22歳・永嶋花音、プロになってからの“ガチ悩み”とは?武井壮と熱血トーク!

百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。今月のゲストは永嶋花音。

メンタルについての悩みを武井に相談したところ、明るい未来が見えてきた!

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じつはもう発動している? “スーパー花音” でメンタル力アップ!

武井 今日は大雨でラウンドができなくなってしまい、とても楽しみにしていたのに残念です。

永嶋 私もすっごく残念です!

武井 いろいろな技術を教えてもらいたいと思っていたんですけど、このあと練習場にいきましょう!

永嶋 はい、ぜひ!

武井 今シーズンの仕上がり具合はどうですか?

永嶋 去年よりいい感じです。オフにフェードに取り組んで。

武井 僕もドローからフェードへのチェンジを昨年だけでも4回くらいチャレンジしたんですが、全部3日くらいで諦めました(笑)

永嶋 ガンバってトライしていますが、トラックマンで測ると私はクラブパスが5から6度インサイドから入っていて、めっちゃアウトから入れる意識をもっても2から3度にしかならないんですよね。

武井 生粋のインサイドアタッカーなんですね。

永嶋 でも、そのインサイド具合を小さく狭めることで、左に巻いてしまうショットがなくなってきました。めっちゃフェーダーになりたいわけではなくて、曲がり幅を狭めたい。コースでは完璧というフェードはまだ打てていませんが、スイング的にはフェードのイメージがよさそうです。

武井 そのイメージを武器に今シーズンを戦っていくんですね。

永嶋 はい。ステップアップツアーが主戦場になりますが、ステップでの優勝、レギュラーツアーは推薦や予選会から出て結果を出す。その目標達成のために、武井さんにお聞きしたいことがあるんですがいいですか?

武井 僕でよければぜひ。

見られるときはその場で “求められているキャラ” に変えている – 武井

永嶋 結構ガチな悩みなんですが、プロになってからまわりの目を気にするようになってしまって……

武井 期待されますからね。

永嶋 両親やスポンサーさん、メーカーさんとか、支えてもらっている人の目がとくに気になり、ほかにもギャラリーさんや一緒にまわるプロの目も。迷惑かけたくない、嫌われたくないというのもありますが「プロだからよく見せなきゃ」みたいな気持ちが強く出てしまって思い切りできてない。それがプロになってからいい成績が出てない大きな原因かな、と思っています。芸能界はもっと見られる仕事だから、武井さんはどうしているのかお聞きしたくて。

武井 じつは僕も、見られることがそんなに得意じゃないんですよ。家にいてひとりのときは落ち着いているし、素の自分はワチャワチャするタイプでもない。だけど、芸能界もスポーツ界でも、人に見られる表舞台に出るときのための別人格の武井壮をわざと作るようにしています。「百獣の王」もそのひとり。それを普段の僕がうしろから見ている感覚です。

永嶋 今もそうですか?

武井 はい。「うまいことトークしろよ」という感じで見てますね(笑)。スポーツするとき、芸能のお仕事のとき、それぞれしゃべり方が変わるんです。現場に入るとスイッチが入って。永嶋プロもコースに入る挨拶のときから声の出し方を変えたりして、スイッチを作るといいかもです。

永嶋 プレーに入る前からですか?

武井 普通のときは「おはようございます」の言い方も普通ですが、芸能の現場に入って、衣装を着て、楽屋を出て共演者にお会いしたら「おぅっはようござあす!!」みたいにちょっとおどけた感じの口調にしたりとか、それをスイッチにしている。「今はタレント武井壮ですよ」というスイッチに。僕らはその場に求められているキャラがあるので、ニュース番組のときは挨拶もしゃべり方もちょっと堅めにしています。

永嶋 ゴルフではどんなキャラに?

武井 ゴルフのときも最初は見られるのがすごく嫌でした。アメリカゴルフ留学から帰国したら「留学までしたんだからすごくうまいんでしょ。アンダーでまわるんでしょ」と思われて。初心者で留学して10ヶ月しかいなくて、ベストスコアも73までしかいかなかったのに。

永嶋 10ヶ月でベスト73ってすごいですけどね(笑)

武井 10ヶ月での73は80以上も簡単に打っちゃうレベルです。なのに、あんなミスするんだと思われて心が詰まる。それをあるときから「キャラを作ってやっちゃえ」と思うことにしました。ミスが出そうな状況とか雰囲気とかあるじゃないですか。そのときに必ずいうセリフとかを用意して。

永嶋 セリフを事前に!?

