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松山英樹がテストしたシャフトは一体…!? 最新シャフトを専門家が解説!

ドライバーは人気シリーズ、アイアンは新ブランドのシャフトが続々と誕生!今、メーカーがイチ押しするモデルの特徴や長所を鹿又が分析する。

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「NXシリーズ」初の先中調子が誕生!

スピーダーらしいしなり感がありつつ先端も安定している

日本女子ツアーで使用率1位の「スピーダーNXシリーズ」ですが、新作の「NXブラック」は、シリーズ初の先中調子です。今までの先調子系にあったヘッド挙動の不安定さ、つかまりすぎるイメージが一切なく、先調子の弱点をすべて解消したシャフトになっています。初速性能は他社と比較しても一番速い!それが女子プロから支持される最大の要因でしょう。

アイアン用の「トラヴィル」はアスリートゴルファー好みのしなり方で、しっかり打ち込めて弾道が高い。重めのスチールシャフトを使っていた人にオススメです。

話題の「NX ブラック」は初速がナンバーワン!先調子の弱点を全解決

商品詳細はこちら!
フジクラ スピーダー NX ブラック
「NXシリーズ」3世代目となる「NX ブラック」。先端剛性を前作より高めつつ、先中調子に。9月7日発売予定
SPEC●モデル(フレックス)/40(R2、R、SR、S)、50(R、SR、S、X)、60(SR、S、X)、70(S、X)●長さ/46インチ●重さ・トルク/65.5g・3.8度(60・フレックスS)●先中調子●価格/4万4000円

独自のテクノロジー、VTC(ヴァリアブル トルク コア)を先端から中間部に採用することで“先が暴れる感覚”を払拭

トラヴィル
フジクラにとっては2012年の「MCI」以来となる新カーボン。発売からわずか5日間で1万本のセールスを記録
SPEC●モデル(フレックス)/85(R、S)、95(R、S)、105(S、X)、115(S、X)●長さ/35.5〜39インチ●重さ・トルク/99g・2.3度(95・フレックスS)●中元調子●価格/1万4300円

打球の落下角度にフォーカスした新カーボンシャフト。カーボン、金属にゴム素材をコンポジットして打感をなめらかにしている

松山英樹も昨年の試合でテスト!

「同シリーズの『ホワイト』『オレンジ』と比較すると、全体のしなりを感じやすくマイルドなシャフトになっています」

PGAツアーでは昨年から使用する選手がいて話題となっていた「テンセイプロブルー1K」が、7月から日本でも発売開始。松山英樹プロも昨年の試合でテストしていたこのシャフトは、同社のシャフトを長年使っている人にとっては王道中の王道。青マナ(ディアマナブルー)から継承されている万人向けで、スムーズにしなってくれる中調子。パワーヒッターが叩いても暴れることなく、ヘッドスピード40から42m/秒のゴルファーでも扱いやすいシャフトです。

慣性モーメントが大きいドライバーと相性がいいのはもちろん、FWに入れても振りやすいので弾道が安定します。50g台から80g台まで、重さの違いはあっても振った感覚に統一感があるので、ドライバーからFWまでそろえるセッティングもアリです。

「クセがない」「強いしなり」青マナを継承する三菱の王道タイプ

三菱ケミカル テンセイプロ ブルー 1K
歴代の「ホワイト」「オレンジ」のキックポイントは元調子だったが、「ブルー」は中調子で、より幅広いゴルファーにマッチする
SPEC●モデル名(フレックス)/Pro Blue 1K 50(R、S、X、TX)、60(R、S、X、TX)、70(S、X、TX)、80(S、X、TX)●長さ/1168mm●重さ・トルク/61g・3.9度(60・フレックスS)●中
調子●価格/5万5000円

独自開発した1Kクロスは、従来よりも緻密で繊細な作り込みが可能になり、プレーヤーのフィーリングを出しやすくなった

ツアーAD史上一番の振りやすさ打点が安定する

お助け要素がある中元調子

今回試打したシャフトのなかで、もっとも驚いたのが「ツアーAD VF」でした。今までのシリーズと比較しても圧倒的に振りやすい!男子プロの使用率が高いシリーズなので、しっかり感があって、どちらかといえばヘッドスピード45m/秒前後のゴルファーとの相性がよかった。しかし、このニューモデルは、中元調子でも打球が高く上がりやすい“お助け要素”があります。ヘッドスピード40m/秒前後のゴルファーにとっては、打点が安定するシャフトにも仕上がっていますね。

グラファイトデザイン ツアーAD VF

●モデル(フレックス)/VF-4(R2、R1、S)、VF-5(R2、R1、S、X)、VF-6(SR、S、X、TX)、VF-7(S、X、TX)●長さ/46インチ(1168mm)●重さ・トルク/65g・3.3度(6・フレックスS)●中元調子●価格/4万6200円

前作の「CQ」が先中調子だったのに対して、新作の「VF」は中元調子。男子ツアーでは中島啓太もテスト中。10月6日発売予定

手元部分にトレカ®M40Xを採用

手元部分に高弾性な炭素繊維を採用したトレカ®M40Xを採用。中元調子でも振り遅れることなくシャープに振り抜ける

「フェースの下側に当たっても、高弾道の球が打てます」

ロングセラー「DG」を少しだけマイルドにスピン量をアップ!

