ゴルフが上手くなる動き!“二重振り子”を完全マスターする方法

「振り子」と聞くと、「揺れるの?」とふわっとした考えが浮かび、ゴルフに関係があるのか不思議に思いませんか?

今回のレッスンでは、森山錬さんによる持ち球、スイングタイプに関係ないスイングの基本動作である二重振り子の重要性を紹介してきます!

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スイングの基本で練習効果も最大化するとても大事な動き

練習にいろいろなドリルを取り入れても、その効果を感じられずなかなか上達しないという人が多いようです。その原因は、ゴルフスイングの基本中の基本となる大事な感覚がないままにボールを打っているケースがほとんど。

どんな練習をするときも実際にコースで球を打つときも、つねに感じてほしい基本となる動きがあります。

それが「二重振り子」です。

体と腕によるひとつめの振り子の先に、クラブというもうひとつの振り子がくっつき、両者が連鎖して動く感覚。この感覚を基本とすれば、スイングがスムーズになるのはもちろん、練習効果も何倍にもなります。

まずは、右手でクラブを持った素振りで、この感覚をつかんでください。

コレが二重振り子を具体化した動き!

最初に動くのは「体の振り子」。
バックスイングの途中でタイミングよく左に踏み込むことで、クラブも振り子の動きを始め、スイングが「二重振り子」になる。

二重振り子の動きを身につけるには、右手1本でクラブを持って行なう素振りが有効。

足の動きで動かされるひとつめの「体の振り子」によって、もう1つの振り子である「クラブの振り子」が振られる感覚を知れば、スイングの基本となる動きが身につき、上達も速くなる。

スイングは体とクラブ”2つの振り子”の複合体

まずはふたつの振り子を分解して考え、それぞれの動きを理解することが大事。

「二重振り子」の正体は、首の付け根を支点に体が動いて腕が振られるひとつめの振り子と、手元を支点にクラブが振られるふたつめの振り子の複合体。

ひとつめの振り子はフットワークで動き、ふたつめの振り子はひとつめの振り子につられて動く。

うまくできない人は4ヵ所に注意!

アーリーコックやタメを作ろうとする動き、フォローを大きくしようとする動きは、ふたつめの振り子を自分でうごかしてしまっている。
スエーはひとつめの振り子がブレている。

二重振り子ができない人、感じられない人は、ふたつめの振り子がひとつめの振り子の動きの結果として受動的に振られるのではなく、ふたつめの振り子自体を自分で動かそうとしてしまっているケースがほとんどだ。

ゆるく握った手のひらの中でグリップが動く

二重振り子のうち、ひとつめの体の振り子は動かせても、ふたつめのクラブの振り子がスムーズさを欠いてしまう人はとても多い。

これはふたつめのクラブの振り子がどう動くのかを知らず、無意識のうちに自分で余計な動きをして、クラブの動きを阻害しているからです。

ふたつめの振り子を正しく動かすポイントは、グリップエンドの向きを意識すること。

アドレスで上を向いていたグリップエンドがバックスイングでは下を向き、インパクトで上向きに戻って、フォローで再び下を向く。

手元を支点に、この入れ替えが起こることをイメージしながらふたつめの振り子を動かしましょう。

これはグリップを強く握っているとできません。

手の中でクラブがグラグラと動くことを恐れずに、力を入れたり抜いたりしましょう。

グリップエンドの向きの入れ替わりを意識する

アドレスとインパクトではグリップエンドは内側上を向き、バックスイングとフォローではグリップエンドは外側下を向く。

ふたつめの振り子をスムーズに動かすためには、この入れ替わりを意識することがとても重要だ。

スイング中、指は握る強さが変化する。トップでは左手の小指はゆるんでいて、インパクト前後では強く握る。そして、フォローではまた左手小指の力を抜いてみよう。

クラブを下から支えるテンションをかけ続ける

左手側のグリップエンドの支点に対して、右手でクラブを下から支えるようなテンションをかけ続けることが必要。

ヘッドが手元よりも上にある状態で水平素振りをする(写真真上)ようなテンションのかけ方をしよう。

体の振り子のフットワークが全体のリズムを作る

アドレスの姿勢からヒザを伸ばしたまま片足ずつ交互に浮かせると、自然と腕が振られてくる。これが全てのベースだ。

すべての動力源となりリズムを作るのはフットワーク。

足踏みをするような動きによって腕が振られるのがひとつめの振り子。

ふたつめのクラブの振り子は、ひとつめの振り子の動きによって受動的に振られているのだ。

足が使えないぶんクラブのターンを意識しやすい

二重振り子の動きが理解できたら、これをドリルに応用することで、それまでの数倍の練習効果を得ることができます。

とくに有効なのが下半身の動きを制限するタイプのドリル。

振り子の原動力となる下半身が使えないぶん、手の中でクラブをターンさせる覚が際立つのです。

たとえば右足を引いて左足1本で立って行なう「左足1本打ち」。

二重振り子の動きができていないと、極端なカット打ちになって左方向に低い球が出がちですが、二重振り子の感覚があれば、クラブの入れ替わりを利用してフェースローテーションで球をつかまえる感覚がわかります。

