スライス・フックを直さないで上達する方法!目澤コーチが解説

ゴルフにおいて、左右に曲がるスライスやフックは直さないで、あえて「活かす」ことが上達の近道です。

そこで、狙ったところに自在に打てる「スコアがよくなるスライス・フック」をマスターする方法を、目澤秀憲コーチがレッスンします。

まず最初に、真っすぐ打たなくていい理由を説明していきます。

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真っすぐ打たなくていい理由とは?

上級者でも200ヤード打てば20ヤードは曲がる

真っすぐ飛ぶ球の習得は時間や労力がかかるのも難点。ヘッドが外(アウト)から入るクセを直すには、クセとは真逆の大袈裟にインから入れる練習をしないと直らない

プロでも持ち球を「ストレート」と答える人はほぼいません。フェードかドロー、左右どちらかに曲がる球を打っています。その曲がり幅は、スコア80前後の上級者でも飛距離の10%、200ヤードのショットなら20ヤードは曲がる球が出ますが、それでも70台のスコアは出せるのです!

曲がる球のほうが攻めやすい状況は多々ある!

トーナメントの解説者が「この選手は攻めやすいホールですね」「彼の持ち球ならピンにつけやすいでしょう」という解説をよく耳にしませんか? スライス、フックは武器にもなり、コースでは真っすぐ打つよりも曲げたほうがいい状況は多々あります!

スライスとフックのメリットを理解すると武器にできる

スライスのメリット「弾道と方向安定性の高さ」

スライスは高弾道、ハイスピンボールになるためグリーンに止まりやすい。飛びすぎることもないのでタテ距離も合わせやすく、フェースターンを抑えたスイングはライン出しにもつながり方向性が上がる。右に曲がる球なので、左サイドの危険なエリアが怖くないのも長所

スライスの長所
●止まる球が打てる(スピン増・弾道が高い)
●フェースターンが抑えられる(ライン出し)
●左サイドが怖くない

フックのメリット「強い球で飛ばせる」

フックの特性は飛ぶこと。インパクトがぶ厚くなり強い球が打てるので、飛距離が伸びることはもちろん風に流されにくい。フェースをうまく返せないミスはすでに解決済み。ボールをきちんとつかまえて打てる。左に曲がっていくので、右サイドにあるハザードを心配する必要がない

フックの長所
●飛ぶ球が打てる(スピン減・ランが伸びる)
●フェースが大きくターンする(球がつかまる)
●右サイドが怖くない

曲がり幅を抑えればより安心!

スライス・フックを活かすとは、その特性を理解してコースを上手に攻略することです。

ただし、曲がりすぎはよくありません。そこで曲がり幅を抑えるレッスンを次から紹介します。

持ち球をコントロールするのはイージーです。

なぜならば、多くのアマチュアの持ち球は練習をして身につけたものではなく、先天的にそうなったもの。

持ち球の長所を引き出すスイングは自然にできているので、そこに矯正を少し入れるだけで曲がり幅を簡単に減らせます。

スライスとフックを鍛えるドリル

スライスを鍛えるには「左手1本打ち」がオススメ

左手掌屈をキープしながら体をきちんと回して振るとフック打ちの要素が入ってくるので、スライサーが大きく右に曲げてしまう悪いクセを抑えることができる

スライスのスイングは、ダウンブロー、アウトサイド・イン軌道、オープンフェースになる傾向がありますが、これらが極端になると大きく右に曲がってしまうので“なりすぎ”を防ぎましょう。

ダウンブロー、カット軌道、フェースの開きすぎに注意

なりすぎの原因は、右手が悪さをしているケースが非常に多いので、左手を使ってバランスを整えます。片手打ちは効果の高いドリル。スライスを鍛えるのも「左手1本打ち」がオススメです。

コンパクトな振り幅で、左手を掌屈させたままスイングする。すると、ダウンスイングの軌道はインから、フェースはシャットになるため、だめスライスになる原因が抑えられます。

