
飛距離を伸ばす“猫背アドレス”とは?構え方を直すだけで飛ぶ!
飛距離を伸ばすもっとも簡単な方法は、スイングよりもアドレスを変えること!今まで常識だと思っていた背中を伸ばしたり、お尻を上げたりする構えが飛ばない原因だった!
【関連記事】まさに「全アマチュア向け」! 飛ばせる“限定シャフト”がついに発売開始!
体を安定させるアドレスは逆効果

猫背アドレスで両腕まで脱力した構えに!飛ばしにはこれが欠かせない!
アドレスで「背中を伸ばす」「お尻を突き出す」「ヒザを大きく曲げる」。これらは、飛ばすためのアドレスとしては、すべてNGです!そもそもアドレスでは「どっしり構えよう」「体を安定させよう」という意識は間違い。
アドレスは動きはじめる前の準備をするポジションなので、動きやすい姿勢になっていないといけない。背中を伸ばしたり、お尻を出そうとするほど、体が動きにくい姿勢になってしまいます。
私がアドレスで提唱したいのは、少し猫背になる構え方です。背中をピンと伸ばそうとすると背中の筋肉に力が入ってしまうので、バックスイングで上半身が回りにくくなってしまいます。PGAツアーで活躍している松山英樹選手やローリー・マキロイ、トミー・フリートウッドなどを見ても、アドレスで背中が丸くなっていて、じつはあの構え方に飛距離アップの秘けつがあるのです。

お尻を出して、反り腰の構えになっていると体は回りにくくなる。どっしり構えようとすると両腕に力が入って、手打ちになりやすい
背中を伸ばすと体が動かず窮屈なスイングに

アドレスで背中が伸びてガチガチになっているとバックスイング、インパクト、フォローまで背中に力が入り、窮屈なスイングになってしまう

最初にヒザを曲げると反り腰になりやすい

最初に股関節を前傾させてから背中をリラックスさせると腰が伸びて背中が曲がる
背中がガチガチになってしまう人には共通点があります。最初にヒザを曲げてから上半身の形を作ろうとするため腰が反って、背中がピンと伸びた構えになってしまうのです。
そんな人には私もレッスンで「もっと猫背に構えてください」と指導するのですが、ヒザからアドレスを作る人は、ヒザを曲げてから腰を曲げてしまうので、背中を曲げても悪い姿勢のアドレスになってしまいます。
理想的な猫背アドレスは腰がきれいに伸びて、背中の中央から首にかけてが丸くなっている構えです。腰回りが曲がっていると骨盤が前傾できていないので、スイング中に前傾角度がキープできません。アドレスを作る正しい順番は、直立した姿勢から骨盤を前傾させて股関節を入れてから、背中をリラックスさせて丸くする。最後に軽くヒザが曲がる感じです。
この猫背アドレスは、インパクトの形にもつながります。アマチュアはインパクトで伸び上がりがちですが、それはアドレスで背中を伸ばしているからです。一方、ツアープロのインパクトは少し背中が曲がり、上半身が下を向いています。それは猫背アドレスの再現になっているからです。
骨盤は前傾させる

直立した姿勢から骨盤を約45度傾けると、腰を伸ばしたまま前傾できる。ベルトのバックルがボールを向く角度が理想
腰を落としたり曲げるのはダメ!

どっしり構えようとして腰を落としたり、曲げたりすると、前傾角度がきちんととれないアドレスになってしまう
背中を丸くしてからグリップすれば強く握りすぎない

背中の力を抜いて腕をブラブラさせてからグリップすると、手首もリラックスするので柔らかく握れる
背中がリラックスすると肩、腕、手首も脱力!

猫背にして背中をリラックスさせることは、背中を回りやすくするだけではありません。背中が脱力できると肩、腕、手首まで脱力できます。これも飛距離アップのポイント!肩や腕がリラックスできていれば、バックスイングで胸が回りやすくなって、深いトップと最大限の捻転が生まれるのです。
アドレスで背中をピンと伸ばしている人は、腕にも力が入りすぎています。また、トップまでに腕をできるだけ伸ばそうとする人も多いですが、腕が伸びたままだとトップからインパクトにかけての腕やシャフトのしなりが使えません。とくに、左腕はトップで軽く曲げた状態からインパクトにかけて伸ばしていくことで、ムチのように使えるようになります。
力の入れ方としてはアドレスではゼロに近く、トップでもなるべく力が入っていない状態をキープする。ダウンスイングからインパクトにかけて一気に力を100%まで出すイメージがオススメです。
左腕:左腕がガチガチだとインパクトで伸び上がる

左腕に力を入れてピンと伸ばしてインパクトする人は、ボールとの距離を合わせようとして体が起き上がってしまう
右腕:右腕がリキむと頭が左に動く

背中に力が入った姿勢で右腕を一生懸命に伸ばそうとすると、バックスイング中に頭が左に動いて体も左に傾いてしまう
反り腰タイプは胸が回りにくい

反り腰になっていると胸が左右に回りにくくなる。伸び上がったトップになりやすい
ハーフウェイバックでは軽く右ヒジを曲げている

腕の力が抜けていれば、ハーフウェイバックでヒジは軽く曲がる(○)。力が入っている人はヒジが曲がりすぎて、体にくっついている(×)
アドレスでは右肩を少し下げる

今まで背中をピンと伸ばしていた人が猫背にすると、インパクトゾーンのクラブの通り道が狭くなったと感じるかもしれません。それを解決するのが斜めに構えるアドレスです。頭が体の正面ではなく右足の上にくるように構えると、フォローで大きく左に振っていけるスペースができるのでスイングアークが大きくなります。
また頭が右にあることで、アドレスでは少し右肩が下がったような構えになりますが、それでOK!右肩を下げたアドレスから始動すれば、インパクトでも右肩が下がるので体が伸び上がらないスイングになって前傾角度をキープできる。逆にアドレスで両肩が水平になっている人ほど、インパクトやフォロでも肩が水平になってしまい前傾が崩れてしまいます。
PGAツアーのトップ選手を見てもインパクトでは猫背のまま、頭を右に残して力強いフォローを出しています。それをマネするコツが、斜めに構えた猫背アドレスなのです。


体の真ん中に頭があると、インパクトからフォローで頭が左に動いてしまう。体が突っ込んだスイングになりやすい

頭が右サイドにある姿勢をキープすると、インパクトからフォローまでヘッドが加速する

ボールの見方は真上からではなく、斜めからボールの横面を見るように下目使いで見る
右肩が下になると前傾角度もキープできる!

右肩が下がっているとフォローまで前傾角度をキープできる(○)。両肩が水平になってしまう人は右肩が突っ込んで起き上がる(×)
いかがでしたか? 猫背アドレス試してみてください!

レッスン=崔貴憲
●さい・たかのり/1983年生まれ。4歳から高校卒業まではサッカー一筋。21歳でゴルフに出会うと23歳で豪州にゴルフ留学し、26歳から指導者となる。
構成=野中真一
写真=相田克己
協力=取手国際ゴルフ倶楽部
【あわせて読みたい】

































