「脱・3パット!」プロが教えるパターの極意&練習法

ベストスコア更新のためには、パット数も減らしたい。目標は全ホール3パットなしの1ラウンド・36パット以下!

これを達成するために、本番でナイスパットを打ち続ける秘けつを小泉正樹プロにレッスンしてもらいました。

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ライン読みもストロークも「アバウト」をやってみて! 

こうと決めて打つはずが、無意識に調整してしまい失敗したパターンの例。これは、慎重、丁寧に得た情報過多が原因であることが多い

調子が悪いときや大事な1打になるほど、慎重になるのは当たり前だと思っていました。しかし、費やした時間なりの成果が出ない。それを僕の師匠に相談すると「もっといい意味で適当にやったら」とアドバイスされ、このひと言が金言になりました。今では、慎重すぎるのは、「こんなに丁寧にやったのに」という失敗したときの言い訳を作っているだけ、と思っています。

人は誰でも感性をもっています。個人差はありますが、ボールを前に投げようとしてうしろに投げてしまう人はいませんよね。むしろ、パットでは「慎重に」がいい感性を邪魔して消してしまうことが多い。

たとえば、上りだと決めたのにインパクトを加減してしまう、フックラインと読んだのに左に打ち出してしまう。ストロークもゆっくり素振りをしたのに、本番で速くなってしまう。これらは情報をたくさん得たことで迷いが生じたためで、「もしかしたら」という不安が決めたはずの行動とは真逆のことを無意識に行なう原因になってしまうのです。

いいアバウトは「打つまでのスピードアップ」がオススメ!

「時間をかけすぎない、というのが得策です」と小泉。自身も決まったルーティンしか行なわないようにしている。

初見でのジャッジのほうが当たっていることが多く、迷うときほどファーストインプレッションを大事にする。18ホールとおして、オールアバウトでもいいくらい。「アバウト」で打ったほうが結果がよかったというのを僕自身たくさん経験しているので、みなさんもぜひ試してみてください。 

ちなみに小泉の打つまでのルーティンは「①ボール後方から」と「②ラインの中間とカップ手前を見る」のふたつだけ。

アバウトなライン読みは〝浅く読みがち〞だがコレがいい!

アバウトなライン読みは、曲がるラインを浅く読む。「慎重に読むほどラインを膨らませ、それをカップの入り口を広く使える〝プロライン〞で入れる、ともいいますが、浅く読んで曲がりすぎて止まったボールの返しのパットは、楽に打てる上りのラインが残る。アバウトなパットは1発で入れることより、寄せて楽々2パットで上がることも、ムダな1打を増やさない極意になります」

タイプの違うパターは矯正、習得のための練習器具

ネオマレ型の人はブレード型。ブレード型の人はネオマレ型で練習しましょう!

僕は、試合では大型ヘッドのネオマレ(ネオマレット)型を使用していますが、練習ではブレード型を使っています。以前は「本番はブレード型、練習はネオマレ型」と、逆だった時期もありました。その意図は、ヘッド特性の違いがストロークを矯正してくれるから。プロでも無意識に悪いクセが出てしまい、ストロークが乱れるときがある。これをチェック、修正できるのがタイプの違うヘッドのパターで、練習用のパターは練習器具だと思っています。アマチュアの場合、元からヘッド特性を活かせていない人も多いように感じます。本番とは真逆の特性をもったパターで打つ練習は超オススメ。僕もコレで上達しました!

ブレード型での練習は自然な「円弧」と「ダウン&アッパーブロー」をマスターできる

本番:ネオマレット型(左)練習:ブレード型(右)

方向性がいいはずのネオマレ型を使っているのに、インパクトでボールを押し出したり引っかけてしまう人は、軌道の悪さが原因です。とくに多いのは、ヘッドを真っすぐ振る意識が強い人。ネオマレ型であってもストロークは、円弧を描くイン・トゥ・インが正しい軌道になります。ブレード型のパターは、操作性がよくフィーリングが出しやすい長所に加え、多くのモデルは重心の位置から自然なイン・トゥ・イン軌道を描くように振れる。軌道を正すには、フェースを軽く開閉するイメージをもってストロークするのがポイントです

ストローク中、ソールは地面から“浮く”のが正解

ソールが浮かないと軸がブレてしまう!

「ネオマレ型はソールが広いからか、地面から離れないように振ろうとする人がいますが、これも×」と小泉。軸と支点を固定して振るのが正しいストロークになるが、ソールを浮かさないように振ると、軸や手元が左右にブレてしまう(×)。「スタンス幅内の小さなストロークでも、バックスイングやインパクト後にヘッドの軌道はダウン&アッパーブローになるためソールは浮きます。これはブレード型で“フェースの軽い開閉”を行なうと、ソールがきちんと浮くようになりますよ」(小泉)

ブレード型で、自然な円弧を描くストロークをマスターする。フェースをバックスイングでは開き、フォローに向かって閉じていく「軽い開閉」をイメージするとイン・トゥ・インの正しい軌道で振れる

ネオマレット型での練習はデカヘッドをフル活用!正しいアライメントと「芯で打つ!」が意識しやすい!

パターは芯で打つことがもっとも大事! ネオマレ型の大きなヘッドは芯を意識しやすく、その芯をボールに当てる意識をもって練習するとパットが飛躍的に上達する

本番は、感性を活かしやすいブレード型を使う、または寛容性が高いネオマレ型を使う。このどちらでも、僕はネオマレ型での練習は生涯続けると思います。なぜならば、ヘッドの大きなネオマレ型は、芯をイメージしやすいからです。パットは芯で打つことが一番重要で、方向性も転がりのよさも芯で打つことにつきます。
それ以外にも、ヘッドが大きいとアライメントをチェックしやすい。ストロークの面では、ブレード型と逆でイン・トゥ・イン軌道やフェースの開閉がきつすぎるのを矯正できるところがネオマレ型のメリットです。ブレード型を使用していて方向性が悪い、または使っているうちに悪くなってきたと感じている人は、ネオマレ型での練習で修正しましょう。

直線に近い軌道で振れる!
ヒッカケやすい! フックラインが苦手!

ネオマレ型を振ると、円弧やフェースの開閉がきつすぎる(×)のを修正できる。ネオマレ型を極端なストレート軌道で振るのも矯正としてはいいが、「クラブが動きたい方向に逆らわず“クラブに振られる感覚”があるのがいいスイングといわれますよね。パターも慣性モーメントが大きいネオマレ型だと”パターに振られる感覚”が得やすい。この感覚がつかめると、体のムダな動きがなくなりますよ」と小泉

いかがでしたか? 早速実践してベストスコア更新を目指しましょう!

レッスン=小泉正樹

●こいずみ・まさき/1995年生まれ、千葉県出身。千葉県ジュニアや千葉県アマのタイトルを獲得し、17年プロ入り。苦手だったパターを克服し、昨年はQTファイナルまで進出。今季はABEMAツアーを主戦場にレギュラーツアー2試合にも出場。フリー。

写真=相田克己
協力=日神グループ 平川CC

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