50歳からはクラブは軽くしよう!メリットをゴルフライターが解説

「年齢のせいか、飛距離が落ちてきた」「もう少しクラブのスペックを下げてラクにゴルフをしたい」そんなゴルファーの悩みを解決するのが〝クラブの軽量化〞。重さを変えるだけでヘッドスピードが向上し、飛距離アップが叶う〝軽量化の効果〞を解説する!

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年齢に合わせた適正スペックがパフォーマンスを上げる

私は、クラブ選びでもっとも重要なことは“重さ”だと考えています。振り切れる範囲で重いものを選ぶというセオリーがありますが、タイミングや再現性、そして飛距離にも大きく影響するのがクラブ重量で、ベテランゴルファーのなかには「そろそろ軽いスペックにして、少しラクにゴルフしたい」と考える人も多いのではないでしょうか。

クラブ重量をいきなり大幅に軽くするとうまくいかないものですが、体力や筋力に合わせて適切にスペックダウンできれば、パフォーマンスを上げることが可能になります。私自身の例でいうと、40代を過ぎたころからドライバーを軽くし、一昨年は50歳を前に、長年愛用したアイアンのシャフトを10g軽くしました。

その結果、飛距離を維持しつつ、弾道も少し高くなるなどよい結果につながっています。現代は特性を大きく変えずに軽量化を可能にするシャフトのバリエーションが増えているので、積極的に活用したいものです。

シャフトバリエーションがスペックダウンを実現する

日本シャフトのアイアン用スチールシャフトを例にとると、しなり特性は同じで重量が10gずつ軽くなるようにシャフトがラインナップされている(写真上から「TOUR105」「TOUR115」「TOUR125 システム3」で約10gずつ重い)。シャフト重量を軽くしても振り心地などを違和感なくスイッチできるバリエーションが増えている

ライター・コヤマのスペックダウン遍歴

30歳前後:ドライバーのシャフト重量は80g台、総重量は330gあった。アイアンシャフトは120gを超える「ダイナミックゴールド」を使用
40代:ドライバーのシャフトは70g台から60g台に。アイアンはダイナミックゴールドとほぼ同じ重量の「モーダス³ TOUR125」に変更
50歳:ドライバーのシャフトは60g台。アイアンのシャフトは「モーダス³TOUR115」を選択し、10gずつ軽くした

もともと重いクラブが好きなこともあり、かなりハードスペックを選んでいたが、振り切りやすさや高さを求めて、加齢とともに少しずつ軽くしていった

軽量化による飛びの可能性は無視できない

飛距離の三要素といわれる「ボール初速・打ち出し角・スピン量」のなかで、飛びにもっとも大きな影響があるのがボール初速です。ボール初速はフェースの反発性能やヘッド重量を重くすることでもアップできますが、ダントツに効果があるのが“ヘッドスピードアップ”。

ミート率を1・5と仮定するとヘッドスピードが1m/秒上がれば、5、6ヤードくらいの飛距離アップが可能になる。クラブの軽量化は、このヘッドスピードアップに非常に効果があるのです。現在、市場でラインナップされている軽量モデルは、シャフトだけでなく、ヘッドやグリップの重量も軽くすることで、大胆な軽量化を実現できています。

また、軽量化したことで、シャフト長を長くすることも可能。これもヘッドスピードアップの要素になります。この効果は個人差がありますが、今回の試打結果では同メーカーのノーマルモデルと比較して、平均で約2m/秒のスピードアップが計測できました。これは多くのゴルファーにとって、無視できない効果でしょう。

想定どおりに飛距離アップするには、ミート率を落とさないことが必要です。軽いクラブは手打ちになりやすいことがデメリット。クラブは軽くても、重いクラブと同じようにしっかり体を使って振ることを忘れずに。クラブを替えるだけで飛距離アップが見込める軽量化は、ベテランゴルファーにとってのスコアアップの可能性を大きく秘めているので、積極的に試してください。

軽量化すればヘッドスピードUPはすぐに実現できる

同メーカーの「ノーマルモデル」と「軽量モデル」を打って計測したヘッドスピードの平均値。約2m/秒の伸び、3m/秒以上伸びたショットもあった。ヘッドスピードが1m/秒伸びると、5、6ヤードの飛距離アップが見込めるので、10ヤード以上の飛びも十分に可能だろう