手元が止まるのもNGなので、クラブが体の正面にある状態をキープしながら体を回し続けるボディターンで打ってください。

フックを練習するには「右手1本打ち」が効果的

スライスを鍛える左手1本打ちとの違いはヘッドの高さ。右手背屈をキープすることでヘッドが高い位置へと上がる。フォローでもヘッドを高い位置へ振っていく。

大きく曲がりすぎる、だめフックになってしまう原因は右の3つ。これらの動きを抑えるには、スライスとは反対の「右手1本」で打つ練習、または素振りが効果的です。右手1本でクラブを持つとき、グリップは手を少し上からかぶせるように握ってください。手元はややハンドファースト。右手を軽く背屈させた形で構えます。

アッパーブロー、インサイド・アウト軌道、フェースの閉じすぎに注意

スイングは左手1本と同様にコンパクトでいいので、ダウンスイングは右手を上から下ろしてください。すると、フェースを大きく返さずに振れます。インパクトゾーンをすぎたらクラブを左(背中側)に振ると、インサイド・アウトになりすぎる軌道も直ります。

両手でグリップしたときも、この右手1本打ちの動きを消さずにスイングすると、フックが強くなりすぎる要素を抑えられるので、左への曲がり幅が小さくなります。

スライスとフックを使うのにベストなタイミング

スライスの攻めどき!「左が危険、右が安全」

フックして左の林に入ると厄介な状況。林の右側に真っすぐ打つつもりで飛ばし、持ち球なりにスライスすればフェアウェイをとらえられる

スライスは右に曲がるため、ボールは左サイドから遠ざかっていく。左は危険、右は安全なホールや状況は飛ばすつもりで思いきり攻めていこう。「アドレスは左に向けたらあとは普段どおりにスイング。強振して飛ばして、きっちりスライスを打ってください」(目澤)。

スライスの攻めどき!「ピンが右サイド手前」

グリーンを狙うショットは、ピンポジを必ずチェック。スライサーはピンが右に振ってあったらチャンス到来。グリーンセンターを狙って持ち球どおりに曲がればピンに近づき、曲がりが少なかったとしてもグリーンには乗る。また、エッジからピンまでの距離が短い「ピンが手前」も攻めどき。「高く上がってスピンも効く」スライスは、ピンに突っ込んでいってもピンそばで止まってくれる。

フックの攻めどき!「右が危険、左が安全」

右サイドのバンカーや丘を越えてしまう方向には打ちたくない。これらの危険エリアとは反対方向の左に飛ばしたい状況は、フッカーの攻めどき!

フックの攻めどき!「ピンが左サイド左奥」

フッカーは「ピンが左」が攻めどき。狙いはグリーンセンター。ショートしても花道、フックがかかればピンに近づいていく。また、ピンが左奥だったら大チャンス! グリーン奥はこぼれると寄せにくくなりがちなので、奥ピンはキャリーで狙うのは危険。フックは止まりにくくランが多く出るので、グリーン上の手前側に安全にキャリーさせても左奥のピンまで転がっていく。

「逆球に注意!」もスライス・フックを鍛えれば出ない!

逆球が出るときの例。ヘッドが大きく外から開いて入りすぎたときに「これではスライスする!」と感じると急激にヘッドを返してしまい逆球が出るので、この“なりすぎ”を防ぐことが解決策になる

攻めるマネジメントは、持ち球と反対方向に曲がる「逆球」がNG。絶対に打ちたくないが、逆球の防ぎ方を目澤は「逆球は前述した“〇〇になりすぎ”を嫌がると出てしまいます。ですから、なりすぎを防ぐ“持ち球を鍛える”レッスンは、逆球を出さない秘けつにもなります」。

いかがでしたか? この記事を参考にスライスやフックを練習してスコアアップを目指しましょう。

レッスン=目澤秀憲
●めざわ・ひでのり/1991年生まれ、埼玉県出身。5歳からゴルフをはじめ、ツアープロを目指すが、コーチングに魅力を感じ24歳から指導者の道に進む。男女ツアーのトッププロのコーチを務め、日本人初のマスターズ制覇や今季は河本力のツアー初優勝にも貢献。

写真=田中宏幸
協力=キングフィールズゴルフクラブ

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