スタンス幅を極端に広げる、または狭くして球を打つドリルも、二重振り子を意識して行なうと、振り遅れやスエーを改善する効果があるのでやってみてください。

左足1本打ちで‟右残り”のスライスが直る

体重が右に残ってスライスする人は、右足を1歩引いて左足1本で立ってスイングするドリルが有効。

必然的に左足に乗ったインパクトが作れ、その状態でクラブが入れ替わる「ふたつめの振り子」を意識することで、正しいフェースローテーションで球をつかまえる感覚が身につく。

やや右に出てドローする球を打つイメージで、クラブをしっかりターンさせて球をつかまえよう

インパクトで右に体重が残って、スライスする動きが直せる

ワイドダンスで振り遅れを改善

インパクトで腰が開きすぎて振り遅れスライスする人は、超ワイドスタンスでボールを打つドリルがオススメ。

下半身が回りにくいワイドスタンスなら、自然と回りすぎが抑えられ腕を大きく積極的に振れる。

クラブの振り子を動かして球をつかまえる感覚が身につく。

ナロースタンスでスエーを直すには

スイング中に体が左右に流れて軸が安定しないスエーが原因でスライスやヒッカケが出る人は、両足の間隔を狭めたナロースタンスで球を打つドリルが効果的。

スエーすると立っていられなくなってしまうので、首の付け根の「ひとつめの振り子」の支点を安定させる効果がある。

クラブの入れ替わりを意識!ローテーションで球をつかまえる

これまで、これらのドリルをやってみてもヒッカケが出がちで効果を感じられなかったという人は「二重振り子」の感覚を取り入れることで意図した効果が得られる。

とくに「ふたつめの振り子」でクラブが入れ替わる動きを強く意識すると、正しいボールのつかまえ方が身につき、スイング全体が大きく改善されるはずだ。

二重振り子の感覚がないと下半身を制限しても、体が突っ込んヒッカケが出てしまう。

練習の器具の多くは二重振り子の動きと親和性が高い

ゴルフにはさまざまな練習器具がありますが、これらのアイテムをうまく使いこなせない人も二重振り子の意識と感覚を取り入れながら練習してください。たとえば、インパクト前後で音を出すタイプの練習器具。意図したところで音が出ないのは、ふたつめの振り子がうまく動いていません。

ふたつの振り子の動きを分離して正しく連動させることができれば、正しい位置で音を出せるようになるはずです。このほか、ゴムホースのようなふにゃふにゃシャフトの器具は、振るだけで動きが勝手に二重振り子的になる効果があります。また、両腕にモノを挟むタイプの器具は、腕の余計な動きを抑えて「ひとつめの振り子」を安定させる効果があるので、いずれも二重振り子がピンとこないという人は、使ってみてください。

正しい位置で音が出せる

棒の途中に可動式の重りがついていて、正しくスイングできるとインパクトで重りが移動して音が出るタイプの器具は、二重振り子ができていないと正しい位置で音が出ない。まずはひとつめの振り子が動き、それによってふたつめの振り子が動かされるという動きの順番を整えれば、狙った位置とタイミングで音を出せるようになる。

二重振り子によって写真3枚目のポジションが作れるようになると、器具が正しく動いて写真4枚目の位置で音が出せるようになる。

ダウンスイングの途中で重りが手元側に動き、それがインパクトで先端側に戻って音が出る。

インパクトエリアで音が出る素振り用の練習器具(リリース大臣)

二重振り子をはっきりと感じられる

やわらかいシャフト部分が、自然とふたつめの振り子を作り出してくれる

先端に重りのついたゴムホースのような素振り用練習器具は、やわらかいシャフト部分が自然とふたつめの振り子の動きを作り出してくれるので、何も考えずに振るだけで二重振り子的な動きになりやすい。最初に紹介した右手1本での二重振り子運動がイメージできない人は、まずはこのタイプの練習器具を振ってクラブが遅れてくる感覚を養うことで、正しい二重振り子を身につけやすくなる。

体と腕の一体感を高める系体の振り子が安定する

腕にモノを挟んでスイングするタイプの器具は、腕と体が一体化して同調して動く状態を作り出せる。すると、ひとつめの振り子が勝手に安定するので、ふたつめの振り子の動きに集中してスイングすることができる。二重振り子を意識するうえでは非常に有効な器具なので、森山もレッスン時に多用するという。

もっている人はぜひ活用しよう。

装着するとひとつめの振り子が勝手にいい動きをしてくれる練習器具(三角先生)

レッスン=森山錬

●もりやま・れん/1996年生まれ、東京都出身。

イーストゴルフスクール五反田店、浜松町ゴルフ倶楽部にてレッスンを行っているほか、YouTubeチャンネルで動画も配信中。

構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=浜松町ゴルフ倶楽部

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