軽量モデルはパーツすべてが軽い!
プロギアのドライバーの場合

総重量は24gも軽量に

昨年発売された「RS MAX」と比較して、軽量モデルの「RS SPEED」は、ヘッド、シャフト、グリップのすべてが軽量になり、トータルで24gも軽量化。シャフトを0.25インチ伸ばしたことも加わり、よりヘッドスピードを加速することができる

クラブは軽くてもスイングは〝重く〞振る

軽いクラブの弱点は、手打ちになりやすいこと。力を必要としないので、手先でヒョイとバックスイングしてしまいがちだ(×)。クラブを軽くしても、しっかりと体を回して、重いクラブであるかのように振るのが重要だ(○)

ピン G440 HL MAX

SPEC●ロフト角/9、10. 5、12 度●シャフト(フレックス・長さ・重さ)/FUJIKURA SPEEDER NX GREY40(ワンフレックス・46インチ・約271g)など
●価格/10万7800円

飛距離性能が高い「G440 MAX」の基本スペックを継承しつつ、軽量化により、さらに振り切りやすさが向上。フェースには「SPINSISTENCY」テクノロジーを採用し、スピン量が最適化されることで弾道が安定する。ウェイトは可変式で、自分の好みに合わせた重心位置の調整が可能。初心者から上級者まで扱いやすく、飛距離と直進性を両立させた。

ロースピンでボールが「前に」飛んでくれる

打球は高く上がりやすいですが、スピンで吹け上がることはなくロースピンで「前に前に」飛んでくれそうな球筋です。通常モデルの「MAX」より後方のウェイトが軽くなっているので、MAXを使っていてダウンスイングでヘッド後方が「垂れる」動きに悩む人にもオススメです。

ピン G440 HL SFT

SPEC●ロフト角/9、10. 5 度●シャフト(フレックス・長さ・重さ)/FUJIKURA SPEEDER NX GREY 35(ワンフレックス・46インチ・約266g)など
●価格/10万7800円

スライス抑制に特化したドローバイアス設計の「G440 SFT」の軽量モデル。「MAX」よりも重心距離を短くし、ボールをつかまえやすくしている。軽量シャフトと慣性モーメントを高めた構造がスイングを安定させ、ヘッドスピードを最大化。高弾道のドローを打ちやすい設計で、スライスを防ぎながら飛距離をラクに伸ばせる。

ピンの安心感にヘッドの扱いやすさを追加

「HL MAX」より投影面積が大きく、安心感があります。重心位置がシャフト軸に寄るぶん、ヘッドの“扱いやすさ”がアップ。いわゆるつかまり系のモデルに分類されますが「左に出て左に曲がる」ような動きはなく、あくまでも“おだやかに”ボールをつかまえてくれるので球筋が安定します。

キャロウェイ エリート MAX FAST

SPEC●ロフト⾓/9. 5、10. 5、12 度●シャフト(フレックス・⻑さ・重さ)/LIN-Q GREEN 40 for Callaway(R、SR、S・45. 75インチ・約270g[フレックスR])など
●価格/10万7800円

新たに採用された「Ai 10x FACE」は弾道を補正するコントロールポイントが前作「PARADYM シリーズ」のなんと10倍。ミスヒット時の補正力が強く、ショットをコンスタントにフェアウェイの幅に打てる。高弾道でつかまりがよく、軽い力でもしっかり飛ばせる仕様。今作からアジャスタブルホーゼルが装備されたことにも注目。

シャフトしっかりめで“軽量デビュー”にオススメ

インパクトでしっかりとボールをつかまえたのち、打ち出し角の高いボールが力強く放たれていきます。加えて、しっかりめの打感がさらに飛距離が出そうな雰囲気を感じさせる。純正シャフトの「LIN-Q GREEN」は40グラム代ですがしっかり感があるので、50グラム台のシャフトを使っていた人も移行しやすいと思います。

