【簡単】パターを吊るすと“傾斜”がわかる!? プロがやり方を詳しく解説

「ラインは正しく読めなかったとしても、迷いながら打つのが一番ダメです!」というのはパター功者の山形陵馬プロ。

そこで今回は、どっちに曲がるか決めきれないことでの悪影響を紹介しつつ、ラインを決断するための読み方とポイントを山形プロに教えていただきます。

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構える前に腹をくくってラインを決める!

パッティングが苦手な人は、ラインを決めきれずに迷ったまま打ってしまうため、結果的にタッチも中途半端になりがちです。大事なのはグリーンをしっかり読んでラインを決め、あとはタッチに集中して打つこと。読みが間違っていたとしてもそれは結果論! まずはフックなのかスライスなのかを決めて、迷いを消して打ちましょう。

ライン読みの大前提は、グリーン全体の高低を読むこと。自分のボールのラインを読む前に、グリーン全体を見てどこが高くどこが低いのかという情報をインプットし、そこを出発点に考えましょう。

まずはグリーンに上がっていく際に景色全体を見る。このとき、排水溝や池など、水が流れていく方向をチェックしておくと低い位置を判断しやすくなります。そして迷ったときは低いほうから見たラインを優先するのがポイントですよ。

下記の手順を参考にしてラインを読んでみましょう。

Check1 グリーンに上がりながら全体を見渡す

歩きながら全体を見て高低差をチェック!

グリーンへは周辺の景色を見ながら花道から上がっていき、グリーン全体の傾斜の傾向をチェック。これがライン読みの土台となる

いちばん高いところと低いところを探そう

グリーンのいちばん高いところといちばん低いところを見つけ、グリーン面全体の傾きを判断しよう

Check2 グリーン周りの水が流れる方向を確認

グリーン周り全体の傾斜を見る際は、水の流れがヒントになる。池や排水溝など、水が流れ込むように設計されている方向がいちばん低くなっているケースが多い

Check3 迷ったときには低いほうからの見え方を優先

カップ側からとボール側からとで見え方が違う場合は、低い側から読んだラインを優先。そのためにも全体の傾斜を読むのは重要だ

「低い側」とは、上りならボール側、下りならカップ側から見たラインのこと

ラインを読む基本の手順はわかったところで、次は、パッティングの名手たちが行っている吊るしたパターを使った“傾斜を読む方法”を教えていただきました。

吊るしたパターを基準に傾斜を見極める

傾斜を予想して合っているか? クラブを垂らして判断!

立ち位置の傾斜で微妙に傾く自分の体と、重力で真っすぐ垂れるパターとのズレを利用してラインを読む方法。「プラムボム」とも言う

僕はライン読みに迷った場合、パターを吊るして傾斜を読む方法も行います。青木功プロや谷口徹プロ、リッキー・ファウラーなど、多くの名手がやっている読み方です。

これは、傾斜によって自然と生じる自分の体の傾きと重力に従って垂直に垂れるパターのズレを利用して、立っている足元の傾斜を判断する方法です。

カップ、ボール、自分の利き目が一直線になるように立ち、パターを垂直に垂らしてシャフトをボールに合わせたときに、シャフトとボールよりもカップが左にあればフックライン、右にあればスライスライン。

シャフトの側面にカップが、予想したラインどおりに見えているかをチェック。下で紹介しているやり方と手順を覚えて、迷ったときはぜひ試してみてください。

手順1 クラブを回してシャフトが地面と垂直になるように持つ

パターを吊って垂直に垂らす。垂らすだけでは垂直にならないパターもあるので、シャフトを回して、パターの重心なりにきちんと垂直に垂れる位置を見つける

手順2 カップ、ボール、利き目を一直線に結ぶ

カップ→ボール→利き目の順で一直線に結ぶようにパターを合わせながら、垂らしたパターを顔の前にもってくる。このラインを基準にする

手順3 フック予想なら右から左へスライドさせてボールに合わせる

事前に傾斜を予想。フック予想ならパターを右から左にスライドさせて、シャフトの左側面をボールの中心に合わせる(スライス予想は逆)

手順4 予想どおりならシャフト左側面よりカップが左に見える

利き目で見たとき、予想どおりフック傾斜だった場合、カップはシャフトの左側から離れて見える。カップがシャフトに重なっていたら、手順3を「スライス予想」からやり直そう

打ち方のPOINT ラインを浅めに読んで直線的な強めのタッチで狙う

曲がるのを減らすことができます!

迷ってしまうラインは、ラインを薄めに読んで強めに打ち、曲がりを消して直線的に狙おう

いかがでしたか? ライン読みに迷った際に、パターを活用して傾斜を判断してみてくださいね。

レッスン=山形陵馬
●やまがた・りょうま/1990年生まれ、山口県出身。182cm、76kg。7歳でゴルフを始め、中国国中学生ゴルフ選手権、高校ゴルフ中国大会などで優勝。08年にプロに転向。石川遼のキャディを務めた経験もある。フリー。

写真=中野義昌
協力=船橋カントリークラブ

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