
バンカーの縁にボールが?砂からボールを確実に出す方法をプロが解説
バンカーにボールが入ると、途端に苦手意識がよぎる方は多いものです。バンカーショットは、通常のショットとは異なるテクニックや考え方が求められる場面が多いため、特にアマチュアのゴルファーにとっては、一度で脱出できずに何打も費やすことも珍しくないでしょう。
本記事では、バンカーショットの基本からルール、そして大ピンチの状況を1発で切り抜けるテクニックまで幅広く解説します。正しい知識と感覚を身につけていきましょう。
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基本的なバンカーの打ち方を押さえよう
バンカーショットは苦手意識を持つゴルファーが多いエリアですが、基本を押さえることで成功率は大きく向上します。まずはアドレスやスタンスの取り方を確認し、クラブの入射角やフェースの向きを理解することが大切です。砂の特性を活かした打ち方を覚えることで、脱出に必要な感覚が身につきます。またバンカー内では通常のショットと異なる考え方が求められるため、状況に応じた判断力も重要です。ミスを恐れず、基本を身につけることが脱出成功への第一歩となるでしょう。
一般的な打ち方
バンカーからのショットでは、ボールそのものを直接打つのではなく、手前の砂ごと押し出すイメージが大切です。スタンスはややオープンに構え、クラブフェースも開いて構えることで、ボールが高く柔らかく上がりやすくなります。スイングでは体重移動を抑え、下半身を安定させたまま、上半身を中心にコンパクトに振るのがポイントです。
バンカーでの基本ルール・マナー
バンカーでの基本ルールは、ゴルフのプレーをスムーズに進め、他のプレーヤーに対してフェアであることが欠かせません。まずバンカー内ではクラブを砂に触れさせないことが大前提です。これはショット前にクラブを地面に置くことが禁止されているため、ボールの位置を測定したり、ショットの準備をしたりする際に注意が必要となるでしょう。
またプレーヤーはショット後に砂をならすことが求められます。次にバンカーを利用するプレーヤーが公平にプレーできるようにバンカーレーキを使って砂をならしましょう。適切なルールを守ることで、バンカーからのショットをより効率的に行うことができ、ゲーム全体を楽しむことにつながります。
不安定な足元でも当てられる構えを作ろう

ボールがフェアウェイバンカーの縁に止まった状況もトラブルです。バンカーの左縁ならほぼ問題ありませんが、先や手前は普段どおりの構えがとれない場合があるし、右縁に止まったボールはスタンスがバンカー内になってしまいます。この3つの状況は、トラブルショットだと思い、脱出を最優先させてください。
グリーンに乗せたいと欲張ると、大ダフリをしてしまい次打に長い距離を残すことにもなりがちです。3つの状況とも、ボールをミートしやすい構えを作り、そこから飛ばそうとせずに「手打ち」でいいのでしっかりヒットすることが肝心。ミドルからショートアイアンで100ヤード前後をしっかり打ち、次の3打目勝負に賭けましょう。
手前縁
右足を引いて立って手首をやわらかく使う

体全体が左足の上にあるような構え。右足が邪魔になるので、右足を引いて左足1本で立とう。体重移動はせず、手首を使ってスイングする

体重移動はダフリの原因(×写真)。左足体重のまま手首を使ってスイングし、ボールの先にヘッドが届くようにフォローを低く出そう
右縁
クラブを短く持ってスタンスを狭めて立つ

ボール位置が高いので、クラブを短く持つことが大事。スタンスを狭く、重心を高くして構え、スイングは手首を使ってコンパクトに振る

首の付け根に支点をイメージしてコンパクトにスイング。大きな体重移動はダフリの元凶(×写真)なのでNG
先縁
右足体重で立って高めの球で脱出

ボール位置が右にならざるを得ないので、右足体重で構え、そのままスイング。首の付け根がボールの真上にある状態を維持して振ろう。
バンカーから出すのが難しい理由
バンカーショットが難しいとされる最大の理由は、砂という不安定なライにあります。砂の質や湿り具合によって、クラブの抜け方や打感が大きく変化するのも難しさの一因でしょう。さらに、スイング軌道やフェースの開き具合を誤ると、ボールが飛ばなかったりホームランになる危険もあります。精神的なプレッシャーもかかりやすく、苦手意識が動作に影響を及ぼすケースも少なくありません。技術とメンタルの両方が求められる、ゴルフの中でも繊細なショットといえるでしょう。
バンカーでの注意点
バンカーからの脱出を安定させるには、いくつかの注意点を押さえる必要があります。まず、ボールのライをよく観察し、砂が深いか浅いかを見極めることが不可欠です。またクラブフェースの開き具合やスタンスの傾きもミスを左右する要因になります。インパクトの瞬間に手首をこねてしまうと、距離や方向性に大きくブレが生じるため注意が必要です。
通常とは異なるスイング
砂の中では通常のショットとは違った動きが求められます。まずクラブフェースは開いて構え、インパクトではボールそのものではなく、やや手前の砂を狙って打ち込むのが基本です。このとき、下半身の安定感を保ち体重移動は最小限にとどめ、軸をぶらさずに手首でスイングすることで、狙い通りの高さと飛距離が得られやすくなるでしょう。プロの意見を参考にすることがスコアアップにつながります。
いかがでしたか? 不安定な足元になるバンカーの縁でも、落ち着いて対処しましょう。

レッスン=安岡幸紀
●やすおか・ゆきのり/ 1988年生まれ、高知県出身。高知高校ゴルフ部で活躍。卒業後、指導者の道に進み、日本プロゴルフ協会のティーチングプロA級を取得。東京都の赤坂でアマチュアレッスンを行なっている。CHEERS GOLF代表。
構成=鈴木康介
写真=田中宏幸
協力=サザンヤードカントリークラブ
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