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プロや上級者が“ハイロフトUT”を使いはじめたワケとは?そのメリットを解説!

もともとロングアイアンのお助けクラブとして注目されたユーティリティ。

しかし、今はミドルアイアンの代わりに「ハイロフトUT」が必要だと鹿又は語る。その利点とは?

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ハイロフトUTとは

ハイロフトUTとは、25度以上のロフト角を持つユーティリティクラブを指します。一般的にユーティリティはロングアイアンの代替として使われますが、ハイロフトUTはショートアイアンの代わりに使用されることも増えており、最近ではプロや上級者の間でも注目されています。

通常のユーティリティとの違い

通常のユーティリティは飛距離を重視し、主に3〜5番アイアンの代替として使われています。これに対して、ハイロフトUTは高い弾道と優れたスピン性能を持ち、ボールをピンポイントで狙いやすく、グリーンに止めやすいという特徴があるのです。フェアウェイやラフからでも安定した球筋が打てるため、精度重視の場面で力を発揮します。

ハイロフトUTが増えている理由

ハイロフトUTが増えている理由には、アイアンよりも打ちやすく、安定した距離感と方向性が得られるからだといえます。また球が上がりやすいため、力のないゴルファーでも楽に高弾道ショットが打てることでしょう。戦略の幅が広がるクラブとしておすすめです。

ハイロフトUTのメリット:長さとソール幅の広さ

ロフトがほぼ同じなのに、なぜUTは球の高さと落下角度が大きくなるのか?そのワケは重心の深さと長さにあります。ウッド型のUTはアイアンよりも重心深度が深くて低い。だから打球が上がりやすい。ちなみにショートウッドになるとさらに重心が深くて低い。もしUTでも打球の高さが足りないなら、ショートウッドを使うのもアリです。

そして、意外と影響するのが長さ。同じロフト帯の6UTと7番アイアンを比較すると、6UTのほうが約1・5インチ(約4センチ)長い。長さがあることでヘッドスピードが上がることも高さ・落下角度が大きくなる要因です。

もうひとつ、UTとアイアンを比較したときに実戦で影響するのがソール幅。UTのソール幅はアイアンの3倍くらい。アイアンでダフったらアウトなときも、UTならソールが滑ってくれてグリーンオンすることがあります。

ピン G430 7I
ロフト角29度

「G430 アイアン」は最近のアイアンのなかではかなり重心が深い部類に入るが、UT ほどの深さではない

ピン G430 6UT
ロフト角30度

クラウン部分に「カーボンラップテクノロジー」を採用した「G430」のUT は低重心化設計でもある

同じくらいのロフト角のアイアンより約1.5インチ長い

同じロフトのアイアンとUTだと、UTのほうが1.25〜1.75インチ長いので、ヘッドスピードが自然に上がる

ソール幅が広いのでダフリなどのミスヒットにも強い

ソール幅の広さは重心の深さだけでなく、ダフりのミスを軽減するのでミスヒットの寛容性を高めてくれる

ハイロフトUTのデメリット

ハイロフトユーティリティは高い弾道が出やすいのが特徴ですが、そのぶん風の影響を受けやすくなります。風の強い日のラウンドでは、状況に応じた番手選びや風を読んだ打ち方が求められることでしょう。

また、球がつかまりやすい構造のため左へのミスが出やすい傾向もあります。普段から引っかけやフックに悩んでいるゴルファーにとっては、思ったよりも扱いづらいと感じるかもしれません。

ハイロフトUTを選ぶ際は、自分のスイングタイプやクセを踏まえて、適切なモデルとシャフトを選ぶことが重要です。

プロからの要望で「顔」が進化した

ハイロフトUTは、顔(形状)がよくなったこともオススメポイントです。ロフトが大きいウッドは、ゴルフクラブのなかで「いい顔」を作るのが難しいカテゴリーで、UTもそうでした。昔の6、7UTは、ロフトが真上を向いて見えたり、フックフェースのモデルが多かったりで、目標に対してスクエアに構えにくかった。それをメーカーは試行錯誤を繰り返し、プロからの要望も反映しながら、本当に構えやすいハイロフトUTを作り出しました。

これは、プロの使用者が増えたことが何よりもの証ですね。ハイロフトUTをセッティングに入れるプロが増え、ほとんどの女子プロは5UTを、6UTを入れる選手も増えました。女子プロのヘッドスピードだと、ロフト30度前後は、アイアンよりもUTのほうがパーオンする確率が高いと思います。

昔のUTはフェースが上を向きすぎたりフックフェースになっていました

「最近のUTはリーディングエッジとフェース面の角度に違和感がなくなったので構えやすくなりました」

6UTを使う女子プロも増加中!

大里桃子
今年の6月に3年振りに復活優勝した大里桃子もロフト30度の6UTを入れて、6番アイアンを抜いている

青木瀬令奈
青木は昨シーズンから、アイアンは8番からにして、ロフト30台を含む3本のUTを駆使して戦っている

いかがでしたか? ハイロフトUTをぜひ使ってみてくださいね。

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール

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