正しい“FWのスイング”はどっち?パワーがなくても回転力とミートで飛ばせる

女子プロだけでなく、一般女性にもFWを上手に打つゴルファーは多い。男性ほどのパワーやヘッドスピードがなくても、高い弾道で飛ばすし、ミートもうまい。その理由を紐解けば、僕たちもすぐに得意なクラブに変わるはず! 

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スイング解説とレッスンを担当する森山練コーチも「女性はラウンド中に、FWを使う頻度が高いのも上手な理由のひとつですが“女性的な打ち方をする”というのは、苦手克服の秘けつになりますよ」という。そこで、FWが上手な女性と苦手な男性を徹底比較してみた!

“得意な女性”と”苦手な男性”のFWスイング比較

「女性モデルの渋谷さんは、今回の企画に打ってつけのスイングですね! パワーがなくても回転力とミートで飛ばす。女性的なスイングですが、FWが上手な女性に共通する振り方で、FWが苦手な男性ゴルファーがマネてほしいポイントがふたつあります。鮫島さんも軸がきちんとキープされていてキレイなスイングをしていますが、右サイドの使い方が残念……。渋谷さんとは異なる点をレッスンで修正していきましょう」(森山)

まりな流・FW版ナイスショットの心得!

①大きくゆっくり振って、必要以上に飛ばそうとしない!

②ヘッドをインに引く、フェースを開かない!

③ボールを見続け、ヘッドアップ・ルックアップしない!

渋谷さんがFWを打つときに注意している点を聞いてみた。「②と③はスライスの原因になるため気をつけていますが、一番大事なのは①です。飛ばそうとすると必ずダフリかトップが出るので、ゆっくり振って番手なりの飛距離、3Wなら160ヤードまでで、ピンまで届かなくても”それ以上の飛距離は出なくていい”と思って打つ。ゆっくり振れるように、スイングアークを大きくする意識ももっています」(渋谷)

バックスイング

GOOD
「ヘッドを振り上げたときの遠心力や慣性を感じると、ヒジを早くたたむのを防げます」と森山。両腕のなかにできた三角形をつぶさず、手元と体が離れたトップが作れる
BAD
鮫島さんのトップを飛球線後方から見ると、手元やクラブは体の正面から大きく外れてはいないが、両腕のなかの三角形はたしかにつぶれてしまっていた

ダウンスイング

GOOD
インパクトの安定感や再現性が高まるだけでなく、右サイドをしぼった形はボールにパワーを伝えられるので飛距離も伸びる
BAD
右ヒジが体から離れると右ワキもあいてしまう。ヘッドはボール手前に早く落ちてしまい、ダフリかソールが跳ねてのトップも出る

両腕のなかの三角形をつぶさない!

FWが得意な女性モデルの渋谷さんは、手元が体から離れているのに対して、FWが苦手な男性モデルの鮫島さんは近づいています。これは「右ヒジの使い方」の違いで、渋谷さんはバックスイングで右ヒジを伸ばし気味にしている。一方、鮫島さんは右ヒジをたたみすぎているため、両腕のなかの三角形がつぶれてしまっています。三角形がつぶれると手元と体の距離が近づき、クラブが描く円弧の大きさが変わってしまう。すると、スイングの最下点が乱れ、フェースの向きも不安定になる。だから、ダフリにトップ、スライスもフックも、とさまざまなミスが出てしまうのです。

また、右ヒジの使い方の違いはダウンスイングにも見られました。渋谷さんの右ヒジは体に近づいていますが、鮫島さんは右腕が内旋し、ヒジが浮いてしまっているためヘッドが早く落ちてしまう原因になっています。

つまり、右ヒジは「バックスイングでは伸ばし気味にして離す、ダウンスイングでは右ワキ腹あたりに近づける」。これがミートのコツになるのです。

体を正面に向けて打つのは逆効果!

スイング写真を撮ってみると、ふたりともほぼ同じポジションでの写真が撮れました。しかし、渋谷さんはクリーンヒット、鮫島さんはダフッてしまいました。これは「右ヒジの使い方」と、もうひとつは「右肩の位置や動かし方」がポイントになります。

「インパクトはアドレスの再現。体を正面に向けて打つ」と聞いたことがあるでしょうが、これは間違いです。とくにFWのような長いクラブはうまく当てたい気持ちから、体を正面に向けてミートしようとしがちですが、それは逆効果。鮫島さんもそのタイプで、インパクトで体を正面に向けて打っていましたが、体の回転が止まってしまうのもダフリやヒッカケなどのミスの原因になるのです。

体を回し続けるには、右肩を意識してください。トップから切り返したら、右肩を止めずにアゴの下やアドレスで左肩があった位置まで動かしていく。体全体の回転力アップでヘッドスピードも上がるので、打球が高くなるし飛距離も伸びますよ。

右肩は動かし続けて回すが◯

GOOD

胸を正面に向けるのはハーフウェイダウンまで。「右肩を動かし続けると下がりにくくなるのもメリットです」(森山)

BAD

右肩が止まり体の回転がおろそかになるのもダフリの原因(右)。回転不足を補おうとして体が突っ込むエラーも起こりやすくなってしまう(左)

止めにいって止めるはバツ(×)!

飛球線後方からの撮影では、どトップしてしまった鮫島さん。アドレス時の前傾角度(下)と比較すると一目瞭然。右肩が止まったことで、骨盤や上体が浮いてしまったのが原因だ

いかがでしたか? 右肩を止めずに体を回し続けることを意識してみましょう!

レッスン=森山 練

●もりやま・れん/1996年生まれ、東京都出身。名門・代々木高校でゴルフ部部長を務め、東京都大会6連覇を達成。2019年からレッスン活動をはじめて、現在は都内のEastGolfSchoolやYGC学芸大ゴルフスタジオなどで指導を行なう若手理論派コーチ。

写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC

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