• HOME
  • ブログ
  • レッスン
  • スイングを安定させる簡単な秘訣とは…!? 「すりこ木」と「すり鉢」の動きがポイント!

スイングを安定させる簡単な秘訣とは…!? 「すりこ木」と「すり鉢」の動きがポイント!

ゴルフはスポーツのなかでも、とくに意図した動きができないといわれる。その原因が「細胞や脳に関係する」とわかり、自身も素早く100切りを達成した研究結果をレポート。斬新な視点と理論が、レベルアップを目指すゴルファーに新しい上達のヒントをもたらす!

【関連記事】ミスしても寄る!入る!“AI設計”の最新パターを鹿又芳典が解説

「すりこ木」と「すり鉢」が教えてくれること

7番アイアンで150ヤードのフルショットを打つ必要がある状況が訪れたとき、心のなかで「やれやれ」とつぶやいていませんか。もし、そうであったら要注意です。アイアンにかぎらずフルショットでストレスを感じるのは、ヘッドスピードとクリーンヒットが相反するものだからです。メジャーなスイング理論では、スイングは捻転の戻りと、下半身リードによる左足の踏み込み、体重移動によるボディターンが基本であるといわれています。

スポーツ、取り分けゴルフの基本は再現性ですが、フルショットというのはこれら複雑なものを完璧なレベルで行なわなければならないものであり、そういう意味では余裕のある飛距離内で行なうコントロールショットとはまったく別のスイングだともいえるのです。これは大きなストレスとなるので「やれやれ」のため息もつい出てしまうわけです。

多くの場合、練習量でこれを克服しようとしますが、本当に必要なのは、どんな状況でもストレスが少ないスイングシステムを手に入れることなのです。ところで、みなさんはスタンスしたときに、ボールをどのくらいの近さに感じているでしょうか。私はどうかというと、実際の距離はともかく、フェースとボールはズームアップしたかのように目前に感じられて、感覚的にはラケットでボールを打つときとあまり変わりません。

なぜなら、絶対に芯を喰えるシステムをもっているからです。では、そのシステムを説明したいと思います。すり鉢を使ってゴマをするとき、スムーズにすりこ木を回転させるためには、かぶせた左手の平にすりこ木の上端を押し当てて、ここを支点として円を描くようにすりこ木の先端を回転させるとうまくいきます。このとき、意識のほとんどはゴマが潰れるすりこ木の先端にあって、左手はすり鉢との距離を調節する脇役に徹しています。

ゴルフスイングも長いクラブを空中で振り回して、ヘッドをピタリとボールに合わせようとすると難しいことになってしまいますが、ゴマすりと同じで左手を支点としたコンパクトなシステムで考えてやると恐ろしくスイングが簡単になるのです。そもそも、ゴルフスイングは二重振り子のシステムで、インナーカウンターによるブレーキで爆発的なパワーを得るという話は以前しました。

このインナーカウンターでの左手のブロックは、二重振り子の支点、第二のスイングの起点であって、かつゴマすりで左手がすりこ木の高さを調節したときと同じようにスイングにおいても打点の高さの調整を担っています。このときスイングは起点である手首からヘッドまでの2点間でコンパクトに行なわれていて、これはテニスラケットを手首で振り回している状態ともいえるため、背骨で振るのと比べて距離を短く感じることができる。

この2点を意識すれば、加速・打点のコントロールも一緒にできてしまうということでもあります。本連載でもこれまで、ヘッドの安定性を向上するために腰の水平回転を否定したり、ボールが宙に浮いたものと考え芯1点狙いにすることなどいくつかの方策をあげてきましたが、加えて左手の位置のコントロールによってさらに安定性を上げることができるのです。

左手のコントロールで迷わないインパクト

それでは、実際に7番アイアンを使って左手を起点としたショットを行なってみましょう。最初にアドレスでワッグルするなどして、左手で右手をブロックする際の位置(高さ)、タイミングを動的にシミュレーションして確認、イメージトレーニングで記憶します。テークバックをはじめてトップを作ったら、ボールが宙に浮いていると妄想。左手のブロック位置をイメージし、インパクトでのゴールとなるフェース状態を確認します。

右手の背屈を深く保ったまま上半身リードでクラブを振り下ろし、これに左ワキを締めることで鋭くインナーカウンターを当て、その反動で最大の加速度を得られるようにします。ブロックにより一気に加速されたヘッドはトリガーが引かれたように背屈を解き、左手を起点とした二重振り子運動が生じてボールに向かいます。このように左手を照準器のように使うことで、起点の高さ、ひいてはヘッドの高さを自在に調整することができるのです。

1球目をしっかり打つことができたら、2球目はさらにそのもう少し先を狙ってみましょう。これまでのスイング理論では、より強く打とうとすると捻転や下半身の踏み込みをより大きくするなど、スイングのすべての要素をスケールアップする必要があり、これが調節の難しさでもあったのですが、インナーカウンターでは、加速度アップにのみ着目すれば、上半身リードでの腕の振り下ろし速度を上げ、左ワキの引き寄せ強度、タイミングを強くする、というわずかな変更のみでヘッドスピードを容易に上げることができます。

これは下半身、腰の回転などに負うところは少なく、飛距離を求めたからといってスイングを崩すことはありません。トップでボールをよく見たら、鍬でも振り下ろすようにボールの芯を狙って心を無にして左手に託してみてください。

ゴマすりでは、すりこ木の上端を手の平の窪みに当てて支点とし、高さを調整しながらすりこ木の下端をすり鉢の底で円を描くように回転させると安定してグラインドさせることができる。ゴルフも左手ブロックのインナーカウンターという概念で見て、左手をゴマすりと同じように支点とすると、ヘッドコントロールを各段に向上させられることがわかる

文・イラスト=サンドラー博士

●ゴルフ好きの研究者。ゴルフの専門家ではないが、ゴルフ理論は「教える側」という「外側からの視点で組み立てられているから難しい」ということに気づいてからは、「それをどう解決するか」の研究に没頭。出た答えを多くのアマチュアに伝えたく、毎月レポートする。

【あわせて読みたい】

リ ハナも試打した“最新AIパター”って何…?女子ツアーで人気沸騰中!

「天使か」西村優菜、“かわいすぎる”ウェア姿を披露!ファンから称賛の声集まる

「Ai-ONE」パター6モデルを一気試打!鹿又氏のおすすめの1本は…?

関連記事一覧