林の中からの脱出法をレッスン!一振りで切り抜けられるコツとは?

アマチュアが大叩きしてしまうときに多いのは、大トラブルからスムーズに脱出できずに何打もかかってしまうケース。大ピンチの状況を1発で切り抜けるテクニックを身につけよう!

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1番手上げてしっかり振り抜く

オーバー覚悟で必ず上まで脱出!

大叩きする代表的な状況のひとつが、谷底にボールを落としてしまったとき。そこからの脱出に失敗しがちなのは、ピン位置が見えない、上の状況も把握しにくいため出す方向や距離感がつかみにくいからです。さらに、大きく打ち上げなくてはいけない難しさもあります。谷底に落としてしまったら、無理にグリーンを狙わずフェアウェイに脱出することを最優先しましょう。

欲張ってミスしてもう1度下から打つのが、大叩きの典型例です。ボールのところまで下りてライを確認したら、面倒でも1度上まで登って、どの方向に何ヤード打つかをきちんと決めましょう。谷底からの脱出では、悪いライから打ち上げる状況が多いので、ゆるむミスが一番のNG。

打ち上げのぶんイメージよりも1番手上げつつ、球の高さを出せるように上体を右に傾けて構えてください。これでロフトを増やし飛びすぎない構えを作っておき、ゆるめずに振り抜くのがナイスアウトのコツです。

「飛ばない構え」でゆるめず振り抜く

大振りはゆるみの原因。球が上がる構えなら飛びすぎる心配は少ないので、コンパクトなトップからインパクトの先までゆるめずにシャープに振り抜くのが脱出の秘けつ

1番手上げて右に傾いた構え

SWよりもAWなど、打ち上げのぶん番手を上げたい。上体を右に傾けて高さの出せる構えを作ろう1番手上げてしっかり振り抜く

ヘッドアップに注意して少しインサイド・アウト

インサイド・アウトの軌道を意識すると球が上がりやすくなる。ただし、ヘッドアップはダフリの原因になるのでインパクトまで顔を上げない

Check! 必ず一度上がって打つ方向と距離を確認

ボールのライを確認したあと、必ず1度傾斜の上まで戻って、ボール位置と狙う方向、距離を視認してから打つことが大事

奥でも仕方ないか手前でもOKかで番手を決める

手前のラフが深いならFWやUTでしっかり打つ(写真右)。突き抜けが怖いならミドルアイアンで飛びすぎないように打つ(写真左)

林の中から脱出する場合は、番手選択が非常に重要です。まずは、枝に当てずに打ち出せる高さの判断。打ち出し角とボールと枝までの距離をよく見て、絶対に枝に当たらない番手を選ぶことが最優先です。次に打つ距離。林を出るまでに距離が必要だったり、手前が深いラフでそこを越す必要がある。

なおかつ、反対側のフェアウェイの先まで行っても安全なら、FWやUTで強い球を打つ。突き抜けた先にまた深い林やハザードなどのリスクがある場合奥でも仕方ないか手前でもOKかで番手を決めるは、手前のラフでも仕方がないので、7番や8番アイアンで飛びすぎないように打つ。手前と奥のどちらにもリスクがある場合は、PWなどで確実に出せる方向を見つけて、安全第一でプレーしましょう。

打ち方は全部同じ番手を変えて打ち分ける

「打ち出し角」でできることは決まる

ウエッジ、アイアン、ウッドの選択肢から、打ち出し角を考慮して、枝に絶対当てない番手を持つことが最優先

ボール真ん中で真っすぐ立つ

ボール位置は真ん中が安全。高さを抑えるために右に置くくらいなら、番手アップが◎

体重移動をせず、左右均等な振り幅で、落としどころを意識してアプローチのようにコンパクトにスイングしよう

不安定な足元でも当てられる構えを作ろう

ボールがフェアウェイバンカーの縁に止まった状況もトラブルです。バンカーの左縁ならほぼ問題ありませんが、先や手前は普段どおりの構えがとれない場合があるし、右縁に止まったボールはスタンスがバンカー内になってしまいます。この3つの状況は、トラブルショットだと思い、脱出を最優先させてください。

グリーンに乗せたいと欲張ると、大ダフリをしてしまい次打に長い距離を残すことにもなりがちです。3つの状況とも、ボールをミートしやすい構えを作り、そこから飛ばそうとせずに「手打ち」でいいのでしっかりヒットすることが肝心。ミドルからショートアイアンで100ヤード前後をしっかり打ち、次の3打目勝負に賭けましょう。

手前線 右足を引いて立って手首をやわらかく使う

体全体が左足の上にあるような構え。右足が邪魔になるので、右足を引いて左足1本で立とう。体重移動はせず、手首を使ってスイングする

体重移動はダフリの原因(×写真)。左足体重のまま手首を使ってスイングし、ボールの先にヘッドが届くようにフォローを低く出そう

右縁 クラブを短く持ってスタンスを狭めて立つ

ボール位置が高いので、クラブを短く持つことが大事。スタンスを狭く、重心を高くして構え、スイングは手首を使ってコンパクトに振る

首の付け根に支点をイメージしてコンパクトにスイング。大きな体重移動はダフリの元凶(×写真)なのでNG

先縁 右足体重で立って高めの球で脱出

フォローは意識せずヘッドをボールにぶつけるように振るイメージ。ロフトがつくぶん高めの球が出るので番手を上げてもOK

ボール位置が右にならざるを得ないので、右足体重で構え、そのままスイング。首の付け根がボールの真上にある状態を維持して振ろう

枝と土手の間を通そうとするから大きなミスをする

ショットが曲がってカート道の脇などにボールが止まっている場合は大ピンチ。打ち上げの度合いは大きくなくても、木が邪魔で高さが出せないケースが多いので、高さと距離のコントロールが難しい場面です。土手を越え、かつ枝に当てない高さでフェアウェイまで出すのは難易度が高いので、枝が邪魔な場合は土手にワンクッションさせて転がし上げるイメージが安全です。

ウエッジではなく7番や8番くらいのアイアンで強い球を打ち、土手でボールの勢いを殺しながらフェアウェイまで出します。ファーストバウンドが土手に当たらないと飛びすぎて突き抜けてしまうので、必ず土手に当てる勇気をもって長めのクラブで打つことが重要です。

ミドルアイアンで土手にぶつけるほうが安全に出せる

左足体重のままアプローチ感覚でしっかりヒット

ランニングアプローチのように、ボールを少し右に置き、体重移動をせずにコンパクトにスイング。低く強い球をイメージして、ファーストバウンドを必ず土手の中腹に当てよう

大トラブルはピンやグリーンを狙わない作戦も必要

大トラブルでは、ミスを1方向に限定することが肝心。とくに手前と奥のどちらもミスが許されない状況では、距離が短かくてもピンやグリーンを狙わず、次打を安全に打てる場所に出す割り切ったジャッジが大叩きを防ぐコツ

いかがでしたか? ピンチから逆転に繋がる打球テクニックを参考にしてください!

レッスン=安岡幸紀
●やすおか・ゆきのり/ 1988年生まれ、高知県出身。高知高校ゴルフ部で活躍。卒業後、指導者の道に進み、日本プロゴルフ協会のティーチングプロA級を取得。東京都の赤坂でアマチュアレッスンを行なっている。CHEERS GOLF代表。

構成=鈴木康介 
写真=田中宏幸 
協力=サザンヤードカントリークラブ

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