テーラーメイド Qi35 MAX LITE

SPEC●ロフト角/9、10. 5、12度●シャフト(フレックス・長さ・重さ)/AIR Speeder TM(R、SR、S・45.5インチ・約272g[フレックスR])
●価格/9万9000円

カーボン、チタン、タングステンなど複数の素材を最適に配置したマルチマテリアル構造がさらに進化。エネルギー伝達効率のいい「60層カーボンツイストフェース」によってボール初速がアップ。さらに、重心位置を徹底的に低くすることで有効打点エリアを拡大。ミスヒット時でもボール初速が落ちづらく、平均飛距離のアップに貢献する。

安心感と構えやすさを両立したヘッド形状が◎

もはやテーラーメイド定番の「カーボンフェース」ですが、打感はやわらかく、とても気持ちがいい。丸みのあるアドレスカットは“やさしさ”を感じさせますが、ヘッド後方に引かれたラインがシェイプをはっきりさせ、とても構えやすいです。左に巻くボールは出づらいので、フッカーも安心して使えます。

プロギア RS スピード

SPEC●ロフト角/9.5、10.5、11.5 度●シャフト(フレックス・長さ・重さ)/SPEEDER NX for PRGR(R2、R、SR、S・45.75インチ・約276g[フレックスSR])
●価格/10万7800円

RSシリーズのなかではもっともシャローフェースで、スイング中の空気抵抗を最小化。よりスムーズにクラブを振り抜ける設計になっている。加えて、フェースセンターに「重心点・最大たわみ点・最高CT点(反発点)」を精密に一致させた「精密4点集中フェース」が、ルール“ギリギリ”のボール初速を実現する。

The 軽量モデルで確実にヘッドスピードアップ

ヘッド重量、シャフト、グリップ、そのすべてが軽く作られ、いかにも速く振れそうなクラブです。シャフトは中間から先がしなやかに動き、これもヘッドスピードアップをサポートしてくれます。ノーマルの「RS」と比べるとボールがつかまりやすいですが、一般的な軽量モデルよりは左へのミスを警戒しなくてよさそうです。

ダンロップ ゼクシオ プライム

SPEC●ロフト角/10.5、11.5度●シャフト(フレックス・長さ・重さ)/ゼクシオ プライム SP-1300(R2、R、S・5インチ・257g[フレックスR])
●価格/14万3000円

ヘッド形状に合わせてフェースの外周部を薄肉化しながら、トゥからヒールにかけて剛性をフローさせた「BiFLEXFACE」によって高初速エリアが拡大。フェースが開いた状態でインパクトすることが多いアマチュアのために、バルジをドローバイアスに設計。最適なギア効果を発揮し、右方向へのミスと飛距離ロスを軽減する。

適正スピンが入る実戦向き軽量モデル

「ゼクシオ エックス」を思わせるコンパクトでスッキリした形状です。シャフトの中間から先端が動きながらボールをとらえ、心地いい金属音の打音とともに高弾道のボールが放たれていく。低スピンにもなりすぎず、しっかりとボールが“浮いてくれる”ことが扱いやすさにつながっています。

マジェスティ マジェスティ ロイヤル

SPEC●ロフト角/9.5、10.5、11.5度●シャフト(フレックス・長さ・重さ)/MJ Royal LV560B(R、SR、S・45.75インチ・276g[フレックスR])など
●価格/14万9600円

ゴルフクラブ専用に開発された高級希少素材「ハイペリオンチタン」が採用されたフェースは、軽量かつ高反発で、驚きのボール初速を叩き出す。スクエアフェースでありながらドロー弾道を生む「スクエアドローシェイプ」が、構えやすさとアライメントの正確性を確保。飛距離だけでなく安定性にも長けたモデルだ。

最高の所有感に類まれな飛距離性能

黒ベースの締まったデザインが高級感を演出し、いかにも「マジェスティらしい」印象を受けます。ヘッドが後方に向かって少し伸びていく現代的な形状ですが、この“引き締まり感”で小ぶりに思わせてくれるので構えやすい。高弾道ながらも低スピンで強い球筋は、飛距離を大きく出していけそうです。

