
「シャフトをしならせる」ってどうやるの?ゴルフ好きの研究者が解説
ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。
その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。
斬新な視点と理論が、レベルアップを目指すゴルファーに新しい上達のヒントをもたらす!
※「MOS」とは「memory ofthe senses」の略で、距離感やフェースの状態などを具体的な感覚量として“小脳で記憶”すること。高い再現性を得ようという新しい理論
【関連記事】まさに「全アマチュア向け」! 飛ばせる“限定シャフト”がついに発売開始!
”シャフト特性”に合わせて振ってみる

クラブは、フォワードスイングの際に慣性の法則によりヘッドが遅れてしなりが発生する。この状態から一転、しなり戻りが生じてヘッドを加速する挙動に変わるが、そのきっかけはタイミングを早めたインナーカウンターによる左手ブロックとなる。なお、その際は自分の感覚に合ったシャフトの選択が重要だ。
粘り系シャフトのおもしろさに気づく
以前に「緩急をつけつつリラックスすると、精神的にもかなり安定したショットが打てる」ことを説明しました。今月はそれをもう少し深堀をして、ドライバーの話に移してみます。
友人に譲ろうと思った古いドライバーがあったのですが、手放す前にもう1度打ってみようと、練習場にもっていきました。私は、アイアンはスチールシャフト派。カーボンに比べスチールシャフトは安価なので、ヒートガンを購入し、シャフトを自分でいろいろなモデルに変えたり、番手ずらしでフレックスを変えたりして、しなりの変化を楽しんでいますが、それほどしならないスチールシャフトですから、ロフトを立ててボールの北半球を打ち抜くようにダウンブローで打っています。
ドライバーのシャフトは弾き系といわれるタイプのカーボンで、アイアンほどはダウンブローには打たないもののインパクトでは強い弾道をイメージして最大の加速度でボールをとらえるような打ち方をしていて、それで弾道も安定、飛距離も出ていました。
そんなスイングイメージのところに古いアベレージ向けのドライバーをもってきたわけですから、打ってみると加速に対してカーボンシャフトが戻りきれず、グニャっとなる嫌な感覚があってドロップしてしまうとんでもない打球が出ました。その時点で「これはもう自分には合わない」とバッグに戻してしまえばそれで終わりだったのですが、あまりにも気持ちの悪い打感だったので、このしなるシャフトを使いこなしてみたくなったのです。
そこで、しなり戻りを調節してインパクトポイントでスクエアになるように、左手ブロックのタイミングを早めて打ってみたところ、意外にも弓から矢が放たれるような気持ちのいい余韻でボールが真っすぐ打ち出されていきました。
そのときの心の叫びは「楽!」でした。ドライバーは飛距離がほしいクラブ。しっかり打ち抜きながらも、フェース方向を担保したいという思いもあってどこか気が抜けなかったのですが、しっかり打ちにいくのは一緒でも、しなる位置をイメージしてしなり戻して打ってみると、なぜかオートマチックに素直で真っすぐな出球が打てて肩透かしを食らった感じでした。
何が起こったのか家に帰ってから調べてみると、そのドライバーに挿さっていたのは粘り系のシャフトであることが判明。シャフトにはX、S、Rのようなフレックスのほかに先、中、手元の調子があります。弾き系シャフトは中、手元ともに硬く、粘り系のシャフトは中から先がやわらかいというのは耳学問では知っていましたが、このときが粘り系シャフトとその感覚を身をもって知った最初の瞬間でもあったのです。
「しならせて打つ」はよく知った世界だった
そのことは、じつは知らない世界ではありませんでした。それはかつてラケット選びで経験していたことだったもので、当時ラケット選びで私が重視していたのはやはりしなり感だったのです。ただ、ここでいうラケットのしなりというのはゴルフのそれとは違い、ボールがガットに乗って短時間ですが変形して感じるもの。このしなり感はラケットのフレームの厚さと断面形状(楕円形、矩形)、素材、ガットのテンションなどによって微妙に変わるのですが、好きな打感はボールがガットの上で一定時間留まり、フレームのしなり戻りで押し出されて加速されて飛び出していく感覚で、粘り系シャフトでしならせて打った打感はまさにそれに近いものだったのです。
一般的にゴルフでは自分のスイングスピードに合ったフレックスのシャフトを選ぶものと教えられ、お酒が強いのを自慢するようにフレックスの硬いシャフトを自慢する傾向がありますが、ドラコン選手でフレックスRを使っている人もいるように、結局スイングありきではなく「シャフトの特性に合わせたスイングができるかどうか」だと思います。
もちろん、スイングスピードが支配的であることは事実なので叩きにいくのには一理あるのですが、フレックス、調子も含めて逆にシャフトの特性にスイングを合わせることによって、スイングを容易にしたり、楽しくしてくれたりすることを今回の粘り系シャフトの気づきで学ぶことができました。
ただ、前々月で語った「クラブを立てるトップとシャローなトップ、どちらを選ぶか」というのと同じで、これは最終的には好みの問題でもあります。私自身、アイアンのようにガッツリ打ちにいくのも好きなのでひとつに決めることは難しいのですが、ここはシャフト選びが前提であることを考えると二者択一で、そこでの判断基準は「どちらがリラックスして打てるか」「どちらの確率が高く安定性があるか」という結果優先主義で決めるべきで、そう考えると自ずと結論は出てくるように思います。
番手ごとに攻め方も異なるので一概にはいえませんが、FWやUT、アイアンでもそれぞれ考えてみる価値はあるのかも知れません。
いかがでしたか。シャフトの特性にも、ぜひ注目してみてください!

文・イラスト=サンドラー博士
●ゴルフ好きの研究者。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。
【あわせて読みたい】
“激スピン”で話題のウェッジを石井良介が試打!即買い換えることに…!?

































