
女子プロ4人がアイアンの上達法を解説!フェースの真芯を確実にとらえる
アイアンショットの精度アップでスコアアップ!フェースの真芯に当てて、左右への曲がりを抑えながら番手なりの飛距離を正確に出す。グリーンを確実にとらえるアイアン上達のヒントを伝授しよう!
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右目の位置を高くすると肩が開いてしまう

ボールと足元の間にもう1本の棒を平行にセットすると、両目を含めた体の向きをそろえやすくなる
方向性をよくするには「目線」が重要で、私はまず、両目がターゲットラインと平行になるように構えます。そして、目標を確認するときは、そのラインを目でなぞるように右目を下にしながら頭を左に回転。ここで右目を高くして目標を見ると、肩が開いてしまうので注意してください。
目線を戻すときも、ラインをなぞって往復させるのがコツ。練習ではボールの先にスティックやクラブなどを置き、それを仮想のターゲットラインにすると効果的です。
ボールをターゲットラインに打ち出す

「ターゲットラインを強くイメージし、インパクトでヘッドとボールをそのラインに真っすぐ出すと、ピン筋一直線のショットが打てます」(橋添)
過度なカット打ち

アドレスで肩が開くと、極端なアウトサイド・イン軌道になりやすく、大きなミスが出る
ヘッドを外に出す

インパクトでヘッドを外に出しすぎると、左ワキが開いてしまい、ボールが正しくつかまらない
右目を下にしてターゲットラインをなぞるように目線を往復させる


右目が高くなると、体の向きがズレて方向性が悪くなる

橋添 穂
●はしぞえ・みのり/2000年生まれ、山梨県出身。154㎝。21年のプロテストに合格。23年にステップアップツアーのラシンクRKBレディスでプロ初優勝。今シーズンはレギュラーツアーでのシード入りと
優勝を目指す。Trees所属。
胸の高さで右ヒジが下を向き右の前腕はほぼ垂直になる

アイアンショットがブレてしまう人は、バックスイングで「右ヒジの向き」をチェック! 胸の高さで右ヒジが地面(下)を向き、右の前腕はほぼ垂直になるのが理想です。ポイントは、その右ヒジをシンプルに上下動させること。構えたときの体と右ヒジの間隔を変えずにバックスイングをしたら、右ヒジを地面に向けたままスッと上げて下ろす。トップで間は作りません。こうして余計な動きを加えなければ、スイングもシンプルになり、ショットの精度がよくなりますよ。

トップで間を置かずに下ろす

「アイアンはムダな動きを省いて、コンパクトに振ることが大切。トップで間を置かずに右ヒジを上下動させるだけでOKです」(山田)
右ヒジを絞りすぎる

右ヒジが体の内側を向くと、クラブが背中側に倒れてスイングプレーンが乱れる。これもショットがブレる原因
右ヒジが外を向く

トップで右ワキが大きくあくほどクラブを振り上げると、右ヒジが外を向いてプレーンもショットもブレてしまう

山田彩歩
● やまだ・さほ/1998年生まれ、北海道出身。157㎝。21年のプロテストに合格。得意クラブはアイアンで、正確無比なショットが武器。24年はレギュラーツアー5試合、ステップアップツアー15試合に出場。フリー。
ミートで飛ばす!方向性と安定性も上がる

トンカチで釘を叩くときを思い出してください。まずは、トンカチを釘の頭に当て、そこから少しだけ振り上げ、力を入れるのは釘に当たる瞬間だけですよね。トンカチを思いっきり高く振り上げて釘を叩くのは、うまく当たれば1回で深く打ち込めますが成功する確率は低い。アイアンショットもそれと同じなんです!
コンパクトにするバックスイングは、強く叩くインパクトのイメージが消えない範囲まで。アイアンは飛距離よりも正確性が優先ですが、ミート率を上げるとコンパクトなトップからでも飛ばせるし、ショットの安定性が大きく上がります。

ヘッドがウッドより小さいアイアンは、打点のズレが大きなミスになってしまう。ボールに与えるパワーを大きく振りかぶって出そうとすると、正確性が落ちてしまうので×
バックスイングは8時フィニッシュは2時の位置

振り幅のイメージは、バックスイングは時計の文字盤の8時のところまで、フィニッシュは2時で止める。どちらも「小さすぎない!?」と思うが「アマチュアはイメージした位置より絶対に大きく上がりますから!超コンパクトなスイング幅からはじめることもミート率アップの秘けつのひとつです」(甲田)
アドレス時に「強く叩く!」をイメージしてからバックスイング

「アドレス時にボールを強く叩く、形と意識をもってください」と甲田。そのイメージが消えない高さまで、がフルトップ。イメージが薄れてしまったらバックスイングが大きすぎる証拠。かなりコンパクトに感じても気にせずに!
顔の向きを固定
目線をボールから切らない

「釘を叩くときは、釘の頭を見続けていますよね?それと同じでボールを見続けながら打つことが大事。クラブが気になり、バックスイングで目線をボールから切ってヘッドを見るのはNG。目線や顔の向きが変わるとミスの原因になってしまいます」(甲田)

甲田良美
●こうだ・よしみ/1983年生まれ、栃木県出身。164cm。ゴルフをはじめたのは高校卒業後。09年のプロテストに合格し、2010年にはレギュラーツアーのリゾートトラストレディースでツアー初優勝。安定したショットに定評があるママさんプロゴルファー。フリー。
ワキは「締める」ではなく自然に「締まる」が○

軽くて薄いティッシュペーパーがベスト。ワキに挟んで、ティッシュが落ちないように振ろう
スイング中にワキがあいてしまうと、クラブの動きが不安定になるためミート率が下がってしまいます。だからといって、腕や肩に力を入れて強く締めるのも、フィニッシュまでワキを締め続けるのが難しくなるのでNGです。
ワキを締める力加減は「締める」というよりも自然に「締まる」のがグッド。肩関節から腕を外旋させて、ワキに挟んだティッシュペーパーが落ちないくらいの力でOK。スイング中、両ヒジの間隔を変えずに打てるのでミート率が上がる。トップもフィニッシュもプロようなカッコいい形になりますよ。
腕の外旋でワキを締めて構える

「肩関節から腕を外側に向けて回転させましょう」(手束)。正しく外旋できると、腕の付け根とワキが締まり、両手のひらが上を向く。このワキの締まりをキープしたまま、手だけを内側に向けてクラブを握るとスイング中にワキが開かなくなる
無理に締めようとするとヒジが外側を向いてしまう

力を入れてワキを締めると、腕が内旋してヒジが体の外側を向く。このヒジの向きでスイングすると、右ワキがあいてクラブはシャットに上がっていく、体の軸が傾くなどの余計な調整が必要になるためショットが不安定になってしまう
ワキが締まると両ヒジの間隔がキープできる

腕を外旋させてリキみなくワキを締めると、スイング中の両ヒジの間隔をキープできる。両ヒジの間隔を変えないことでクラブの動きが安定。方向性がよくなり、狙った飛距離も出せる
いかがでしたか? ぜひ、レッスンを参考にして練習をしてみてください。

手束 雅
●てづか・みやび/2000年生まれ、徳島県出身。167㎝。22年マイナビネクストヒロインPIMレディスで優勝。24年にプロテスト合格を果たしたルーキーで、ツアーでも活躍が期待される選手のひとり。フリー。
構成=小山俊正、岡田豪太
写真=田中宏幸
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