
シングルを目指す練習法!女子プロがおすすめする上達ドリル
80前半から70台で回るにはどうすればよいのでしょうか?やればやるほどうまくなる練習法をプロが教えてくれます!
マン振り素振りでゆるまないインパクトを作る

ボールを打つときよりも速いスピードの素振りをすると本番のショットでゆるまない
ゴルフ人生を通して、もっともやっている練習がマン振りの素振りです。オフシーズンのトレーニングでもやりますし、試合の練習場でもやっています。中上級者はボールをとらえるのが上手ですが、無意識にインパクトで少しゆるんで合わせてしまいがち。
ボールを意識せずに目一杯の力で振って、その感覚をもったままボールを打つとゆるまずに打てるので、インパクトがぶ厚くなります。
ほかにもほぼ毎日やっているのが連続素振りです。だいたい15回くらい連続で振ると、体を左右にブラさずに打つ感覚がつかめるので、安定感のアップにつながります。
連続素振りで軸がブレないスイングを!

15回くらい連続で振る素振りもすべてマン振り!腕だけでは振れないので体幹を鍛えるトレーニングにもなる
スタンス幅の中で体重移動をする

バックスイングからダウンスイング、フォローまで、つねにスタンス幅内で体重移動を行えば、マン振りしてもスエ―しない
1本足打法で真っすぐ飛ばす

スイングのバランスが整っているか。フットワークや体重移動が正しくできているか。これらは自分ではわかりにくいですよね。そこで、ドライバーでの1本足打法でボールを打ってみてください。大きく飛ばす必要はありません。
まずはトップで左足を浮かします。そして、浮かせた左足を踏み込みながらボールを打ち、フィニッシュで右足を浮かせます。これで真っすぐ飛べば合格。初心者には難しくてオススメできませんが、上級者ならできるはず。
トップで間をしっかり作り、回転軸を意識しながら体を大きく使いましょう。体幹の強化につながるので、日ごろの練習にも効果的です。
トップは左足、フィニッシュは右足を浮かす

トップでは右足の前を左足が通過するくらい大きく浮かして捻転。フィニッシュでは右足を浮かし左足1本でバランスよく立つ
野球のピッチャーのように“間”を作って左足を踏み出す

トップで間をしっかり作ることで下半身が先行し、大きなパワーが生まれる。クラブを振るときはその場で足踏みをするイメージをもちながら、フットワークを使うとバランスのいいスイングになる

程度の差はあっても、いわゆるギッタンバッコンのスイングになっている人が多いので注意しよう
右手リードのスイングで遠心力をもっと引き出す!

シンプルにボールを打つ練習のなかで、私が意識しているのは右手をリードさせる感覚です。ゴルフは左手リードといわれますが、これが強くなりすぎると左に突っ込みやすい。また、80台や70台を出せるアマチュアは、軌道は安定していても左手リードのせいでこじんまりとしたスイングになっている可能性が高いです。
だからこそ、練習では右手で打つ感覚が大事。右手も使えるようになると遠心力をもっと引き出せるので、大幅な飛距離アップが叶いますよ。

左手のリードが強すぎると、体全体が左に突っ込んでしまう(×)。重心を右に残したまま右手リードで打つと、大きなスイングで打てる
体が突っ込まないように右手は下から握る

右手リードはグリップが大切。右手を上から握るとスイング中に右手がかぶってしまうので(×)、右手は下から握ろう(〇)
手首はリリースしない!イメージはきつめのハンドファースト

ドライバーの飛距離を伸ばすには、ぶ厚くて効率のいいインパクトが必要。これを身につけるには、ロフトを立ててハンドファーストにボールをとらえることが大事です。
クラブが自然にリリースされていくなかでハンドファーストに当てるには、自分の感覚的にはものすごく極端に手元を先行させる意識が必要です。
私は普段から左上の写真くらいのイメージで振る練習をしています。それで実際には右上の写真くらい。この積み重ねが大事なんです。

インパクトで腰を目標に向けることも重要。腰を切らないと強く叩けるハンドファーストにならない
小さなトップからハンドファーストで振り続けてヒット

小さなトップから、きつめのハンドファーストで当ててフィニッシュまで振り抜く。感覚的には手元が体の幅からはみ出すくらいの強いハンドファーストを意識してみよう
超ハイティーとローティーを交互に打つ

「3Wにとっては高すぎるティーと低いティーのボールを交互に打つとレベルブローに近づきます」(福永)セットアップではヘッドをティーの高さに合わせよう
5Wはうまく打てるが3Wになるとショットの精度が落ちるという人は、ティーアップの高さを極端に変えてみましょう。ドライバー用の高めのティーと、アイアン用の低めのティーを交互に打つのがコツ。打ち込んだりすくい上げたりするとうまく当たらないので、入射角が自然にシャローになり、レベルブローのインパクトが身につきます。
高めのティーはヘッドを浮かせて構え、ボールをヨコから払い打つ。低めのティーはそれと同じイメージでスイング。これを繰り返せば、地面の上からもナイスショットが打てますよ。

