女子プロの美しいスイングを解説!「下半身を上手に使う」とは?

容姿だけでなくスイングも美しい3選手をピックアップ。きれいに振る秘けつは、ズバリ“腰から下”の動き! 下半身を上手に使うコツを解説します!

まずは稲見萌寧選手から。

【関連記事】菅沼菜々、初の写真集発売!購入はこちら

ダウンスイングで踏み込む動作を入れる

下半身を積極的に使って振るのは、主にダウンスイングです。稲見選手は❼で左足のツマ先を内側に向けたまま、左ヒザをタイミングよく伸ばしています。「左サイドの壁」を作って体が目標方向に流れてしまうのを防いでいますが、あわせて腰の回転を左ヒザで受け止めると、過度な回転や体重移動のしすぎを抑えられます。また、スイング軸が安定するため、ミート率も上がるのです。

インパクトで左ヒザを伸ばすには、❹の切り返しで一瞬重心を落とすように左足で踏み込む動作が必要です。そこから❺のように、ヒザの間隔をあけて少しガニ股に動かしていきます。ガニ股にすることで「間(ま)」を作り、切り返しの早い段階でヒザが伸びないようにしましょう。スイングを安定させるには、頭の位置も大事です。

【Point】頭はセンターかやや右にキープ。左に流れてしまうと下半身も左に流れてしまう(写真⑥)
【Point】右ヒザは曲げるのではなく左に回していくと軸を傾けず振り続けられる(写真⑦)

ドライバーはややアッパーブローで打ちたいのでインパクトで軸が右に傾きますが、稲見選手の頭の位置はアドレスからインパクトまでほぼ変わりません。軸を中心に体を回せば、体も軌道もブレない。軸を左右にズラして大きく飛ばす方法もありますが、安定感に欠けるし、何より稲見選手のように美しくは見えません。

続いて、三浦桃香選手。

インサイド・インで振りやすくなる

三浦選手は下半身をうまく使って、近ごろ流行りのシャローイングを作って振っています。シャローイングとは簡単にいうと、インサイド・イン軌道で振りながら、緩やかな入射角でボールをヒットするスイングのこと。方向性を安定させながら飛距離を伸ばせるのが長所です。

【Point】下半身の動きを抑えて上半身を大きく捻った飛ばせる美しいトップ(写真③)
【Point】左腰は下方向、左肩は上方向に動かすとクラブをインに下ろしやすい(写真④)

アマチュアがマネすると手だけでシャローイングを作ろうとしますが、三浦選手を見ると下半身の動きが大事なことがわかります。❸のトップから❹にかけて、左腰は下方向、左肩は上方向に動いている。この動きによってクラブが内側に入るダウンスイングになり、正しいシャローイングが作りやすくなります。難しい動きのように感じるでしょうが、慣れないうちは❺の手元が腰の位置にきたときに、両腰の高さが地面と平行になるようにしてください。左腰だけ上がってしまうと力が逃げやすく、反対に左腰が下がると左肩も下がってしまいインサイドのプレーンにうまく乗りません。

シャローイングに加えて、三浦選手は体の捻転差も大きいです。トップで上半身が大きく捻れるのに対して、下半身はほぼ正面を向いている(❸)。力強さと美しさを兼ね備えたトップに惚れぼれしますね。

最後は、金田久美子選手!

ダウンスイングで前傾をしっかりキープ

金田選手の美しさのポイントは、腰の回転量の多さです。バックスイングではあまり大きく回しませんが、ダウンスイングからインパクトにかけてのキレがすごい。腰が完全に目標を向くくらい大きく回っています(❹ ❺)。この腰の回転はクラブの加速力につながっています。鋭く回転させるのは腰だけ。切り返し以降、上半身も一緒にボールへ向いてしまうと加速力が上がらず、振り遅れの原因になります。インパクトまでに腰は切っても、上半身はなるべく右へ向けたままにしてください。

【Point】前傾をキープしようとすると背中を反りがちだが丸めたほうが腰を鋭く回しやすい(写真④)
【Point】両腕の間隔を変えずにキープするのも前傾キープのコツ(写真⑤)

腰をうまく回すには、ダウンスイングでの前傾キープが重要です(❹)。アマチュアは腰を回そうとすると、ダウンスイングで右ヒザと腰が前に出て、体が起き上がってしまう人が多い。腰は前傾させた骨盤の向きをキープ。右ヒザは前ではなく、目標方向に向くように回すと前傾がキープできます。これは、アドレスしたら腰をどのくらい回してインパクトするかを予行練習してみましょう。その形を実際のスイングで再現して打つのがオススメです。

このスイングは柔軟性が必要なので、体が柔らかい男性か女性にマネてほしいですね。キンクミちゃんが好きで憧れているけど体が硬い男性やシニアは、腰を痛めてしまうかもしれないので気をつけてください。

いかがでしたか。3人のスイングをぜひ参考にてしてください!

解説=吉田栄太
●よしだ・えいた/埼玉県出身。03年より堀尾研仁に師事し、ゴルフティーチング理論を学ぶ。12年にJPGAティーチングプロB級を取得。落ち着いた話し方と丁寧な指導方法に定評があり、東京都・有楽町駅近くの「ビームス&ウインズステーション」でレッスン中。

稲見萌寧
●いなみ・もね/1999年生まれ、東京都出身。166cm。19年のセンチュリー21レディスで初優勝を果たすと、賞金ランキング13位に入り、シード権を獲得。新人賞も受賞。20年はスタンレーレディスで2勝目をあげた。都築電気所属。

三浦桃香
●みうら・ももか/1999年生まれ、宮崎県出身。169cm。高校1年でマンシングウェア東海クラシック、サマンサタバサガールズコレクションレディースに出場し、ベストアマチュア賞を獲得。20年は男子下部AbemaTVツアーに出場した。アウトソーシング所属。

金田久美子
●かねだ・くみこ/1989年生まれ、愛知県出身。166cm。幼少のころから天才少女として注目を浴び、11年のフジサンケイレディスでツアー初優勝。「キンクミ」の愛称で親しまれている人気プロ。スタンレー電気所属。

写真=高橋淳司

関連記事一覧