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95年ぶり「アマチュア優勝」の蝉川泰果!名前の読み方は?“史上6人目の快挙”を紐解く!

ゴルフの歴史には、その転換期となる数々の「名勝負」がある。

それを知らずして現代のゴルフを語ることはできない。そんな「語り継がれるべき名勝負」をアーカイブしていく。

今回は、蝉川泰果の 「2022年日本オープンゴルフ選手権」における名勝負を紹介する。

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史上6人目のアマチュア優勝

男子ツアーでの石川遼のアマチュア優勝は07年(『マンシングウェアオープンKSBカップ』)。1980年の倉本昌弘(『中四国オープン』)以来2度目、27年ぶりの快挙だった。その後、アマ優勝のペースは「数年に一度」になる。

●松山英樹(3度目。4年ぶり) 11年『三井住友VISA太平洋マスターズ』
●金谷拓実(4度目。8年ぶり) 19年『三井住友VISA太平洋マスターズ』
●中島啓太(5度目。2年ぶり) 21年『パナソニックオープン』

女子ツアーも宮里藍のアマ優勝(03年『ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン』)が2度目、30年ぶりだったが、その後は19年『富士通レディース』の古江彩佳が7度目。ほぼ3年に1度のペースになった。こうした動きに、新しいページを書き加える出来事が22年の男子ツアーで起きた。主役は蝉川泰果である。蝉川は01 年1月、兵庫県に生まれた。名前の泰果は「タイガ」と読む。海外でも呼ばれやすいことを意識したという。

その子がオモチャのクラブを持ったのは1歳。しばらくして練習場で熱心にボールを打つようになり、3歳でショートコース、4歳で本コースデビュー。小学校3年生で初めての試合を経験した。小学校時代には天才少年と報じられたが、全国規模の大会での個人優勝が記録されているのは東北福祉大学に入ってからだ。19年『信夫杯争奪日本大学ゴルフ対抗戦』が最初である。21年は『日本アマ』4位タイ、『日本学生』2位。『日本オープン』は56位タイでローアマは獲得できなかった。

それでもアマチュアランク上位で21年末にJGA(日本ゴルフ協会)のナショナルチームに選抜された。目覚ましい活躍が始まったのはその数カ月後である。まずは男子ツアーの『関西オープン』(4月14〜17日)。第2ラウンドで単独トップ(1打差。11アンダー)に立つ。その後73、77とスコアを落として17位タイ(11打差)で終えたが、存在感は示せた。6月にはABEMAツアー(男子下部ツアー)『ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山2022』で優勝した(3ラウンド17アンダー。2打差)。プロを抑えての優勝だった。

それでも、その後のアマの試合では苦杯を味わう。7月『日本アマ』(7月1日終了)は3位に終わった。さらに『世界アマ』(8月31日〜9月3日。フランス)の個人戦では大きなリードで首位に立ちながら、逆転されて2位。大魚を逃している。こうした経験が結実したのが22年『パナソニックオープン』(9月22〜25日)。蝉川は男子ツアー6度目のアマ優勝者になったのだ。第1ラウンドは71。57位タイ。第2ラウンドは4アンダー。通算5アンダーで33位タイまで浮上した。首位とは6打差だった。

そして第3ラウンドで一気にトップへ駆け上がった。インスタートの10番ホールから連続バーディ。15番パー5ではイーグルを奪い、17番もバーディ。インは5アンダー、31で回った。後半も1、4、5番とバーディ。上がり3ホールも連続バーディで30を記録。トータル61 、11アンダーで通算16アンダー。宮本勝昌、大槻智春と並び、首位タイに躍り出ていたのである。最終日は2番から連続バーディのあと、9番はボギー。アウト35と伸ばせなかったが、インでは再びチャージした。10番バーディ。13番からは17番まで5連続バーディ。18番でボギーを打ちながら通算22アンダー。1打差で勝ったのである。レギュラーツアー、下部ツアーの両方でのアマ優勝は史上初。また前年の中島に続く大会2年連続のアマ優勝になった。

約1世紀ぶりの快挙へと続く

快進撃はさらに続いた。 1カ月後の『日本オープン』( 10月20日〜23日。三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)でもアマチュア優勝を成し遂げたのだ。第1ラウンドは64、6アンダー(パー70)。2打差の単独トップに立った。「去年のこの大会(56位タイ)は予選通過を目指したゴルフをしていました。今年は冗談抜きで勝ちに行くゴルフ。コースが難しくても果敢に攻めるという、自分らしさを貫けています」(蝉川)と、プレーぶりと同様に気迫を隠さない。

第2ラウンドはパープレーの70。通算6アンダーのままで、タイながら首位を守った。「前半は逃げたところもあったけど、後半は攻められた」トップに並んだのは比嘉一貴、金谷。ともに東北福祉大OBでアマのナショナルチームの先輩でもある。第3ラウンド。「先輩たちが相手でも負けたくはない。勝負していきたい」という気迫が、ここでもムービングサタデーの爆発を生んだ。前半は1イーグル、4バーディ、2ボギーの31。後半はボギーなしの3バーディで32。 トータル63、7アンダーで通算13アンダー。単独2位の比嘉に6打差の単独トップになった。

