「50歳まで現役」ケガを乗り越えた女子プロ、次の目標は?

百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。今月のゲストは、レギュラーツアー1勝の植竹希望。武井と植竹は東京都葛飾区の出身で地元が同じ。葛飾区ナンバー1ゴルファーの称号をかけて3 ホールを真剣勝負!

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バックティーから3ホール対決スタート!

植竹は2オン・2パットの楽々パー。3オンの武井は2.5メートルの嫌な距離を残す。
しかし、これを沈めてパー!短期決戦でこの1打は大きい!

武井 本日は同郷、葛飾区出身の亀有と立石の戦いでしたね。

植竹 ギリ、立石の勝利ということで(笑)

武井 亀有がまさかの、連続3パットで敗ける自滅パターンでしたが楽しかったです!

植竹 私もとても楽しかったです!

距離は短めだが左右か狭いホール。ここでも植竹はティーショット、セカンドと危なげなくパー。武井は飛びすぎて、2打目は右からせり出した木の枝がかかるシチュエーション。このピンチを枝の左スレスレを狙ったショットでパーオンに成功!しかし、ロングパットを2パットで収められずボギー……
当たりすぎてラフまで飛んじゃった… …

武井 ケガが続いてしまっているようですが、今の仕上がりはどうですか?

植竹 右股関節と右手首を手術して、まだ病み上がり状態なのでいい仕上がりとはいえませんが、ケガと付き合いながらうまくやっていこうとしています。

武井 まだ、手首にボルトが入っているんですよね。痛みは?

植竹 多少ありますが、理学療法を受けながら試合にも出ています。手首の骨はもうくっつかないので、ボルトは入れっぱなし。ボルトが破損したら外に出てきます(笑)

武井 今日のプレーを見るとケガの影響は感じられず、むしろ進化しているような。

植竹 そうですね。優勝したころはなにかにつけて自信満々で、トレーニングはしていましたが、ほかのことはあまり勉強していませんでした。ケガをしていざ手術しますとなってからは「どういう手術なんだろう?」と調べたり、医者の先生からお話を聞いたうえで自分でもいろいろ考えるようになりました。

武井 ケガについてだけでなく、ゴルフについても?

植竹 はい。なんのためのトレーニングなのか考えて取り組むように。ゴルフ人生、プロ生活をできるだけ長くやっていきたいと思っているので、そういう勉強は必要不可欠でした。だからケガも「そういう考えになるいい機会だった」と思っています。

このスイングはマネできんわ(武井)
植竹のスイングの特徴と見どころは「女性ベン・ホーガン」と呼ばれるほどのダウンスイングでの“タメ”の深さ!

武井 女子ツアーは若手も数多く台頭してきて、アメリカに行っている選手も結果を出しているし、さらにハイレベルになってきていますよね。それを目の当たりにして、植竹プロはどう感じていますか?

植竹 私たちがプロ入りしたころからレベルが上がってきたといわれてきましたが、いろいろな知識、計測器などで可視化できるもの、さまざまな考え方をもつコーチが増えてきて、それを私たちよりさらに早い時期から活かして取り組んできたのが、今の若い子たちですね。

武井 理論やデータの進化で、選手も進化している。植竹プロもそのひとりで、スイング改造をしていると聞きましたが。

植竹 古い知識や理論でもいいものは絶対にあるので、そこだけはなくさないようにしつつ、若手に対抗できるように。ケガが多いので関節に負担がかからないスイングを目指していて、指導も受けています。

ここまでノーミスの植竹だったが、ティーショットが右に飛び、打球は急斜面を転がり落ちてグリーン右手前のくぼ地に。ピッチショットで寄せるがピンをオーバー。1パット目が入らずボギーにしてしまった

武井 強烈なタメを作って打つイメージがあって「女性ベン・ホーガン」という記事も見たことがありますが、負担がかからないのは第一として、具体的にどんな意識や動きに?

植竹 右手でインパクトまでもっていくイメージが強かったのですが、今は手首でもっていくというよりも指でグリップをしっかり支えて、クラブに仕事をさせる。形自体はそんなに大きく変わったように見えませんが、クラブの重さを使ってフルスイングする方向にしています。

武井 自分のなかでやっていることは、これまでと全然違う?