「ダウンスイングでの粘り感が抑えられているので、スピーディにヘッドが戻せるようになりました」

PGAツアー選手のリクエストから誕生

日本ツアーだけでなく、PGAツアーや欧州ツアーでも使用者が多い「ダイナミックゴールド」ですが、海外選手からの要望を反映したのが「ダイナミックゴールドMID」です。従来の「ダイナミックゴールド」とほぼ同じ重量帯ですが、打球が上がりやすくてスピンも入りやすいので、少しマイルドになった印象です。

130g台の「ツアーイシュー」は中元調子のアスリート仕様ですが、115g前後の「115」は中調子系で一般アマチュアでも扱いやすいスペックです。

トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ミッド

SPEC●モデル(フレックス)/DGMID115(R300、S200、X100)、DGMID 130Ti(S200、X100)●長さ/約37〜40インチ(MID 115)●重さ/115g(MID 115・フレックスS200)●中調子(MID 115)●オープン価格(編集部調べ:9000円前後~)

昨年からPGAツアーに投入して、使用選手がすでに3勝をマークしている話題のスチールシャフト。日本では9月下旬発売予定

中間部を硬く先端をソフトに

打球の落下角度を大きくするために中間部を硬くして、先端を少しだけソフトに再設計。振り感は「ダイナミックゴールド」と変わらない

弾道も特性も「ど真ん中」女子プロの評価が高い

シリーズ14代目となる「ジ・アッタスV2」は、歴代「アッタス」の“ど真ん中”ともいえる究極の中調子。今シーズンは、女子ツアーで使用する選手が一気に増えました。最大の特徴は、クセがまったくないこと。だから、どんなスイングタイプやヘッドスピードの人にとっても振りやすい。弾道も“ど真ん中”を狙えるストレートで、曲がりを抑えてフェアウェイキープ率を上げる期待がもてます。

UST マミヤ The アッタス V2

SPEC●モデル(フレックス)●4(R、SR、S、X)、5(R、SR、S、SX、X)6(SR、S、SX、X)、7(S、X)●重量・トルク/66g・3.1度(6・フレックスS)●長さ/46インチ(1168mm)●中調子●価格/4万4000円

金谷拓実などが使用する名器「ジ・アッタス」の進化版。弾道の高さもつかまり具合も歴代モデルの中間に設定

ダブル高弾性シート設計

シャフト全長に従来の高弾性シートと新しい高弾性シートをプラスしたダブル高弾性設計を採用。トルクを小さくしたことで安定感がアップ

ショートゲームのスピン量が一定になることで大人気

ウエッジ専用設計として開発された「モーダス03ウエッジ」は、一般的なウエッジ用のスチールシャフトと比較すると低めの打ち出しから、強烈なスピンが入るのが特徴。だから、ウエッジでフルショットするときではなく、50ヤード以内を小さい振り幅で打つときに最大の効果を発揮します。同じ距離を打つときのスピン量が一定になることで、プロからも高く評価されています。

日本シャフト N.S.プロ モーダス3 ウエッジ

SPEC●モデル/WEDGE105、WEDGE115、WEDGE125●長さ/約37インチ(WEDGE115)●重さ・トルク/122g・1.5度(WEDGE115)●中調子(WEDGE115)●オープン価格(編集部調べ:5500円前後)

プロのフィードバックをベースに開発されたウエッジ用の「モーダス」。重さは110g台、120g台、130g台の3タイプ

心地よいMHTテクノロジー

最新の熱処理技術「MHTテクノロジー」によって、アプローチショットにおける理想的なフィーリングを実現した

最新シャフトの傾向は先端が硬めでもスピード感を出せるモデルがトレンド!

「NX ブラック」は前作を超える大ヒット!?

昨年までのドライバーシャフトは、慣性モーメントの大きいヘッドとの相性がいい、先端剛性が高めでインパクトが安定するモデルが流行っていました。しかし、最新モデルはそこからさらに進化している。先端剛性の高さをキープしつつ、ヘッドスピードアップにつながる走り感を出せるシャフトがトレンドになっているようです。「スピーダーNX ブラック」はまさにそのタイプで、女子ツアーでも「NX グリーン」を超える大ヒットの予感がします。「ツアーAD VF」も中間から先端にかけての剛性を高めつつ、しなり感をプラス。「テンセイ ブルー」も含めてどれもすごく振りやすかったです。

アイアンシャフトは打球の最高到達点が高くて、落下角度を大きくするというのがトレンドになっています。それはツアープロのリクエストでもありますが、アマチュアゴルファーにとってもメリットは大きい。最近のアイアンはロフトが立ってきているので、打球が上がりやすいシャフトにすることでグリーンに止めることができます。

「トラヴィルもダイナミックゴールドMIDも打球の最高到達点が高くなるので、落下角度が2、3度は大きくなると思います」

いかがでしたか? シャフトも進化がとまりません。ぜひ最新シャフトを使用してみてください。

試打・解説=鹿又芳典

●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール

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