「飛距離250ヤード超」神谷そらのドライバースイングを解説!飛びの秘訣は?

今注目の若手女子プロのスイングをピックアップ。ツアー初優勝した飛ばし屋のスイングや、新時代を感じるスイングなど見どころ満載! ※選手の記録は6月10日現在のもの

最初に神谷そら選手のスイングについて解説してくれました。

【関連記事】7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

オーバースイングでも上半身の粘りで捻転差をキープ!

神谷そら Sora Kamiya

大きいスイングでも体と手元の距離は一定

Point 左腕を曲げずに左肩をしっかり回して高いトップを作る
Point 上半身を粘ることで頭が右に残る

プロ1年目でツアー初優勝した神谷そら選手は、平均飛距離257ヤード(ツアー2位)という若き飛ばし屋です。若さを生かしたダイナミックなスイングが特徴で、トップはややオーバースイングになっています。普通、ここまでトップが大きくなるとダウンスイングでは体がゆるみやすい。しかし、神谷選手はダウンスイングで上半身を粘ることによって捻転差をキープしています。❹では下半身が正面まで戻ってきているのに上半身はまだ右を向いている。

ハーフウェイダウンの❺では下半身は目標方向(左方向)を向いているのに上半身は正面に残っています。ボールを打つ直前まで下半身と上半身に捻転差があることで、力強いインパクトで飛ばすことができているのです。もう一つ、アマチュアでオーバースイングに悩んでいる人にマネしてほしいのは、バックスイングからトップまで左腕を曲げないこと。神谷選手は左腕を伸ばし気味にしているので、体と手元の距離を一定にキープできています。

だから、スイング軌道が大きくても再現性が高い。オーバースイングになるとカット軌道になるタイプも多いのですが、神谷選手はフィニッシュで左足カカトに体重をかけることでスイング軌道をインサイド・アウトにしている。これは、ボールをつかまえて打てるスイングにもなります。

神谷そら
● かみや・そら/ 2 0 0 3年生まれ、岐阜県出身。167cm。今季からツアーに参戦し、フジサンケイレディスで初優勝を果たした若手ホープ。その後のパナソニックオープンでも8位タイに入った。郵船ロジスティクス所属。

頭を左右に回すことで高さが変わりにくい

安定感抜群のドライバーショットに定評のある阿部未悠選手は、今シーズンのフェアウェイキープ率が6位。写真を見ると曲がらない理由がよくわかります。阿部選手は❶から❼まで体の上下動がまったくありません。最後のフィニッシュ(❽)は頭の位置が高くなっていますが、そこまでは頭とヒザの高さがずっと同じです。

しかし、アマチュアは体が伸び上がったり、背中を丸めるので体の上下動が大きくなる。だから打点が安定しないのです。頭は上下に動いていませんが、帽子のツバを見ると頭を左右に回しています。トップ(❸)ではツバが右を向き、ダウンスイングからフォロー(❺❻❼)では左を向いてる。阿部選手は体の動きに合わせて頭を回転することによって、体が伸び上がらないようにしているのです。

アマチュアはバックスイングでずっとボールを見ようとして頭を無理に固定しようとするので、体が伸び上がってしまうタイプが多いです。阿部選手のように体重移動を少なくして、回転で打つと左右の軸もセンターからズレません。インパクトからフォロー(❻)にかけては軸をキープして肩をうまく回しているので、ヘッドがフォローで低い位置を通る。それも安定感のよさにつながっています。

阿部未悠

●あべ・みゆう/2000年生まれ、北海道出身。155cm。昨季は5回のトップ10入りを果たし、シード権を獲得。今季は明治安田生命レディスで10位タイ、富士フイルム・スタジオアリス女子オープンで2位タイに入った。ミネベアミツミ所属。

左足はツマ先立ちで体を回転させる

アドレスから左足は少しオープンにする。左足のツマ先の外側に支点を作る

今季からレギュラーツアーに昇格した19歳の櫻井選手は、まさに「新世代」のスイングです。注目してほしいのは左足の動き。昔からレッスンでは「左の壁」を作るということが定説とされてきましたが、櫻井選手は左足で壁を作るというスイングではなく、左足を思いっきり回しています。

左の壁を作ろうとすると左足全体で地面を踏むのですが、櫻井選手はハーフウェイダウンからインパクト(❺❻)にかけて左足がツマ先立ちになっている。ツマ先立ちにして左足を支点にすることで、体の回転スピードを上げているのです。左足を回すことができれば、腰と胸も回転するので窮屈なスイングになることはなく、ヘッドスピードが上がります。

世界的なトレンドとしても地面反力を最大限に生かすために左足をジャンプさせたり、ツマ先立ちで打ったりする選手が増えていますよね。左足をうまく回すコツはツマ先の左側(外側)に支点を作ることです。櫻井選手のスイングを見ても❺ではツマ先の左側に力を入れて、右側(内側)を浮かしながら左足を回しています。左足を回しやすくするためには、左足を少しオープンにして構えるのもアリです。

櫻井心那

●さくらい・ここな/2004年生まれ、長崎県出身。166cm。昨季は北海道meijiカップで2位タイに入り、注目を浴びる。今季はKKT杯バンテリンレディスオープン、RKB×三井松島レディスで5位タイに入った。ニトリ所属。
※選手の記録は6月10日現在のもの

解説=吉田栄太
●よしだ・えいた/埼玉県出身。日本大学卒業後、茨城県内のゴルフ場に所属し、ツアー出場を目指す。12年にJPGAティーチングプロB級を取得。丁寧な指導方法に定評があり、現在は東京に5店舗ある「EGAi GOLF STUDIO」でレッスン活動を行なっている。

写真=ゲーリー小林 
取材トーナメント=ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ

【あわせて読みたい】

「天使か」西村優菜、“かわいすぎる”ウェア姿を披露!ファンから称賛の声集まる

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

関連記事一覧