87歳で1000回の「エイジシュート」達成…!? 伝説ゴルファーの“3つの秘訣”とは?

エイジシュートも夢じゃない! 人気連載、60歳からの再チャレンジ高橋健二のリボーンゴルフ。

今回は、年間ラウンド数334回を達成したエイジシューター、田中菊雄さんとラウンドしたときのことをレポートしました。

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「人生の達人」が目指す千回達成までの道のり

1カ月前にエイジシュート1004回のアマチュアゴルファーと一緒にラウンドした。東京在住の田中菊雄さん・87歳だ。

エイジシュート1千回超はもちろんすごいが、田中さんは、その1千回のエイジシュートを、すべてレギュラーティーから6100ヤード以上のコースで達成している。87歳でレギュラーティーからラウンドしているアマチュアゴルファーは、私が知るかぎり田中さん1人だけだ。

今、日本には千回越えのエイジシューターが7、8人いる。私が取材している人が5名、噂で伝わってくる人が2、3名。この7、8名中、田中さん以外の人は全員、地方住まいだ。

地方ではゴルフ場が集客を目的に「シニア・レディースコンペ」を開いている。その場合、70歳以上はシニアティーからのラウンドになり、そこに参加する以上、「自分だけレギュラーティーからしたい」とは言えない。かくて地方のエイジシューターは大半がシニアティーからのラウンドになる。

だからといって、価値がないとは、私はまったく考えない。80歳をすぎても18ホールを回る、そのこと自体に一番の価値がある。

エイジシュートは、ゴルフの達人であれば誰でも出せるものではない。第1に、健康で自己管理のできる「健康の達人」でないといけない。第2に、エイジシュートを出すには結構金がかかるので、若いころ一生懸命仕事をした「仕事の達人」でもないといけない。第3に、ゴルフ友達や家族の支えも必要なので「生活の達人」であることも必須条件だ。

つまりエイジシューターは、それらを全部満たした「人生の達人」にして初めて到達可能な記録なのである。それはシニアティーから回る人でも等しく評価されるべきだろう。

ただし、田中さんには、世のゴルファーがとうてい到達できない記録がもうひとつある。年間ラウンド数334回という記録だ。

「誕生日が3月3日なので、87歳の誕生日までに千回を達成したいと考え、だったら年間のラウンド数にも挑戦してやろうと、85歳で317ラウンド、86歳の年に334ラウンドしました。それでも誕生日に20日ほど遅れたのが、かえすがえすも残念(笑)」

334ラウンドを12カ月で割ると27.8。ということは、1カ月間に28ラウンドした計算になる。休みは月にたった2日!「雪や台風のときは、前日に予約を取り直しましたよ(笑)」

この挑戦欲、この執念、おそらく日本中のゴルファーの誰もマネできないだろう。「エイジシュートを目標にしたら、どんどん挑戦欲が強くなり、すべての面で人生を前向きに考えるようになりました」

59歳で大腸がんを、80歳のときには前立腺がんの手術をしているという田中さんは、ゴルフは最高の健康法ですよ、と笑い飛ばす。シニアゴルファー全員にエイジシュートを目指してほしい所以でもある。

高橋健二
●たかはし・けんじ/1948年生まれ。ゴルフライターとしてレッスンやクラブ情報などを執筆。HC8。

イラスト=丸口洋平

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