BOA Technology社が研究を重ねるパフォーマンスフィット。2021年、その構造にいち早くコミットしたアディダス「ZG21 BOA」とフットジョイ「Hyper Flex BOA」の2モデルが新登場!
各シューズの特徴はもちろん、BOAフィットシステムの最新研究と今後について取材した。

妥協ゼロのテクノロジーで
安定性と軽量化を叶える

すべての性能において高いパフォーマンスを可能にした次世代のスパイクゴルフシューズ。「TRI-WRAPテクノロジー」は甲を包みこむような構造になっていて、高い安定性を実現している。ゴルフ初搭載のミッドソール素材と新アウトソールによってスイング時にのみ、クリートアウトソール特有の地面を刺すグリップ力が大幅向上。性能はもちろん、一般的なツアースパイクシューズと比較して大幅な軽量化に成功した。

TRI-WRAPテクノロジー
4層構造のスプリントスキンアッパーの上に、高いフィット感と安定感を両立する2重ストラップ構造。
外層のY字型ストラップでスイング時の強靭な蹴りを可能にし、内層は足型に順応し、外層のホールド力を感じさせない快適なフィット感を実現。

Li2ボアダイヤル
1mm単位で緩められる「Li2ボアダイヤル」。軽量かつコンパクトで「締める・緩める」の操作が両方向で微調節でき、素早く、最適なフィットを実現してくれる。ダイヤルプラットフォームはより高い耐久性をもつように設計されているため丈夫で長持ち。

※ウィメンズモデルは、L6ダイヤルを搭載

LITESTRIKE
軽量でありながら、高反発のミッドソール素材 「LIGHTSTRIKE」を採用。スイング中にもっとも負荷のかかる外足部分には、極薄で軽量な安定パーツを配置し、安定性がアップ。6つのクリートと特殊なラグにより、大幅にグリップ力が向上した。

【SPEC】
●サイズ/24.5〜28.0cm、29.0cm、30.0cm
●カラー/ホワイト・アシッドイエロー・
ブルーオーキサイド、他3色
●オープン価格/2万円+税(編集部調べ)
※ウィメンズモデルあり
【問】アディダスゴルフ shop.adidas.jp/golf

ZG21 BOA × 畑岡奈紗

歩行時はスパイクレスのような感覚で、多構造のスパイクとは思えないほど軽くてびっくりしました。一方でスイング時はアウトソール全面が地面に刺さって、私のスイングの長所である蹴る動きのタイミングをしっかりサポートしてくれます。また、シューズの外側の硬い素材が横ブレに対応。とくにインパクト以降は、足の左右へのブレが起きにくいように感じます。各パーツの役割を理解することでより、ZG21 BOAの性能のよさを感じることができました。

FJ独自の最新機能搭載!
ハイパーアスレチックモデル

フットジョイの最新モデルは、初搭載となる「WRAPIDフィットテクノロジー」と、やさしく足を包み込む「防水ニットテキスタイルアッパー」を採用し、足全体をしっかりホールド。安定したフィットを生み出すだけでなく、通気性と柔軟性にも優れており、快適にプレーできる。ゴルフの動きに合わせて配置されたアウトソールのスパイクは、不安定な場所でもブレを防いで抜群の安定感をキープしてくれる。

WRAPIDフィットテクノロジー
カカトと甲部分を面でしっかりホールドすることで、足とシューズの動きが一体化。両足の安定感が高まり、歩行やスイング時の“ズレ”や“ブレ”をしっかりとおさえてくれる。レースは強度があり、柔らかな感触が特徴のTX4レースを使用。

防水ニットテキスタイルアッパー
防水加工を施した通気性と柔軟性に優れたアッパー。1日中履いてもムレにくい。「WRAPIDフィットテクノロジー」と合わせることで、カカトからツマ先まで、足全体のホールド感がアップ。

L6ダイヤル
L6ダイヤルはL-シリーズの中でもっとも多方面に採用されているダイヤル。耐衝撃性に優れ、強い力が加わってダイヤルが外れても、簡単にカートリッジを元に戻せる設計になっている。

