どれが一番飛ぶ…!? 最新シャフト4選を鹿又芳典

今秋発売されたニューシャフトは例年以上に個性的で、とくに飛距離性能の高さに注目! 

同一ヘッドで4モデルを打ち比べてみた!

【あわせて読みたい】西村優菜「試合で使う」と絶賛!キャロウェイ“PARADYM”って何がスゴイ?

新モデルは個性豊か

ドライバーのシャフトは、オーソドックスな中調子系が流行った時期もありましたが、今秋の新モデルはどれも個性があって、ヘッドスピードやボール初速を上げる工夫がさせれています。これはアマチュアだけでなく、ツアープロも飛距離を求めるようになったことに対する答えともいえるでしょう。

ヘッドスピードを上げる工夫に関しても、メーカーによってさまざまなアプローチの仕方があります。たとえば、フジクラの「スピーダーNXグリーン」はシャフト全体を大きくしならせることでスピード感を増す。三菱ケミカルの「バンキッシュ」は40g台にフレックスTXをラインナップして、軽・硬(かる・かた)を追求しています。

シャフトが個性的になったことで、ヘッドとの相性がはっきり出るようになってきました。「ステルス」に代表されるような低スピンヘッドとマッチするモデルもあれば、ピンの「G430」のような大慣性モーメントタイプと組み合わせることで、最大のパフォーマンスを発揮できるシャフトもあります。その相性を見極めながら選ぶことが大切になってきましたね。

「ブルー」より飛距離を重視!ボール初速が1、2m/秒上がる

藤倉コンポジット
スピーダーNXグリーン

SPEC●ラインナップ(フレックス)/40(R2、R、SR、S)、50(R、SR、S、X)、60(SR、S、X)、70(S、X)●トルク(50-S)/4.9度●中調子●価格/4万4000円

前作の「スピーダーNX(ブルー)」はすごく振りやすくて、幅広いゴルファーにマッチするシャフトでした。新作の「スピーダーNXグリーン」は、振りやすさはもちろん、飛距離性能に特化したシャフトになっています。データ計測をしてみると、ボール初速が1から2m/秒くらい上がっていました。

「ブルーで打球が上がりすぎる、スピンが増えすぎてしまうという人にはグリーンがオススメ。適度な高さになって飛距離を伸ばせると思います」

しなり方の特性としては手元側にしっかり感があって、中間部分から先が大きくなめらかにしなってくれるので、単純にヘッドスピードが上がる。それがボール初速のアップにつながっています。弾道は前作の「NX(ブルー)」は、打ち出し直後から打球が上がってくれる高弾道系で、「NXグリーン」は強い中・高弾道系になった印象です。「NX(ブルー)」と「グリーン」を打ち比べたうえで、どちらが自分のスイングにマッチするか、比較して選んでください。相性がよいのは、アベレージゴルファー向けからやさしめのアスリートタイプのヘッド。ピンの「G430MAX」やダンロップの「ゼクシオエックス」のようなヘッドとマッチすると思います。

今までのツアーADとは別モノ。低スピンヘッドとの相性抜群!

グラファイトデザイン
ツアーAD CQ

SPEC●ラインナップ(フレックス)/4(R2、R1、S)、5(R2、R1、S、X)、6(SR、S、X、TX)、7(S、X、TX)●トルク(5-S)/4.5度●先中調子●価格/4万4000円

第一印象としては、今までの「ツアーADシリーズ」にはなかったタイプで、いい意味で「ツアーAD」らしくない。歴代のシリーズは、方向安定性にすぐれた中元調子系で、中弾道が出る叩けるシャフトでしたが、新作の「CQ」は高弾道のドロー系です。球が楽につかまってくれるので、スライスに悩んでいるアベレージゴルファーにも向いてますし、40g台もあるのでヘッドスピードが落ちてきたシニア世代にもオススメ。歴代の「ツアーAD」のなかでもっとも打球が上がりやすくて、つかまるといっても過言ではありません。

「先中調子ですが、スイング挙動は安定しているので、切り返しのタイミングも合わせやすいです」

先中調子ですが、先端部分が暴れる感じは一切なく、手元部分に使用した新素材によって手元側がしっかりしていて、シャフト全体がムチのように強く、大きくしなってくれます。

このシャフトは「ステルスシリーズ」「ローグSTLS」「G430LST」などの低スピン系ヘッドとの相性がよさそうです。とくに打球が上がらないと悩んでいる人は「CQ」との組み合わせで、ロースピン&高打ち出しのぶっ飛び弾道が打てる可能性が高いと思います。

「GT」は先端硬めで安定「バンキッシュ」は軽・硬で飛ぶ

三菱ケミカル
ディアマナGT

SPEC●ラインナップ(フレックス)/40(R2、R、SR、S、X)、50(R、SR、S、X、TX)、60(SR、S、X、TX)、70(S、X、TX)、80(S、X、TX)●トルク(50-S)/4.6度●中元調子●価格/4万4000円

バンキッシュ

SPEC●ラインナップ(フレックス)/4(R2、R、SR、S、X、TX)、5(R2、R、SR、S、X、TX)●トルク(5-S)/4.2度●先中調子●価格/4万4000円

「ディアマナGT」は、ディアマナらしく先端部分がしっかりしているので、方向安定性にすぐれています。先端だけでなく、手元剛性も高いので中間部をしっかりしならせることができる。ピンの「G430」やヤマハの「RMX VD59」など、限界値に近い大慣性モーメント系のヘッドと組み合わせるとミスヒット時のブレを抑えられると思います。ヘッドスピードが45m/秒前後の人が打っても、ヒッカケが出ない安心感がありますね。

「40g台のフレックスでTXというのは珍しいですが、ヘッドスピード42m/秒前後のゴルファーにも試してほしいスペックです」

「バンキッシュ」は40、50g台に特化した新世代の軽量シャフト。感覚的には日本ではなく、アメリカ製のシャフトに近い感じで、軽量シャフトなのにしっかり感があってインパクトでフェースをスクエアに戻しやすい。とくに40、50g台のフレックスTXは、アスリートゴルファーでも使える仕上がりになっているので、今まで60g以上のシャフトを使っていた人が、軽さを利用して大幅な飛距離アップを望めるポテンシャルを秘めています。

いかがでしたか? 今回は新モデルの打ち比べを紹介しました。気になる方はぜひ手に取ってみて下さい。

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール

【あわせて読みたい】

「天使か」西村優菜、“かわいすぎる”ウェア姿を披露!ファンから称賛の声集まる

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

関連記事一覧