「寄せワンの取り方」プロが教える球を操るための“2つの基本テク”

狙ったところに打つコツ、気になりませんか?

今回、球筋が自由自在になるコツを小泉正樹さんに教えてもらいました!

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寄せワンをとるには?

アプローチはシチュエーションによって、最適な打ち方をする必要があります。そのため、球を自由自在に操ることが必要不可欠だといえます。

小泉プロは、「フックやスライスといった球筋の打ち分けは、長い距離を打つショットの場合にだけ関係してくると考えている人が多いと思いますが、じつはアプローチの場面でも非常に有効なテクニックになります。フックやスライスといった弾道は、アプローチでは球が曲がることよりも球の高さやスピンのかかり方に影響を及ぼします」といいます。

その弾道の打ち分けをマスターするポイントはどんなことなのでしょうか?

球を操るコツはたった2つだけ

具体的には、フックはランニングアプローチやピッチ&ランなど低めに出てランが出やすく、スライスはピッチショットやロブショットなど高く打ち出してスピンも多めに入ります。

実際にはフックとスライスを主に球の高さの打ち分けとして活用するのですが、弾道から先にイメージを作ることで「球を上げるにはボール位置はここで、スイング軌道はこう」というように、打ち方をマニュアル的に考えるのではなく、「ちょっと上げたいから少しスライスのイメージで打とう」といった、構えやクラブの振り方、弾道などをセットでイメージできるようになるのでとてもシンプル!

このテクニックはショットのように、実際に球を曲げることではなく、スイングや球筋のイメージを作ることが目的なので、技術的にも難しくありません。

それでいて2つの基本だけでさまざまな状況に対応できるので、ぜひ身につけてほしいテクニックです。

寄せワンが増える2つのコツ


「高い弾道で球が止まるスライス系のアプローチ」は、ロフトが増えて打ち出し角が高くなりスピン量も多くなる。高く上がって止まる球が打てる。

「低く打ち出してランが出やすいフック系のアプローチ」は低く打ち出してランを出しやすいので、ランニングアプローチやピッチ&ランのイメージ。

この二つを使い分けよう。

フック打ちで寄せるアプローチ

ボールを包み込むようにインパクト
フォローはアウトサイドに、トゥを立ててボールを包み込むように振り抜いていく。テニスや卓球の「ドライブ」のようなイメージ。

ボールを右に置きインサイド・アウトで転がして寄せる

フック打ちで寄せるアプローチは、ボールを右足ツマ先前にセットし、ハンドファーストに構えます。スタンスや体の向きはスクエアでOKですが、ボールを右寄りに置くぶんフェースの向きは少しかぶります。

スイング軌道は若干のインサイド・アウトですが、真っすぐ引いて右方向に振っていくような感覚がちょうどいいでしょう。体は止めずにフットワークを使ってしっかり回転してください。フェースは閉じ気味に使いますが、フェースを「返す」というよりは卓球やテニスなどでドライブ回転をかけるときのようなイメージで、ボールを包み込むようにとらえましょう。

寄せの場面では、まずはこちらがファーストチョイス。パターがダメならフック打ちで寄せられるか考えてみましょう。

フックで寄せるシチュエーション

花道・上り 

花道からのアプローチでエッジまで多少距離がある場合などは、パターは使いにくいのでフックで転がして寄せたい。上り傾斜が強い場合などにも有効。

ピンまで距離のある下り

下り傾斜でもボールがエッジから近くピンまでの距離があるような場面では、フック打ちのアプローチでランを使って寄せるほうが確実性は高い。

エッジ近くのパターが使えないライ ボールがエッジから近く、パターを使いたいような場面でも途中の芝の状態が悪いと転がりが計算しにくいので、ウエッジでフックを打って寄せる

スライス打ちで寄せるアプローチ

コックは控えめ体の回転で振る。あまり手首を使いすぎず、コックを抑えて体の回転でスイングするのがポイント。カット軌道も意識しすぎないほうがいい。

フェースを開いてロフトが増えれば球が高く上がる

スライス打ちで寄せるアプローチは、フック打ち特有の低い球では寄せられない場合の次善の策。球を上げる必要があるときに使います。こちらは少しオープンスタンスで立ち、フェースを開いて構える。そしてフェースを返さずにスタンスにそって振ることで、軌道は目標に対してはアウトサイド・インになり、開いたフェースのロフトなりに球が上がります。

バックスイングは少し外に上げる感覚があってもいいですが、ダウンスイングをあまりインサイドに振り抜くきつめのカット軌道になると、球がフェースに乗りにくいので、あくまでスタンスなりのスイング軌道がベースになります。より高く球を上げる必要があるときは、フェースとスタンスのオープンを強める。これでさまざまな状況に対応できますよ。

スライスで寄せるシチュエーション

バンカー越え 

バンカーを越えてアプローチしなければならないときは、ある程度、球を上げつつしっかりキャリーを出したいのでスライス打ちでの寄せが有効。

奥からの下り

グリーン奥から下り傾斜へのアプローチは、普通に打つと転がりすぎて距離感が合わせにくい。スライスを打ってランを抑えることでピン付近に止めよう。

グリーン奥や左右のラフ

スライス打ちは、フックよりも入射角が鋭角になるのでラフから打つ際にも有効。球を高く上げられれば、ラフからでも転がりすぎずに寄せられる。

ピンが近く下りのライン 

ピンが近いうえに下り傾斜へ打つときは、止める球を打たないと寄せられない。スライス打ちで球をフワリと高く上げて寄せるのが得策だ。

いかがでしたか? この記事を参考に、ぜひ実践してうまく寄せてみましょう!

レッスン=小泉正樹
●こいずみ・まさき/1995年生まれ、千葉県出身。千葉県ジュニアや千葉県アマのタイトルを獲得し、17年プロ入り。昨年はQTファイナルまで進出。今季はABEMAツアーを主戦場にレギュラーツアーにも出場。フリー。

構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC

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