高いティーは打ち込むとテンプラになる。悪い入射角を修正しよう
インパクトゾーンでヘッドをレベルに動かす

ボールをヨコから払い打つイメージで、ヘッドを低い位置から入れて低い位置に出し、できるだけ水平に動かすことが重要
ループさせてインサイドからシャロ―に打つ

短いアイアンはアウトサイド・イン軌道で振っても、ロフトが寝ているので大きく曲がりません。でも、これが飛距離が安定しない原因になっていることが多いんですよ。私も疲れたときや調子が悪くなるとそうなりやすいので、極端にインサイド方向から打つ練習をしています。
アウトに引いたクラブを切り返しで8の字を描くようにループさせて、インからシャローに振り下ろしていく。ゆっくりのスピードでもOKです。この練習を繰り返してインサイドからヘッドが入っていくようになると、ダフリのミスもなくなります。

アウトに振り上げたクラブを、ダウンスイングではシャフトを寝かしてボールを打ちにいく
ハーフウェイダウンで手元を低くする

8の字を描くようにループさせて振ると、ハーフウェイダウンで手元が浮かなくなる。腕をやわらかく・使って振るのがポイント
左足を「踏み込む・伸ばす」は連続打ちでマスターする

右足も強く蹴ろう!
最近は踏み込んだ左足をインパクトで伸ばす「床反力」を利用するスイングが主流になっていますが、私はアイアンの連続打ちでマスターしました。
左足を大きく動かして、トップでは左足のカカトを浮かせるくらい上げる。ダウンスイングでは勢いよく踏み込んで地面からのパワーを感じながら伸ばす。1球ずつやドライバーではなくアイアンの連続打ちでやると地面を踏み込むや蹴る、股関節を回すタイミングがつかみやすいですよ。
左に踏み込んだときも左足が流れないように注意

左足で踏み込んだときは左足が左に流れないよう注意。左足を一直線に伸ばすことで床反力を使うスイングがマスターできる
ペットボトルを転がしてインパクトゾーンを真っすぐにする

チャンスでグリーンにきちんと乗せる。方向性を上げるアイアンでの「ライン出し」は上級者の常套テクです。「ライン出し」はペットボトルを使ってマスターしましょう。
インパクトゾーンでクラブを真っすぐ動かすことが大事なので、テークバックではペットボトルを右へ転がす。ダウンスイングではペットボトルをボール位置に戻して左へ転がす。ペットボトルを真っすぐ転がせると、目標に向かって真っすぐ打てるへッドの動かし方とフェース向きをマスターできます。

フェースローテーションを押さえて、体の回転でスイング。インパクトはペットボトルを転がしたときと同じ「真っすぐ押す」感覚で打つ
500mlがちょうどいい重さ 体を使って押せる

ペットボトルをボール位置にセットしたら、ヘッドで押して真っすぐ転がす。「500mlサイズが重すぎず、手先を使わず体で押せるちょうどいい重さです。室内でもできる練習法なので家でもやってみてください」(三浦)
いかがでしたか? 学んだ練習法を明日から実践しましょう!

小祝さくら
●こいわい・さくら/1998年生まれ、北海道出身。158cm。18年から2年連続で賞金ランキングトップ10入り。20年はゴルフ5レディスでツアー2勝目をあげた。ニトリ所属。

芹澤信雄
●せりざわ・のぶお/1959年生まれ、静岡県出身。173cm、72kg。レギュラー5勝、シニア1勝。ツアーで指折りの理論派。TSIグルーヴアンドスポーツ所属。

倉田珠里亜
●くらた・じゅりあ/1993年生まれ、奈良県出身。167cm。13年のプロテストにトップ合格。飛距離アップでレギュラーツアーの出場権獲得を狙う。フリー。

河野杏奈
●こうの・あんな/1999年生まれ、東京都出身。162cm。19年のプロテストに合格。圧倒的な飛距離を武器に初優勝・初シードを狙う大器。フリー。

福永和宏
●ふくなが・かずひろ/1969年生まれ、福岡県出身。165cm、65kg。96年のポカリスエットよみうりオープンでツアー。19年にシニア入り。フリー。

幡野夏生
●はたの・なつき/1997年生まれ、神奈川県出身。160cm。日本人初となる韓国女子ツアーでプロデビュー。19年はステップアップツアーで優勝争いを演じた。フリー。

村田理沙
●むらた・りさ/1995年生まれ、東京都出身。161cm。増枠予選会で9位に入り、21年の活躍に期待がかかる。ゼビオホールディングス所属。

三浦桃香
●みうら・ももか/1999年生まれ、宮崎県出身。169cm。19年シーズンはレギュラーツアー24試合に出場。21年のプロテスト合格が待ち望まれる大注目選手。アウトソーシング所属。
構成=三代崇
写真=相田克己
協力=SEKI GOLF CLUB目黒
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