アイアンでスピンが1番かかる打ち方は?弾道測定器を使って最適な方法を解説

最近はアマチュアでも練習場やゴルフショップで弾道データを計測できるようになった。しかし、そのデータを活用できなければ意味がない。

そこで、アマチュア3人の弾道データを元に、適正なアイアン弾道を習得するポイントを教えてもらった。

【関連記事】「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

スピン量を意識することが上達の近道!

アイアンの弾道をレベルアップさせるには、スピンの量が「カギ」になります。

このレッスンでは、弾道測定器でわかったバックスピンやサイドスピンの量をもとに、スイング改善のポイントを解説していきます。

ケース1:アマチュアAさん

アマチュアAさんのデータ(7Ⅰ・ロフト30度)

  • ヘッドスピード:31.8m/秒
  • ボールスピード:42.8m/秒
  • 打ち出し角:23.1度
  • バックスピン:4147rpm←この数値を理想値に修正!
  • サイドスピン:-501rpm(左回転)
  • ダイナミックロフト:20.5度←この数値を理想値に修正!
  • 落下角度:35.6度
  • フェーストゥパス:-3.5度(インサイド・アウト)
  • フェースアングル:-1.2度(左向き)
  • ショットタイプ:ストレート
  • キャリー飛距離:130ヤード
  • トータ飛距離:138ヤード

Q.バックスピンを増やすには?

ハンドファーストになるとロフトが立つので、ロフト30度の7番アイアンで打っても打ち出し角が20度前後になってしまう

A.インパクトでロフトを立たせない

アマチュアは、Aさんの計測データのように、打ち出しが低くて、バックスピン不足になるタイプが多いですね。その原因はハンドファーストに打つ意識が強すぎて、ロフトが立ちすぎていることです。アイアンはハンドファーストに構えるので、そのまま打てばOK。スイング中に過度にハンドファーストにする必要はありません。

×左軸になると過度なハンドファーストに

インパクト時に頭が左足の上にある左軸の体勢になると、過度なハンドファーストになりやすい

Q.スピン量を理想値にするには?

腰から下のゾーンで手首を返す

スピンをかけるためにはハーフウェイダウンからフォローのポジションで、手の平の向きを180度変える

A.軸が傾かないようにして手首を「フリップ」させる

バックスピンが少ない原因は、手首を使えていないため。腰から下で手首を「フリップ」させながら返せば、ボールがフェースに乗る。スピンを増やしつつ打球を高く打ち出せます。

「手首を返すことでフェースに乗せる」

×手首を返さないとスピンが減ってしまい、ボールが高く上がらない

ボールを高く上げようとして軸が右に傾くのも×。軸は地面と垂直をキープする

フォローでヘッドをストレートに出せばヒッカケない

手首を返しながらヘッドを左に振り抜くとヒッカケが出やすい(×)。ヘッドは目標方向に振り出していく(○)

ゴルフゾンが開発した「WAVE」で計測!

計測で使用したのは、ゴルフゾンがはじめて開発した弾道測定器「GOLFZONWAVE」。
ロングショットからパッティングまでの弾道データを計測できる

ケース2:アマチュアBさん

アマチュアBさんのデータ(7Ⅰ・ロフト34度)

  • ヘッドスピード:34.8m/秒
  • ボールスピード:45.9m/秒
  • 打ち出し角:21.2度
  • バックスピン:4912rpm
  • サイドスピン:891rpm(左回転)←この数値を理想値に修正!
  • ダイナミックロフト:24.6度
  • 落下角度:43.6度
  • フェーストゥパス:3.6度(アウトサイド・イン)←この数値を理想値に修正!
  • フェースアングル:4.3度(右向き)←この数値を理想値に修正!
  • ショットタイプ:スライス
  • キャリー飛距離:141ヤード
  • トータ飛距離:149ヤード

Q.フェースアングルがオープンになる原因は?

「カット軌道はフェースが開きやすい」

スライス回転が多くて右に飛んでしまうタイプは、フェースローテーションができていません。アイアンはヘッドの重心位置や重さによって、何もしなくても自然とフェースが開くクラブです。カット軌道で振ると、その開く動きが強まるので注意が必要です。

×グリッププレッシャーが強い人は要注意!

インパクトゾーンでヘッドを真っすぐ動かそうとするのもフェースが開く原因になってしまう

A.手首をロックしているからフェースが開く

握り方を変えるのはNG

スライスが出るからといってフックグリップにするのはNG。握り方の変更はスイングを崩す原因になる

フェースを被せていつもどおりに握るのもアリ

フェースを被せてからいつもどおり握るのはOK。ラウンド中の応急処置として有効

Q.スクエアヒットするためには?

A.スイング中にシャフトを回転させる

「シャフトが回転すればフェースターンできる」

急激にフェースターンさせるとヒッカケてしまうリスクがあるが、シャフトを回転させるイメージで振ると、フェースをゆるやかにターンさせられる。

ハーフウェイダウンでフェースの向きを手元で感じる

フェースがどこを向いているかを手の感覚で認識することが上達の秘けつ。そのためには極端なオープン、クローズも素振りで体感しておこう

フェースを返そうと思ってもうまくできない人は、シャフトを回転させる意識がオススメ。ハーフウェイダウンからフォローにかけて、シャフトを左に回すイメージで打つとフェースがきちんと返ります。

ゴルフゾンが開発した「WAVE」で計測!

