アメリカのゴルフショップの売れ筋商品は？「日本で買った方が安い…」
世界の大手ゴルフメーカーの本社が集まるカリフォルニア州。そのお膝元にある最大手スポーツ用品店のゴルフ売り場に突撃！
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カリフォルニア州南部の中心地、カールスバッドにはテーラーメイド。キャロウェイ。コブラゴルフなどのゴルフメーカーが本社を置いている。年明けにはテーラーメイドからステルス2、キャロウェイからパラダイムといったニューモデルが発表され、1月にフロリダ州オーランドで開催された世界最大のゴルフ用品展示会「PGAショー」でも注目を集めていた。
米ツアーではすでに1月の開幕戦からニューモデルを使用した選手が多くみられた。これらの新商品はアメリカでもまだ発売前だったが、ふと「アメリカのゴルフショップではどんなふうに売られているのか」が気になり、カールスバッドの最寄りにあるゴルフショップを訪ねてみた。
荒天は好天！？ 恵みの雨
昨年12月から年明けにかけて、カリフォルニア州はエリアによっては死者が出るほどの大雨に見舞われた。ロサンゼルスやサンディエゴといった日本でも馴染みのある地域でも雨が続き、例年の2、3倍の降雨量があったといわれ、降雨のためクローズになったゴルフ場さえあった。
幸い、1月第3週にサンディエゴで開催された男子ツアーの「ファーマーズインシュランスオープン」は晴天に恵まれたものの、大会直前まで降り続いた雨のため、今年のラフは例年以上に長く、選手たちを苦しめた。
この試合の取材の合間に立ち寄ったのが、大手スポーツ用品販売チェーン店「ディックス・スポーティンググッズ」のオーシャンサイド店。店員のアンドレスさんに、今年の雨の影響を聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
「サンディエゴ地域も昨年末から1月上旬まで、毎日のように雨が降りましたが、店頭でのゴルフ用品の売上は例年よりよかったんですよ。降り続く雨のためにゴルフに出かけられなかったゴルファーやその家族連れが、ゴルフ用品コーナーに立ち寄ってくれました。新製品の発表後で、旧モデルのディスカウント時期とも相まって、ゴルフ用品の売上は好調でした」
雨でゴルフができず、悶々としながら家で過ごしたゴルファーたちが、ガマンできずにゴルフ用品だけでも覗きにいったら衝動買いしてしまった！ なんていうこともあったそうだ。そんな情報を得てから売り場を覗いてみると、さっそく気になるコーナーが。
あのスコッティ・キャメロン（パター）もカールスバッドが本拠地。ところが、キャメロンが見当たらない。それはなぜかをアンドレスさんに尋ねると、「もちろんスコッティ・キャメロンのパターも入荷します。でも仕入れるとあっという間に売り切れてしまうのです。なので、今は売り切れ状態ですね」
タイミングが合えば、限定モデルにお目にかかれるそうだ。さて、取材当日はステルス2発売日の4週間も前（1月下旬）。さすがに店頭にはまだなかったが、その話になるとアンドレスさんがいったんバックヤードに戻り、2本のクラブを持ってきた。
「じつは、すでに在庫は搬入されています」とステルス2、そしてパラダイムのドライバーを見せてくれた。その目や話ぶりは自慢げ、誇らしげで、アンドレスさんも相当なゴルフ好きだと見た！
旧モデルとなるクラブは、ディスカウントがはじまっていて、モデルによっては半額近く値下がりしているモデルもあるが、やはり人気はニューモデル。事前予約はどちらも好調だという。近ごろの円安やインフレによって、日本では”外ブラ”の値段が上がりつつあるが、アメリカの店頭価格と日本で販売されている価格とを見比べるのもおもしろかった。
売ってはいないが品物はあった！
まだ発売前だが入荷はしているパラダイムとステルス2のドライバーを、ドヤ顔で見せてくれた店員のアンドレスさん。
スコッティ・キャメロンSOLD OUT！
本社はすぐそこでも、パターコーナーにスコッティ・キャメロンは1本もなし！ 取材日は売り切れだったが、入荷したら基本的には特別なケージに入れて展示するそうだ。
セール品でも日本で買ったほうが安い？
セール品となっているクラブの価格を日米で比較（切りよく1ドル＝130円で計算）してみた。ステルスのドライバーは約480ドルで日本円にすると6万2400円。日本での価格をネットで調べてみると5万円を切っていて、円安だとしてもアメリカのほうが高い。ほかのセール品もほとんどが日本よりも高値だった。
日本メーカーはボールが人気！
ダンロップ、ミズノなど日本のメーカーのギアも陳列されていたが、ブリヂストンのボールは海外大手メーカーのボールと同じスペースを使って大きくディスプレイされていた。人気の理由はアンドレスさんいわく「やはりタイガー・ウッズの使用球ですからね」とのこと。
いかがでしたか？
フォトグラファー田辺安哲（通称JJ）
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行っている。
取材・写真＝田辺安啓
TEXT & PHOTO Tasuhiro JJ TANABE
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