードと捻転のエネルギーが大きくなって強いパワーが生まれます。このシワの入り方を目指してほしいですね。
これは手でクラブを上げるのではなく、肩甲骨から腕までを使ってクラブを上げるのがポイント。最初はウエッジ3本を持って素振り。下半身の形を変えずにクラブの重さだけを利用して振り上げるバックスイングで身につけてください。

青木瀬令奈
●あおき・せれな/1993年生まれ、群馬県出身。153cm。
体の回転に対してクラブがついてくる感覚

有村選手は今年、目澤秀憲プロコーチと契約しました。彼女は深く考えながらゴルフをしているので、理論派の目澤コーチと組むことで、頭をすっきりさせた状態でプレーができるようになるでしょう。
有村選手は体をしっかりと回す振り抜きのよさで、フェードを打つタイプ。チーピンが出る人にマネしてほしいスイングです。⑥の振り抜きで、回り切った体の左ワキの下からクラブが出ているところに注目。体の回転が少ないとクラブは左肩のあたりから出てきてしまいますが、これは腕だけで振り抜こうとしていることが原因。
アマチュアによくあるミスです。体の回転に対してクラブがついてくる感覚を身につけると、体をうまく回せるようになります。練習方法は、両ワキにタオルを挟んだままティーアップしたボールを打つドリルがオススメ。手でこねてしまうとティーを打ってしまうので注意してください。


有村智恵
●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。
左肩が上がると打ちにいってしまう

大里選手は身体能力が高く、まだまだうまくなる素質があります。注目したいのは④のダウンスイングで、左肩がストンと下がっているところ。ムダな力を使わずに、クラブの重さなどのエネルギーを使って振り下ろす。そうするとヘッドが浮かず、クラブが低く入っていくのでミート率が上がります。
リキんでしまいがちなアマチュアは、反対に左肩が上がってボールを打ちにいってしまうことが多いので脱力してください。脱力しているかを見分けるには、一旦トップで止まり、切り返す瞬間にクラブを離してみましょう。うまく脱力していればクラブは右に、左肩に少しでもリキみがあるとボール位置あたりに落ちてしまいます。
左肩が上がるのを防ぐには、右手を左肩の上に乗せて、クラブを持たずに左手1本で素振りをするのがオススメ。左肩を押さえることで「上がらない」感覚がつかめますよ。


大里桃子
おおさと・ももこ/1998年生まれ、熊本県出身。171cm。
体重移動しすぎると振り遅れてしまう

S・ランクン選手は昨年ツアーに参戦し、初優勝を果たしました。トータル的にゴルフがとても上手で、スイングの完成度が高い。2年目の今年はさらに活躍しそうです。
彼女のいいところは、アドレスからフォローまで左足の位置が変わらないこと。左足のキープは、インパクトにかけて左に体重を乗せすぎないことがポイントです。体重移動が多すぎると振り遅れて、フェースが開くなどのズレが生じやすくなります。
ランクン選手は足首がすごく柔らかいので⑦のフィニッシュで左足がめくれていませんが、アマチュアはここで左足がめくれても大丈夫。左足の位置を変えないことだけ意識しましょう。これは左足の左側面に箱などを置いて打つ練習が効果的。切り返しからの体重移動を抑えめにして、左足が箱に当たらないようにスイングしてください。


S・ランクン
●1999年生まれ、タイ出身。166cm。
いかがでしたか? プロの打ち方を参考にしてみてください。

解説=青木翔
●あおぎしょう/1983年生まれ、福岡県出身。
写真=中野義昌、小林司
取材トーナメント=センチュリー21レディス、サロンパスカップ
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