植竹 そうですね。まだやり切れてはいませんが、飛距離は振っている感覚がなくても数字で見ると意外と振れていて、もう少し体が作れてきたらもっとよくなると思えるスイングです。

武井 体力や筋力面は、まだ戻っていない?

植竹 昨年の右股関節の手術後は、4カ月くらい1キロ以上歩いてはダメといわれて、体力も筋力も落ちに落ちて痩せてしまったので、今は再度積み上げています。

武井 故障が続いてしまってからこそのリカバリーと進化ですが、大きなケガを立て続けにしてきたにもかかわらず、マイナスにとらえていないところがいいですね。

植竹 ありがとうございます!

武井 ゴルフ向き、勝つ人の性格をしている。葛飾から全国、次はどこに行きたいと思っていますか?

植竹 アメリカには行きたい、とずっといっています。「やったことがない」というのがイヤなので、1回、1年でもいいからチャレンジはしたいです。

武井 植竹プロは地元が一緒なだけでなく、親のこととかでも僕と似たところがある境遇で「なんとかなるだろ。きっといけるだろ」という強さがある。

植竹 そういう気持ちがなかったら、ゴルフは続けてこられませんでしたね。

100点に近い改心の一撃!(武井)、擦っちゃった!(植竹)
ショットが好調の武井のティーショットは、ピン奥にナイスオンして追いつくチャンス到来!
ところがまたもや3パットしてしまいボギー。1打差で植竹が勝利!

武井 今日は葛飾ダービーでライバルだと思っていましたが、今後は葛飾のゴルフが1番うまいプロとして応援しています。ゴルフ以外での目標はありますか?ご結婚とか。

植竹 3月、4月に友人からの結婚式の招待状が9件もきて、これはまずいなと思ったんですけど、そんな予定も相手もいないし、そういう自分が想像できなくて、まだしばらくはゴルフ1本でいいかな、と。でも昨日も母から「彼氏できた?できないの?大丈夫なの?」といわれて「大丈夫、気にしないで」といいました(笑)

武井 目下の大きな目標はアメリカでの優勝ということになりそうですが、いけそう?

植竹 やれるところまでやります。一応、50歳までやろうと決めているので。先日、アース・モンダミンカップの選考会で、幼少期から大好きな大山志保さんと同組で回れたんです。

武井 50歳まではすごい!大山プロはたしか今40歳後半ですよね。

植竹 今年の5月で47歳ですね。私が昨年、ケガしたときに自身のSNSで「手術で休みます。だけど、大山さんみたいに45、46歳までガンバりたい」と投稿したら、それがネットニュースにも上がってその記事を大山さんも見てくれていて、一緒に回ったときに大山さんが「誰かさんが45、46歳までガンバるっていっていたから、私は50歳までに延長した」といわれました(笑)。だから「私も50歳まで延長します」と伝えました。

武井 先に50歳を迎えた先輩としていうと、50歳を過ぎてもまだ情熱は消えないし、体力もちゃんと作っていったらまったく衰えない。やったらやったぶんだけ溜まる。ただ、なくなっていくのは早いから、壊さないように大事に、強くあるべきところは強く作っていけば35歳くらいからはずっと同じくらいでやっていけるので安心してください。

葛飾出身はみんな体が強いといわれるようになりましょう! 武井
「やったことがない」というのがイヤ50歳までなんでも挑戦します植竹

植竹 そうなんですね!土台からしっかり作っていきます。

武井 僕や植竹プロを見て「葛飾のヤツはみんな体つえーなぁ」といわれるようにしましょう(笑)

植竹 はい!ガンバります!

いかがでしたか? 植竹プロの活躍に注目していきましょう!

植竹希望
●うえたけ・のぞみ/1988年生まれ、東京都出身。168cm。2017年にプロテストを1発合格。20年にはステップアップツアー、22年は「KKT杯バンテリンレディス」でレギュラーツアー初優勝。20-21年と22年シーズンでシード権を獲得。今季はケガからの復活が期待される。サーフビバレッジ所属。

武井 壮
●たけい・そう/ スポーツ、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。テレビ東京系列で「武井壮のゴルフバッグ担いでください」( 日曜朝 10:00 から) をオンエア中。YouTube「 武井壮 百獣の王国」も更新中。
●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●X(旧Twitter)アカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei

写真=田中宏幸 
協力=日神グループ 平川CC

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