
近ごろのFWは4Wが増加中?4Wのメリットと最新11モデルの特徴を解説!
近ごろのFW(フェアウェイウッド)は、これまでの3、5Wだけでなく、その間の4Wを発売するメーカーが増えている。熟年層には「昔はバフィー(4W)使っていたなぁ」なんて懐かしむゴルファーもいるだろうが、なぜ再び4Wが追加されたのか?
その理由や最新モデルの性能を、10年も前から4Wをアマチュアに推しているカノマタが徹底解説!
4Wの4大メリットは上がる・止まる・飛ぶ・やさしい

ロフト角16から17度の4Wをオススメする1番の理由は、フェアウェイウッドが低スピン化しているからです。昔の3Wはスピンが多かったので打球が上がりやすかったが、最近の3Wはドライバーのヘッドスピード42m/秒以下だと打球が上がりきらない。HS42m/秒前後の私が4Wを使いはじめた理由もそこにあります。
3Wに比べると4Wはあきらかにやさしく、低スピン化されたことで飛距離も高さも出せるのでグリーンに止まる。最近は女子プロでも4Wを入れる選手が増え、アマチュアからも4W相当のロフト角を求める声が増えてきたこともあり、人気メーカーからも続々と4Wや3HLが発売されるようになりました。
「3Wのロフト角を調整すればいいのでは?」と思う人もいるでしょうが、最初から〝4W用〞として作ったヘッドの重心や形状と、3W用のヘッドでロフト角を寝かしたものでは完成度が違います。せっかく人気メーカーから4Wが発売されるようになったので、今は理想の4Wを見つける大チャンスです。
低スピンモデルでも4Wなら高く上がる

海外メーカーの低スピン系ヘッドでも、3Wと比較すると4Wは打ち出し角が大きくて最高到達点が高い
ボールを拾えるからやさしく感じる

3Wと比較すると、薄芝や傾斜地からでもボールを拾えるのが4Wのメリット。アドレスした瞬間にやさしさも感じる
落下角度が大きいからグリーンで止まる

打球が高く、落下角度が大きくなる。落下角度( 着地角度)が40度前後になると4Wでもグリーンに止まる
HS40m/秒前後のゴルファーほど飛ぶ

ドライバーのヘッドスピード40〜42m /秒くらいの一般的なゴルファーほど、4Wのロフト角は効率よく飛距離を出せる
ロフト1.5度の差は大きい!初速は3Wだけど、飛ぶのは4W

3Wのロフト角が15度、そして4W相当(3HLなど)のロフト角は16・5度前後。わずか1・5度のロフト角の違いでそんなに影響が出るのかと思うかもしれませんが、ウッドのロフト角1・5度の差はすごく大きい。ドライバーでいえばロフト9・5度と11度の違いです。
ためしに「エリート」の3W(ロフト角15度)と4W相当(16・5度)の弾道データを調べると、ボール初速は3Wのほうが1m/秒速かったのですが、4Wのほうが球が高く上がり、キャリーで4ヤード、トータルで8ヤードも飛んでいました。4Wはスピンがしっかり入ってくれるので、打球もコントロールしやすい。ヘッドスピード42m/秒前後のゴルファーが打つと、おそらく私と同じように4W相当のロフト角のほうが飛ぶ結果になると思います。
3Wに比べて4Wはロフト角があるので、やさしいのはもちろんですが、ロングショットのキャリーの飛距離を伸ばせるセッティングとして効いてきます。ちなみに私は、フェアウェイウッドを4W、7Wの組み合わせにしています。
3W(ELYTE)の弾道データ

3Wはボールスピード65m/秒を超えたが、高さが20ヤードまでしか上がらなかったので、キャリーは214ヤード止まり
4W相当(ELYTE)の弾道データ

打ち出し角は3Wと同じだったが、ロフト角があることでバックスピンが入り、弾道が高くなって240ヤードも飛んだ

【はじめて4Wを買う人が失敗しないポイント】
「4Wの性能は1Wを継承している」ロフトとシャフトを要チェック!