計測で使用したのは、ゴルフゾンがはじめて開発した弾道測定器「GOLFZONWAVE」。
ロングショットからパッティングまでの弾道データを計測できる

ケース3:アマチュアCさん

アマチュアBさんのデータ(7Ⅰ・ロフト28度)

  • ヘッドスピード:35.0m/秒
  • ボールスピード:45.5m/秒
  • 打ち出し角:17.2度
  • バックスピン:3519rpm←この数値を理想値に修正!
  • サイドスピン:-1127rpm←この数値を理想値に修正!
  • ダイナミックロフト:19.4度←この数値を理想値に修正!
  • 落下角度:34.9度
  • フェーストゥパス:-7.9度(インサイド・アウト)←この数値を理想値に修正!
  • フェースアングル:1.0(右向き)
  • ショットタイプ:フック
  • キャリー飛距離:137ヤード
  • トータ飛距離:152ヤード

Q.サイドスピンが増えすぎる要因は?

A.腰が止まってフェースが返りすぎている

「腰がスライドすると手打ちになる」

軸がセンターにあればスムーズに腰が回転するが、腰がスエーして左足重心になると体の回転が止まり手打ちになってしまう。

×腰の左側が左足よりも前(目標方向)に出てしまうのはNG

×肩のラインが右を向くタイプはフックしやすい

スタンスの向きに対して肩のラインが右方を向いている人も、腰が回らずにフック回転が増えてしまう

「腰が正面を向くインパクトはNG」

フック回転が1000以上になるタイプは「スエーによる手打ち」が主な原因です。スイング中に腰の左側がスエーすると腰が回らなくなる。その体勢でボールを打つには、手で急激にフェースを返すしかないのでフック回転が増えてしまうのです。

Q.フックをストレートに直すには?

腰を目標方向に向ける

両足をそろえて右手のリストターンを意識しながら打つと、腰を回しながら打つ感覚がつかめる

A.足をそろえた姿勢から腰を回す練習をする

ツマ先を30度くらい開く

体が硬くて腰が回りにくい人は、左足のツマ先を30度くらい開くと腰が回しやすくなる

スタンスを狭くしたほうが体を回しやすい

アイアンはスタンスを肩幅程度におさめると、軸をキープしたまま体を回して打てる

体重移動が大きくなると腰が回りにくい

スタンス幅が広いと左右への体重移動が大きくなりすぎて、回転しにくくなってしまう

修正には、足をそろえた状態で腰の左側を回してボールを打つ練習がオススメ。実際のショットでもスタンスを狭くしたほうが腰は回しやすくなります。インパクトでは腰がボール方向(正面)ではなく、目標方向を向くくらい回すことを意識しましょう。

ショットはもちろんパット計測がスゴい!

世界中でゴルフのトータルサービスを展開する「ゴルフゾン」が開発した初の計測器!
“パット計測器つき”は「WAVE」だけ!

レーザーと赤外線で計測!
「GOLFZON WAVE」

「GOLFZON WAVE」はゴルフゾンが手がけた初の弾道測定器で「WAVE RADER」と「WAVE PUTT」の2つがセットになっている。「WAVE RADER」では最新鋭のドップラーレーダーによる正確な弾道データ、「WAVE PUTT」は精密な赤外線技術を使用して詳細なパッティングデータを計測できる。
価格は49万5000円 golfzonwave.com/jp

弾道測定器「GOLFZON WAVE」は、さまざまな点で話題を呼び、注目されている。ゴルフレッスンを行っている森山コーチも「すごく使い勝手がよくて、さすがはシミュレーションゴルフの最大手であるゴルフゾンならではの計測器です」と絶賛する。

計測器の価格はピンキリで安いものから300万円以上するものもあるが、この機能やデータ量、ショットもパッティングデータも計測できることを考えるとコストパフォーマンスは間違いなくナンバー1といえるだろう。

「手軽さも大きな魅力ですね。コンパクトなので、屋外練習場への持ち運びもラク。室内はボールが打てるスペースとネットさえあればいいので、スクール打席への導入はローコストでできる。もちろん、個人での使用もオススメで、スイングのレベルアップやクラブ選びの際にも役立つコーチの代わりもなってくれるニュースタイルの計測器ですね」(森山)

この価格で落下角度までチェックできるのが便利

「WAVE RADER」で計測できるデータは計26項目。森山は「この価格の計測器で落下角度(Landing Angle)まで出るのがすごい。落下角度がわかればグリーンに止まるショットが打てているかを確認しながら練習できます」と、レッスンのクォリティを上げるために自身のスタジオでの購入を検討していた

パッティングのフェース向きやテンポまで確認できる

「WAVE PUTT」は、打つ距離やグリーンの速さを設定し、パット時のクラブスピードやフェース向きなど8種類のデータ計測が可能。軌道やテンポを確認しながら、自宅など屋内でもパット上達のための練習ができる機器が、別途オプションではなく、弾道測定器と合わせてこの価格とは驚きだ!

世界3コースをプレーできるシミュレーションゴルフも無料!

パソコンに無料ソフトをインストールすれば、世界3コースでシミュレーションラウンドができる。スタンダードプラン(18コース・年利用1万2000円)やプレミアムプラン(100コース以上・年利用2万4000円)を追加すれば、コースの数を増やせる

「GOLFZON WAVE」はコンパクトでありながら、高いパフォーマンスを誇る最新の弾道測定器です。

ショット精度の高さに加え、パッティングの測定にも活かせるなど、ゴルフが上達する機能が満載です。

機会があれば、ぜひ使用してみてはいかがでしょうか。

レッスン=森山 練

●もりやま・れん/1996年生まれ、東京都出身。ジュニア時代から選手として活躍。2019年から指導者の道を進み、現在は学芸大ゴルフスタジオなどでレッスンを行なう理論派の若手コーチ。

構成=野中真一
写真=田中宏幸
協力=GOLFZON Japan

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