「満足せず、明日も8 アンダーくらいを出すつもりでしっかり勝ちきりたい」ベテランプロのようなコメントを残した。最終ラウンド。1番、2番と連続バーディで2位との差は8打に開いた。だが、その後はブレーキがかかった。バーディが続かず、5番はボギー。そして9番パー4ではトリプルボギーを叩いた。パーオンをミスした後の第3打はグリーン左の深いラフから。左足下がりから柔らかく上げて落とす、というアプローチを狙ったがヘッドが球の下をくぐってほとんど飛ばなかった。4打目も同じミス。番手を替えた5打目はヒットできたがピンを5メートルほどオーバーした。6打目のパットが外れ、7打目でカップインしたのである。通算11アンダー。

比嘉がここでバーディを獲ったので一挙に4打縮まった。両者の差は4打で残りは9ホール。大たたきしやすい設定だけに、試合はにわかに緊迫した。バックナインに入ると蝉川は10番から16番まですべてパー。比嘉は2バーディ、1ボギーで差は3打。17番パー3。189ヤードの打ち下ろしで、蝉川は1打目を抑えめに振ったが、奥のラフに飛ばしてしまう。寄せきれずボギーになった。追う比嘉も1打目はラフ。アプローチは1・5メートルを残したが、パーパットはきれいに沈めた。差が2打に縮まった。18番は441ヤード、パー4。ここまでの62人の平均スコアは4・50。バーディ4、パー24。そしてボギー33、ダボ1。半分はボギーだ。蝉川がその半分に入れば、比嘉にはバーディで追いつくチャンスが生まれる。

1打目はともにドライバー。比嘉は右に曲げ、蝉川はフェアウェイを捉えた。この蝉川の優位が2打目で逆転する。比嘉は浅いラフからグリーンを捉えたが、蝉川はグリーンをオーバー。バンカーに入れたのだ。3 打目。蝉川のバンカーショットはグリーンをオーバーしてカラーに止まった。残りは7、8メートルほど。2打でホールアウト=ボギーはほぼ確保、の状態に持ち込んだ。あとは比嘉しだい。長いバーディパットが入ればプレーオフの可能性が膨らむが、パットはカップまで届かなかった。重圧から解放された蝉川はカラーからパットを沈めた。見事なパーセーブで優勝を決めたのである。蝉川はアマとして『日本オープン』に勝った二人目のゴルファーになった。一人目は第1回大会(1927年)の赤星六郎。蝉川は95年という長いブランクを埋めた、歴史的なゴルファーになったのだ。さらに『パナソニックオープン』に続くツアー2勝目も達成。こちらは史上初の快挙である。

成長の秘密は英国人コーチ

数々の記録を作った蝉川だが、ツアー活躍の記録は22年のみ。突然現れて大暴れした、という印象が強い。ターニングポイントは前年末のナショナルチーム入りである。そのヘッドコーチに英国人プロのガレス・ジョーンズ氏が就任したのは15年。アマチームの低迷脱出を目指してだった。そして大成功した。女子では畑岡奈紗が16年『日本女子オープン』をアマで制覇。この大会からアマ選手の大活躍が目立ち始めた。男子も19年あたりから伸び始めた。金谷、中島がツアーのアマ優勝を達成したのはこの後である。チーム入りした蝉川は他の選手と自分を比較して、当初はコンプレックスに襲われた。だがジョーンズ氏とチーム(スイング、メンタル、トレーニングや体のケア、食事などの専門家たち)の指導を受けたことで、急成長した。どんな指導なのか。

ヒントは蝉川のコメントから見つけられる。「ナショナルチームでは全クラブに自信を持って試合に臨める練習をしている。気持ちの部分で打ち負けていない。(単独首位と知っても)絶対に気持ちが昂らないように。ひたすらバーディを取るという目標に向かってプレーしました」(『関西オープン』)

「プロの中で、僕は自分の武器のドライバーを使わないと勝負できない。(OBがあっても)覚悟を決めて、ほとんどのホールでドライバーを打ちました。ガレスコーチから、もっとドライバーで振っていけといわれ続けてきましたから」(『パナソニックオープン』)「思っていなかった好スコアで回れたのは、難しいコースでも果敢に攻めて、自分らしさを貫いた結果」(『日本オープン』)勝敗のどちらでも、スイング技術以外の部分を評価している。そこを意識してプレーしているから、といえるだろう。しっかり練習し、試合では気持ちで戦う。そういう傾向が見て取れる。

コースでは自分の技術は疑わない。大雑把にいうと、そういうことではないか。持ち前の球筋と飛距離で攻め方を組み立て、自分を信じてストロークする。ミスが出るのは欲張ったり怖がったりして、自分らしい振り方ができなくなったからではないか。そこを見ないでコースで自分のスイングを疑い、いじり始めるとよい結果出せなくなる。そういうことを完封できれば、スコアを減らせる可能性が高くなる。そのことは、多くのゴルファーがあらためて認識していいように思える。『日本オープン』の優勝から8日後。蝉川はプロ入りを宣言した。まだ21歳。短期間で大きく成長した蝉川が、どこまで成長するのか、期待は尽きない。

いかがでしたか? これからも蝉川泰果さんの活躍から目が離せないですね!

文=角田陽一 写真=ゲーリー小林

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