【SPEC】
●サイズ/24.5〜27.5cm●カラー/グレー&レッド、ネイビー&ホワイト、ブラック●オープン価格/1万8000円+税(編集部調べ)
【問】アクシネット ジャパン インク www.footjoy.jp

HyperFlex BOA
× ベルント・ウィスバーガー

スッと着用できるし、デザインもいいシューズ。快適さを損なうことなく、安定性も抜群です。

HyperFlex BOA
× ラファエル・カブレラ・ベロ

このシューズを履いた瞬間、とても動きやすく優れた快適性があると感じました。


アッパー構造の違いから
パフォーマンス向上を検証

 現在、ラボの研究テーマは3つの主なカテゴリーに分かれている。多くのスポーツで必要な瞬発的動作や、素早い切り返し動作が求められる「敏捷性とスピード」。ランニングなどエネルギーの効果的な使い方やケガのしにくさなどがテーマの「持久力と健康」。そして、ゴルフなどに求められる、力を損なうことなく正確な動きを再現することが主題の「パワーと精度」だ。なかでも「敏捷性とスピード」の研究成果は論文としても発表され、すでに公開されている。
 その論文によると、シューズ下部(アウトソールなど)の構造は同一にして、下図のような各種アッパー構造とBOAを組み合わせたプロトタイプを作成、これらを用いてさまざまな動作で比較検証調査を行ったところ、トライパネル構造とYラップ構造では、従来の靴ひもよりも3~9%パフォーマンスが向上することが生体力学的に証明されたという。
 BOA社ではこれらをベースとしたパネル式アッパー構造とBOAフィットシステムの組み合わせを「パフォーマンスフィット構成」と定義している。

比較検証調査を実施した、各シューズの締め付け構造イメージ図。左から、伝統的な靴ひもタイプ、従来のBOAタイプ、BOAトライパネル構造、BOA Yラップ構造

Q「敏捷性とスピード」の研究で証明されたパネル式アッパー構造のメリットは、ゴルフシューズにも適用されるのでしょうか?
A 私たちはその理論が適用できるはずだと信じています。動きは異なりますが、敏捷性とスピードの調査では、急速な動きでアスリートのパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があることが示されました。ゴルフスイングはパワフルですばやい動き、だからこそ敏捷性とスピードの調査で証明された設計を活用して、ゴルフのパイロットテスト用の構成を作成しています。

Qパネル式アッパー構造を採用したシューズでも、ブランドによって特徴は変わりますか?
A 各ブランドには独自のDNAがあり、フィットシステムの目標は、アスリートとブランドのミッドソール、アウトソール、トラクションにうまく接続することです。似ているように見えるかもしれませんが、レースの角度、パネルがカバーする領域、パネルの具体化などの細部は異なってきます。

Q「パワーと精度」に関するパイロットテストでは、どのようなテストを行っているのですか?
A パフォーマンスフィット構成がゴルフ中のパワーと精度にどのように影響するかを調査した結果、ゴルファーとフットウエアの接続を改善することで、ゴルファーの精度を向上させるという兆候があることがわかりました。そこで、テストでは、被験者のゴルファーがラボで体の要所に反射マーカー、足を包むプレッシャーインソール(圧力感知インソール)を装着。芝マットの下にはフォースプレートを配置し、テスターはテストする各シューズを履いて8回スイングをします。モーションキャプチャー、感圧センサー、トラックマンなどを活用し、各スイングからクラブの軌道、ボールの弾道、各関節で体を介して伝達される力と力の量、および足の上下の圧力がどのように見えるかを測定。このデータを使用して、パフォーマンスフィット構成がパフォーマンスにどのように影響するかを調査しています。

Qパイロットテスターは、どのような人を起用していますか?
A テスターにはハンディキャップが10未満の熱心なゴルファーを採用しています。テストでは、BOAのメリットを確認するため、スイングの一貫性が高いゴルファーが必要です。

Q今後どのように研究を進めていきたいですか?
A パイロットテストでは、パフォーマンスフィット構成が、足全体の精度と圧力分布を改善していることを示しています。よりゴルファーの精度を向上させていくためにも、準備を整えて引き続き研究に取り組んでいきます。