
荒木優奈、単独インタビュー!目標は「3年以内に年間女王になりたい」
ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフをよりよいものにしていくためにさまざまなことを考え、走り続けている。どんなことを考え、どのようにゴルフと向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。
昨年のプロテスト合格者は26名。JLPGA「97期生」となった彼女たちの活躍が続く今シーズン。まだレギュラーツアーでの優勝こそないものの、スコアボードの上位に名を連ねる機会が確実に増えてきている。荒木優奈も「97期生」のひとり。
ナショナルチームでのプレー経験もあり、昨年アマチュアで参戦したレギュラーツアーでの成績はトップ10が2回。その実力はすでに知られる存在だったが、晴れてプロとなった今シーズンは序盤から優勝を争う位置でプレーする。そんな彼女自身の現在と未来について、どのように考えているのか聞いてみた。
※ワッグル2025年8月号掲載の記事になります。
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「開幕からここまでは70点の出来」

●あらき・ゆうな/2005年生まれ、熊本県出身。2024年プロテスト合格。Sky所属。
──まずは初のホステスプロ大会(Sky RKBレディス)お疲れさまでした。
荒木 ありがとうございます。予選落ちだけはしないようにと思ってプレーしました。初日はよいスコアが出ませんでしたが、なんとか予選通過できてよかったです。
──2日目、最終日とナイスラウンドでした。尻上がりに調子が上がっていきましたね。
荒木 だんだんコースに慣れていけた結果なのかな、と思います。
──ホステスプロとしての役目を果たしましたね。今シーズン開幕前に具体的な目標は立てていましたか?
荒木 はい。シード権獲得と初優勝です。
──そのためにオフに取り組んだことは?
荒木 トレーニングを多めにしました。午前中にボールを打ったら、午後はジムや走り込みを。
──体力的にはまだまだ大丈夫?
荒木 そうですね。開幕から春先は、出た試合でガンバってリランキングでの出場権獲得、万がイチ勝てたりしたら出来すぎだよね、くらいな気持ちでいました。私は夏場が調子いいので、そこから上げていこうかなと。
──開幕からの好調でリランキングも上位がほぼ確定しました。ここまで9試合終わりましたが、自己評価は何点くらいですか?
荒木 70点くらいです。アイアンショットはレギュラーツアーでも十分通用していると思っています。あと30点はやっぱりパットですね。もう少し入ってくれたら上位で戦えるのに……。
──パットがネック?
荒木 そうなんです。ショットがいいのでパットがもっと入ってくれたら、65とかビッグスコアが出そうなのに、と思ってしまいます。開幕戦でトップ10に入れたので欲が出たのかもしれません。
──ただ平均パット数を見ると、そこまで悪くはないですよね。
荒木 ショットが好調なので、よりパットがよくないように感じているのかもしれません。
──荒木プロをはじめ、今季は開幕からルーキーたちの活躍が目立ちます。同期の選手とはコミュニケーションはとりますか?
荒木 はい。同級生の(徳永)歩ちゃんとか(入谷)響ちゃん、それと永田加奈恵さんは所属が一緒なのでよく話をします。
──誰が最初にレギュラーツアーで優勝するか意識しますか?
荒木 それはとくにないです。優勝を目標にしてはいますが、少なくとも「女子オープン」「TOTOジャパンクラシック」、それととくに「リコーカップ」、この3つの大会は絶対に出場したいです。
──「リコーカップ」への思いが強いのは?
荒木 やっぱりメジャー大会だし、かぎられた選手しか出られない名誉ある場所ですから。それとじつは高校生のときにボランティアで参加していたんですよ。そのときからプロになったら絶対に出たいなって思っていました。
──トップ選手だけが集う大会ですものね。目標とする選手はいますか?
荒木 鈴木愛さんです。リコーでボランティアしていたときも、愛さんの組につくはずだった友だちにお願いして代わってもらったくらいです。当時は私もパットが得意だったので、愛さんのパットは憧れでした。まだ今シーズンは一緒の組になっていませんが、早く同じ組で回ってみたいです。
「3年以内に年間女王になりたい」

──気分転換はどんなことを?
荒木 キンプリ(King & Prince)が好きで、動画とかを見てリフレッシュしています。それと買い物ですね。いまピアスを集めるのにハマっていて、雑貨屋とかでかわいいのを見つけるとすぐに買っちゃいます。先日、プロアマで商品券をいただいたので、次は少し高価なものを買っちゃおうかなと思ったり(笑)
──ここだけ声のトーンが1段高くなりましたね(笑)。では最後の質問です。将来どんな自分になっていたいですか?
荒木 年間女王です。3年以内に実現したいです。

「優勝」や「年間女王」は、どのゴルファーも目標としているだろう。ルーキーであればなおさら、これから未知のツアーに臨むにあたって、現実的ではなかったとしてもまずは大きめの目標を立てておくかもしれない。それは荒木優奈も例に漏れずだった。だが、彼女は「願望」というより「目的」を話しているように見えた。
「なれたらいいな」ではなく「なろうと思います」という意志を強く感じたのだ。荒木プロの初優勝はすでに秒読み段階に入っている。このインタビューの直後に開催された「ブリヂストンレディス」では、荒木自身初の最終日最終組で、佐久間朱莉プロとマッチプレーのような優勝争いを演じた。惜しくも初優勝は逃したが、そのプレーを見た観客は彼女の名前を胸に深く刻み込んだに違いない。
その翌日、改めて荒木プロに話を聞くことができた。その言葉は1週間前に聞いたものと、ほんの少し変化しているように感じた。同大会は彼女のターニングポイントになったといっていいのかもしれない。
──昨日から1日経ってどんな気持ちですか?
荒木 まだ悔しいですけど、自己ベスト順位でしたし、大きく崩れずやりきれたかなと思います。今までは優勝から遠いところでプレーしていたので、今回の優勝争いで何かのスイッチが入ったような感覚がありました。
──覚醒したような?
荒木 そうですね。これまでも自分のプレーに自信をもっていましたが、それが本物になったような感じです。目標は初優勝ですが、1回だけではなく複数回の優勝を目指そうと思いました。それを達成しないと、ここで負けた悔しさは晴れないです(笑)
文=ひよこきんぎょ
写真=小林司
撮影トーナメント=ワールドレディス サロンパスカップ
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