武井 ミスしたときの防衛策だったんですが、それをショット前のルーティンにしたら、ショットもうまくいくようになりました。ドライバーを打つ前に、いいショットを打ちそうな感じを出していると見ている人も「楽しみ」って思うじゃないですか。だからそれを先に壊しちゃう。「みなさんも緊張していると思いますから、ここは1発、僕が先にOBをぶちかまして盛り上げてから行きます!」というとか。

永嶋 フリってやつですね。

武井 フリでもあるし、同伴の人がそれで笑ってくれたり、しゃべっているうちにうまく打たなきゃという気持ちがほぐれて消えてくる。それでドコ──ン! とど真ん中に打つ最高のオチに(笑)。テレビカメラの前でゴルフをするのが嫌だったのに、逆にカメラがまわっているときのほうがうまくいくようになりました。

永嶋 そこでは、タレント武井壮さんが発動しているんですね。

武井 いったん笑かしてからいくと、違う僕が発動しはじめる。これって心理学的にも有効なことで、永嶋プロももうひとりの自分を発動させるのがいいかもしれません。

永嶋 普段とは違う私ですか……

よかったとき “我に返らない自分” も別キャラですね -永嶋

武井 これからプレーするのは本来の私ではない、スペシャルな永嶋花音に「おまかせします」って感じにすると、プレッシャーから離れられると思いますよ。

永嶋 めっちゃ勉強になります。今のお話を聞いていて、よかったときって我に返らないというか、たしかにいつもの自分と違っていたりしますが、それが別のキャラとまでは思っていませんでした。

武井 仲のいい友だちといるときも、違う自分が発動していませんか?

永嶋 どうだろ? 親しい人といるときは、素の自分な気がしますが。

武井 仲のよいプロとラウンドしていたら緊張しない。それは友だちと話すときって、楽しい会話をするモードになっているから緊張しない。なのに、本番になると緊張もするし、練ランでは気にならなかった状況なんかも気になったりしません?

永嶋 めっちゃします!

武井 底抜けに明るい自分と、その逆の控えめで遠慮がちな自分、勝負モードのワイルドな自分とかを用意して使い分ければ、思い切りプレーできるし、嫌な空気はすぐ消せますよ!

永嶋 適所での使い分けですね。私にとって新しいメンタルコントロールの仕方。ぜひ試してみたいです! ステップアップツアー優勝まではあと1歩。昨年は何度か優勝争いを経験できて、優勝するイメージもわいています。

武井 勝てる力はもうあるし、アプローチ、パットのスタッツが高くてうらやましい。うまくなるコツは?

永嶋 感覚ですね(笑)

武井 うまい人ほど感覚っていうんだよねぇ(笑)

永嶋 アプローチは素振りのときに、打ちたい球が打てる芝の触れ方の音を口に出して振っています。本番でも「サッ」とか「スッ」とかいいながら打っているから変な人ですよね(笑)

武井 それってすでに、アプローチでは別のキャラができていて演じているんですよ!

永嶋 あっ、たしかに!

武井 そういうキャラを入れるとよくなるタイプである兆候がもう出ている。ショートゲーム以外でも、普段とは違う “スーパー花音” を作って出していきましょう!

永嶋 雨でラウンドはできませんでしたが、そのぶんたくさんいいお話が聞けてよかったです。ガンバります!

いつもと違った自分を見せて “魅せる”

※この対談の1カ月後。永嶋はステップアップツアーの開幕戦で、プロ初優勝を飾った。実力どおりの力を発揮したのは、武井のアドバイスが効いたのかも!? 今後の成績にも注目だ!

いかがでしたか? ぜひ今後も永嶋選手の活躍に期待していきましょう。

永嶋花音

●ながしま・はなね / 2001年生まれ、東京都出身。157cm。21年のプロテストに合格し、同年のQT5位で22年シーズンはレギュラーツアー23試合に出場。昨シー ズンは、ステップアップツアー17試合に出場し、2位タイ、4位タイ、3位タイとベスト5入り3回。同ツアーでの平均パット数1位とリカバリー率2位を記録。イントループ所属。

武井壮

●たけい・そう / スポーツ、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。1月からテレビ東京系列で、新番組「武井壮のゴルフバッグ担いでください」(日曜朝9:30から)をオンエア中。最近はタイの映画に出演するなど、真剣に海外進出中。
●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●X(旧Twitter)アカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei

写真=相田克己
協力=日神グループ 平川CC

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