なかなか4Wの試打クラブがあるゴルフショップは少ないと思いますが、今回11モデルの4Wを打ち比べての印象は「ドライバーの特徴に近かった」です。
ピンの「G440」は4Wでも寛容性が高くてミスヒットに強い、そのうえで飛距離性能を高めていました。キャロウェイの「エリート」の3HLはトップクラスのボールスピードで、強い打球が打てるのが魅力。テーラーメイドの「Qi35」はアスリート好みの打感と形状。タイトリストはバランスのよさ、振りやすさが際立っていましたね。ゼクシオは4Wでもゼクシオサウンドが継承されていて、上がりやすさ・やさしさはトップクラスです。
4Wを選ぶときはロフト角が16度、16・5度、そして17度かによって弾道が変わってきます。また、長さは43インチがスタンダードですが、0・25インチ長かったり、短くなっているモデルもあります。シャフト重量も40g台から60 g台まであるので、スペックではロフト角とシャフトをきちんと確認してください。
4Wをはじめて購入する人にとって1番シンプルで失敗しない選び方としては、ドライバーと同じモデルでそろえること。そうすればクラブの特性もスペックの流れも問題ないセッティングになります。
同じロフト角でもフェースの見え方が違う

4Wは同じロフト角でもアドレスしたときのフェースの見え方が違うので、構えてみての見た目をチェックしよう
シャフト重量は40〜60g台まで

シャフトは「1Wより5から10g重めが基準。ドライバーと同じ重さはあり!軽くなるのはNGです」と鹿又
最新&人気モデルの4W・11本をカノマタが総チェック!

今年注目のピン、キャロウェイ、テーラーメイドから玄人好みのメーカーまで一気に試打!
【キャロウェイ】エリート

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15度)、3HL(16.5 度)、5W(18 度)、7W(21 度)、Heaven(20 度)、9W(24度)、11W(27 度)
●シャフト/VENTUS GREEN 5 for Callaway など
●価格/ 6万7100円
ボール初速はNo.1!?

HS35m/秒でもOK 万人向けの万能型ドライバー同様に4Wでもボール初速はトップクラス。フケ上がることなく強い打球で大きく飛ばせます。打点ブレにも強いのでタテ距離もそろうし、ヨコの曲がり幅も少ない。今年の女子ツアーで大流行しそうですね。
【ピン】G440 MAX

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15度)、4W(17 度)、5W(19 度)、7W(21 度)、9W(24 度)
●シャフト/ ALTA J CB ブルーなど
●価格/ 6万7100円
万人向けの万能型

ピンのFWはツアープロからもアマチュアからも評価が高い。最新モデルの「G440」の4Wも高弾道でありながらフケ上がらないので、とてもやさしくて万人向けの万能型。飛距離と寛容性を両立している性能はドライバーとそっくりなので、1、4Wとそろえて使ってほしいですね
【ピン】G430 HL MAX

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15度)、4W(17 度)、5W(19 度)、7W(21 度)、9W(24 度)
●シャフト/ FUJIKURA SPEEDER NXGREY
●価格/ 6万7100円
HS35m/秒でもOK

ヘッドが軽くて、シャフトも40g前後と全体的に軽量なのでとても振りやすい。ドライバーのヘッドスピードが35m/秒前後で、フェアウェイウッドを苦手とする人にとくにオススメです。ロフト角以上に打球が高く上がってくれるのでやさしく、安心感もあります。
【タイトリスト】GT2

SPEC
●ロフト角/ 13.5 度、15度、16.5 度、18 度、21 度
●シャフト/ TENSEI 1K ブルー55 など
●価格/ 6 万6000 円
飛ぶ、王道の4W

決してロースピンすぎない、スピン量も打ち出し角も適正値が出ますね。4Wとして王道的な理想の球筋を打てるので、アベレージゴルファーが使いやすい、やさしさと振りやすさがある。「GTシリーズ」になってから飛距離性能も上がり、飛びも魅力のひとつです。
【タイトリスト】GT3