キャロウェイ エリート MAX FAST

SPEC●ロフト角(#7)/28度●シャフト(フレックス)/LIN-QGREEN 40 for Callaway(R)など
●価格/14万8500円(#6~PW/5本セット)、2万9700円(#5、AW、GW、SW/1本)

ヘッドスピードが平均以下のプレーヤーを想定し、フェースを薄肉化。たわみを大きくすることで飛距離性能をアップさせている。ヘッド内部の「ニュースピードフレーム」構造と「ウレタン・マイクロスフィア」が気持ちのいい打感をもたらす。リーディングエッジとトレーリングエッジに“面取り”を施すことで、抜群の抜けのよさを誇る。

すっきりした見た目で高弾道が打てる

コンパクトでバランスのいいヘッド形状なので、中上級者でも違和感なく構えられます。高弾道のボールが打ちやすく、グリーンにしっかり止められる点もアイアンとしての高評価ポイント。ソール幅は比較的狭めですが、バンスが利いているのでインパクトでの抜けもグッドですね。

ダンロップ ゼクシオ プライム

SPEC●ロフト角(#7)/28度●シャフト(フレックス)/SP-1300 カーボン(R2、R、SR)
●価格/15万8400円(#7~PW/4本セット)、3万9600円(#5、#6、AW、SW/1本)

「4ピースチタンフェース設計」により余剰重量を創出し、トゥ側にタングステンニッケルウェイトを配置することで低重心化と安定性アップを実現。ボール初速を維持しながら打ち出し角と弾道頂点を高く保ち、ピンを狙いやすい設計。軽量設計と最適なバランス配分がスムーズなスイングを可能にし、飛距離とコントロール性を両立する。

大型キャビティが生む圧倒的寛容性

面長でソール幅が広い大きめヘッドなので、安心感があります。ポケットキャビティも深く作られていて、ミスヒットへの寛容性が高い。ボールにはある程度スピンが入るので、グリーンにしっかり止められることに加え、ほんのりと操作性が確保されているのが“実戦での使いやすさ”につながっています。

つるや アクセル A40

チタンカップフェースの裏に配置された「VAαプレート」がインパクト時の余分な振動を吸収、やわらかい打感を損なわずに高初速のボールが打てる。低重心・高慣性モーメント設計により、ミスヒット時の寛容性を強化。広めのソールでありながら、強めのソールラウンドとソール段差によって地面との抵抗が少なく、芝からの抜けのよさも◎だ。

ユーティリティのようなボールの拾いやすさ

純正シャフトが比較的しっかりしているので、手応えのある振り感が好きな人にマッチしそうです。トゥが低く、ユーティリティのような見た目をしていること、リーディングエッジが丸みを帯びていて、球を拾いやすそうな形状になっていることが“払い打つ”イメージを出しやすくしてくれています。

マジェスティ マジェスティ ロイヤル

SPEC●ロフト角(#7)/26度●シャフト(フレックス)/MJ Royal LV560B(R、SR)など
●価格/22万円(#6~PW/5本セット)、4万4000円(#5、AW、SW/1本)

高強度素材「MAS1C」を使用した鍛造L字カップフェース「L-Cup フォージドマレージングフェース」がフェースセンターにスイートスポットを配置しながら高反発エリアを拡大。打ち出し角も高く上げやすく、飛距離性能を向上させた。トゥ側にタングステンウェイトを集中させることで慣性モーメントの向上とウェイトバランスを最適化している。

ヘッド形状のバランスがいいストレートバイアスモデル

ポケットキャビティが深くてアドレスでバックフェースが少し見えますが、ヘッド形状のバランスがいいので、ほとんど気にならないのが好印象。いい意味でボールがつかまりすぎず、自分でボールをつかまえられる人にオススメの軽量モデルです。

いかがでしたか? ぜひ、各メーカーモデルを参考にして、試してみたい1本を見つけてみてください!

解説・試打=コヤマカズヒロ
●1974年生まれ、広島県出身。大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参加したのち、ゴルフライターとして活動。自身のYoutubeチャンネルでもアマチュアのためのギア情報を発信中。プレーヤーとしてはクラブ競技に出場し、複数のチャンピオンのタイトルを獲得。

構成=コヤマカズヒロ、石川大祐
協力=エースゴルフクラブ千葉

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