「練習は極端にやれ」その理由をシニアゴルファーが解説

「エイジシュート」を達成したいゴルファー必見。

この記事ではスキルアップについてのコラムをご紹介します!

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スキルアップは極端にやってみる

渋野日向子プロのスイング改造が注目されている。昨シーズンまでの“世界一きれいなスイング”を、トップの位置が極端に低いスイングに変えてしまった。どんな意図があって改造したのか、評論家はさまざまに論評しているが、プロは結果がすべて。内心忸怩たる思いで苦慮しているのは、ほかの誰よりシブコ自身だろうから、ファンとしては、ここは黙って見守るしかない。

シブコほどでなくても、スイング改造を試みるアマチュアは少なくない。もっとも多いのが練習場での“開眼”だ。友人のひとりは「俺は100回ぐらい開眼した」と自慢するが、こういうタイプはダメ。この手の開眼は単なる思いつきだから技術的な裏付けがなく、長続きしない。だから100回も開眼しているのだ(笑)。コンペ前日に開眼すると、翌日のコンペでメロメロになるケースは多くのアマチュアが経験済みだろう。なぜおかしくなるのか?

前日、練習場で「トップで左肩はここまで回せばいいんだ」と開眼したとしよう。すると翌日のコンペでは、左肩の位置にのみ意識がいって、それ以上にスイングで大事なリズムや全体のバランスが崩れてしまうのだ。コンペ前日は練習するな、というアマチュア向けの格言は、そういう意味で理にかなっている。

ところで私の問題だ。この冬、私は「低く出てピピッと止まる」アプローチの習得に時間を費やした。週イチの練習場ではだいたい300球打つが、うち200球はスピンをかけて止める練習に当てた。結果、練習場では10球打って7球は止まる球が打てるようになった。さあ、こうなると早くコースでもやってみたいと思うのがアマチュアの悲しいサガだ。が、結果は1〜3月に13ラウンドして平均スコアが88.69と、目も当てられない成績になった。

せっかく止めるアプローチを習得したのだから使わなきゃソンとばかりに、ふつうに寄せればいい場面でもスピンをかけて止めようとしたからだ。これでゴルフ仲間の喜ぶこと。「おや、珍しい」「あらら、エイジシューターが初心者みたいなトップチョロ?」と揶揄しまくる。それでカーッとなって、またチョロ(笑)。

すると先日、金井精一プロが動画でアプローチをやっていた。「アプローチの基本は転がしですよ、ランニングアプローチね」

やはりそうか。金井プロの動画を見ながらもう一度、基本的なアプローチの打ち方をおさらいする。そしてラウンド。結果は40・38の78。しかも、基本をおさらいしたら、止めるアプローチも思いどおりにスピンがかかってうまくいった。結局は基本。

それともうひとつ、「スキルアップの練習は極端にやれ」ともいえる。極端にスピンのかかる打ち方を練習したから、基本的な打ち方に、ほんのちょっとフェースを開いただけでスピンがかかるようになったと考えられる。73歳の進化はまだまだ止まりませんよ。

高橋健二
●たかはし・けんじ/1948年生まれ。ゴルフライターとしてレッスンやクラブ情報などを執筆。 HC8。

イラスト=丸口洋平

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