SPEC
●ロフト角/ 15 度、16.5度、18 度
●シャフト/ TENSEI 1K ブルー55 など
●価格/ 6 万6000 円
操作性の高さが魅力

タイトリストらしいディープな形状で「GT2」と比較すると操作性が高い。ドロー、フェード、ハイボール、ローボールと打ち分けることができるので、球筋をコントロールしたい人にオススメ。
打ち出しを抑えているので、HS45m/秒以上の人でも打球がフケ上がりません。
【ダンロップ】ゼクシオ 13

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15 度)、4W(16.5 度)、5W(18度)、7W(20 度)、9W(23度)
●シャフト/ゼクシオMP1300カーボンシャフト など
●価格/6 万500 円
やさしく球を上げられる

4Wにもゼクシオらしい爽快な打球音、上がりやすさ、やさしさはしっかり継承されています。打ち出しが高いというよりもしっかりとスピンが入ってくれるので、打球が途中からグングンと高く上がっていく。高さと落下角でグリーンに止められるフェアウェイウッドです。
【ダンロップ】ゼクシオ エックス

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15 度)、4W(16.5 度)、5W(18度)、7W(20 度)
●シャフト/Miyazaki AX-3 カーボンシャフトなど
●価格/ 6万500 円
ラインを出して打てる

「ゼクシオ13」とは少し違う雰囲気で、打球音が締まった感じで小気味いい。ビッグキャリーというよりも方向性を上げるライン出しのイメージを出して打てるほど、コントロール性の高い4Wです。直進性が高いので、曲がり幅が少ないやさしさも兼ね備えています。
【テーラーメイド】Qi35

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15 度)、3 HL(16.5 度)、5W(18度)、7W(21 度)
●シャフト/2025 ディアマナ ブラック TM60など
●価格/ 6万500円 ※カスタムメイドクラブ
ツアープロが認める名器

テーラーメイドのフェアウェイウッドは、形状や打感がいいのでツアープロから評価が高いのですが、全体的に打球はロースピンになりやすい。だからこそ、4Wはすごくありがたく、ロフト角16.5度ならドライバーのHSが42m/秒あれば十分に打球に高さを出すことができます。
【メタルファクトリー】A+

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15度)、4W(16 度)、5W(18 度)、7W(21 度)
●オープン価格(編集部調べ・ヘッド単体4 万8000 円)
美しいヘッドで低重心

このモデルはコスモブラックとスカイブルーの2種類のカラーがありますが、どちらもヘッドシェイプがとても美しく、ターゲットに対してスクエアに構えやすい。ヘッド重心は低いので、高打ち出し・低スピン系の棒球で飛距離を大きく稼ぐことができます。
【マジェスティ】マジェスティ ロイヤル

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15 度)、4W(17 度)、5W(19度)、7W(21 度)
●シャフト/LV560B
●価格/ 9万9000円
いい意味でクセがない

高級ブランドの「マジェスティ」ですが、フェアウェイウッドはいい意味でとてもオーソドックスにできていて使いこなしやすい。4Wとしては、標準的な打ち出し角とスピン量です。軽量モデルのカコデリーに入るので、ドライバーのHS35から40m/秒くらいの人にオススメです。
【PXG】PXG 0311 BLACK OPS

SPEC
●番手(ロフト角)/ 3W(15 度)、4W(17 度)、5W(18度)、7W(21 度)
●シャフト/FUJIKURA PXG プロサービス55など
●価格/ 4万9500円
ハイドローが打てる

ライ角がややアップライト気味なので、構えた時点でボールをつかまえて打てるイメージがもてる。打っても弾道は、ハイドローが打ちやすいですね。座りのいいソール形状に仕上げているので、傾斜地やセミラフからでも抜けがいいタイプ。使い勝手のよさを感じました。。
いかがでしたか? ぜひ、お気に入りの1本を見つけてください!

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメ
ディアで活躍する人気クラブコーディ
ネーター。現役ツアープロのクラブ調
整やサポートだけでなく、ジュニアゴ
ルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一、編集部
写真=田中宏幸
協力=ジャパンゴルフスクール
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