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19歳で世界ランク1位に躍り出たタイの女子プロ「ただものではない」

ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの海の向こうのタフガールズ 魅力を毎月、現地からレポートします!

「ただものではない」20歳の躍進劇の行く末は?

アタヤ・ティティクルは、ただモノじゃない。昨年、ルーキーながら2勝をあげ、10月31日に自身初の世界ランキング1位に浮上した。19歳での快挙である。「こんなに早く世界1位になれるとは思わなかった」と本人もびっくり。だが、彼女の周囲はその活躍を〝想定内〟と冷静に受け止めている。元タイのナショナルチームに在籍し、現ティティクルのマネージャーのジャック氏は「アタヤはジュニアのころから才能が飛び抜けていた」という。

同郷の先輩のアリヤ・ジュタヌガーンも「最初に見かけたのは6、7年前。すごい選手になるな、と思っていました」と讃える。しかし、ジュタヌガーンもタイ勢初のメジャー覇者で、23歳当時に世界ランキング1位という偉業を成し遂げている。「でも、その当時の私はいろいろな知識が足りなかったんです。たとえばトレーニングしたほうがいいと周りからアドバイスされても『自分のゴルフを貫いて1位になったんだから、何か変える必要ある?』と反発して、まったくしませんでした」とジュタヌガーン。

ティティクルは明るくて朗らか。昨年のLPGAメディヒール選手権では、打ったボールがグリーンにちょっと埋まることに気づき大笑いしていた

その後、ケガをしたこともあり、フィジカルの重要性を理解し、トレーナーと共に体作りに励むようになった。一方ティティクルは、ジュニアのころから米ツアーの舞台を目指し準備をしてきた。米国版ゴルフダイジェストによると、13歳のときにタイのナショナルチームに招待されたことで、世界各地を転戦し、ゴルフの経験値を積んだ。同時進行で、トレーニングや同チームのコーチと共に世界で戦えるスイングへ修正。

さらに、バイリンガルスクールで英語を学ぶなど、ゴルフの才能あふれるうえに、努力を欠かさなかった。今年は初のメジャー制覇に期待がかかる。「いつか勝てると思いますよ。今年マスターズを制したジョン・ラーム選手が『プレーするときは、絶対に勝つつもりで』といってたので、私もその気持ちで試合に臨みます」とティティクルは気合い十分。今季も目が離せない。

Atthaya Thitikul Thailand アタヤ・ティティクル
●アタヤ・ティティクル/2003年生まれ、タイ出身。昨季は「NW アーカンソー選手権」「J TBCクラシック」で優勝。今季は「ホンダLPGA」で3位、「シェブロン選手権」で4位と大活躍。現在、世界ランク5 位。(5 月1 日現在)

いかがでしたか? 海外のゴルファーの快進撃に注目しましょう!

●みなみ・しずか/東京都出身。 2009 年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「SportsIllustrated」などスポーツ誌に写真を提供。

写真=南しずか
PHOTO&TEXT Shizuka MINAMI

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