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スコアアップのために絶対押さえたい“8つのポイント”!メジャーチャンプのコーチが解説

今回は、新連載「目澤メソッド」です。スコアに悩む方は、ぜひ目澤メソッドのスコアアップ法をしっかりと学んでみることをおすすめします。

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ツアープロの信頼を集めるゴルフコーチ・目澤秀憲がアマチュアのためにスコアアップ法を伝授する新連載がスタート!

うまくなりたいゴルファーは必見です!

松山英樹プロが2021年のマスターズを制して以来、「目澤コーチはなにを教えたの?」という質問を各方面からいただきます。具体的なことは言えませんが、松山プロとはとにかくたくさん話をしました。
ひとりのプレーヤーをフルにサポートするのは初めての経験でしたし、そもそも双方の理想や考え方は違って当然。折り合いをつけるために、たとえば測定器を取り入れてデータ分析を試み、その数値をもとに改善に向けてアイデアを出し合いました。

それが結果をもたらした一助にはなったと思います。もちろん、パフォーマンスに昇華できる松山プロの力があってこそですが。勝因として間違いなく言えるのは、ティーショットが安定していたこととパットを含むショートゲームが素晴らしかったこと。もっとも、これはマスターズに限ったことではなく、松山プロに限った話でもありません。2つのスタッツが高い次元で噛み合えば、どの選手でも優勝に絡めるでしょう。

実はこれ、アマチュアゴルファーのみなさんにもあてはまります。ティーショットのOBやワンペナがなくなり、グリーンまわりから3打で上がれるゴルフをイメージしてみてください。トリプルボギーやダブルボギーが激減してアベレージ80台に突入できるでしょう。それを実現させるための一助になることがこの連載の目的ですが、技術一辺倒で目指すことはおすすめするところではありません。

その前にやっていただきたいことがあるからです。ツアープロを目指していた頃の私は、インパクトに向けてクラブが寝て入り、チーピンに悩まされていました。ダウンスイングで腰が前に出るのが原因でしたが、アウトサイド・インに振ろうとするなど練習をしてもまったく直りませんでした。ところがTPI(タイトリスト・パフォーマンス・インスティテュート。タイトリストが設立した研究機関。研究に基づくトレーニングやレッスンを行なう資格も指します)のセミナーでアドレスに原因があることを指摘され、ヘッドコーチのアドバイスに従ってスイングすると、腰が前に出なくなりチーピンが影を潜めたのです。

アマチュアゴルファーのほとんどには、スイング以前に取り組むべきテーマがあります。スコアアップするとはどういうことかを考えたり、クラブについて考えたり、かつての私のようにアドレスとスイングのマッチングを考えたりすることです。

この連載では、その部分を知っていただきたいと思います。スイングについてはその次でかまいませんが、不要ではないので、私が知っておいてほしいと考えることを絞って紹介しています。ゴルファーが100人いれば100通りのスイングがあります。それをひとつの型にハメるのは無理です。スコアアップできないとお悩みの方は、どこかで無理をしていると思います。

無理をなくせばラウンドも練習も楽しくなり、上達も早まります。私はその方法をみなさんに知ってほしいのです。連載第1回目の今月は、スコアアップのために絶対押さえておきたい8つの基本ポイントを紹介しましょう。

MEZAWA METHOD 1 いい状況でのミスを抑える

派手にバーディやイーグルを獲るシーンがクローズアップされるプロだが、ゴルフをトータルして見るとスコアを伸ばしにはいかない。いい条件でミスをしない選択をして、チャンスを呼び寄せている

ゴルフで「いいスコアを出す」とは、バーディやイーグルを獲りにいくことではありません。これは唯一、すべてのゴルファーに共通して言えること。トッププロもそうで、うまい人ほどそういうゴルフをしています。具体的には、できる限り大きなミスをしない。とりわけボールのライがいい、ターゲットをクリアに狙える、無風など、いい条件下でショットやアプローチ、パットが打てる状況でミスしないようにする方法を考え、最善の策を実行しています。

MEZAWA METHOD 2 ロングショットの精度アップを目指す

飛距離がすべてではないが、飛ぶほうがゲームを有利に運べるのは自明の理。プロのような精度は無理としても、ロングショットが今より曲がらなくなれば、スコアアップへの道がひらける

ドライバーで220 ヤードくらいの人が240 ヤード飛ぶようになると、スコアへの貢献度が大きくなります。コンマいくつかでも確実にスコアを減らせるのです。また、残り180 ヤードからグリーンに乗せるのと120ヤードから乗せるのなら、前者のほうがスコアへの貢献度は大きい。ロングショットの精度を上げることは、レベルアップにとってすごく大事です。プロは飛距離、アマチュアは正確性が重要と言われますが、ロングショットがコントロールできれば結果的に平均飛距離も伸びる。向かっていく方向は同じです。

MEZAWA METHOD 3 ドライビングもアプローチもなるべくカップに近づける

かつては「パット・イズ・マネー」と言われ、パットが勝利の鍵を握るとされた。たしかに勝者はパットを沈めている。だが、同時にそのチャンスをたくさん作っていることが、今のゴルフでは重要視されている

プロのトーナメントで優勝するプレーヤーは、勝つ試合ではパットがめちゃくちゃ入っています。ですが、安定して上位にいるプレーヤーたちは、ドライビングとアプローチでカップに近い位置にボールを運べています。世界ランキング上位の面々は、もれなくそれができているのです。わかりやすいのはブライソン・デシャンボー。ドライビングでとことん距離を稼ぎ、次打でウエッジを使えればピンの近くへ打っていける。そんな理想型を具現化させようと取り組んできたひとつの結果が、今のデシャンボーです。

MEZAWA METHOD 4 ラウンドデータをプレーに取り入れよう

ゴルフのデータは、スイングやボールデータに限らない。いいスコアを出すためになすべきこともデータが示してくれる。アマチュアゴルファーが活用すべきは、そちらのデータだ

PGAツアーでは『ショットリンク』というシステムを導入し、プレーヤーのストロークデータを収集しています。これはスタッツとしてツアーのホームページ上で公開されていて簡単に閲覧できますが、データ分析マニアの多いアメリカではデータを独自に分析し、その成果を発表するウェブサイトがあります。コリン・モリカワ、マシュー・ウルフら若手実力派は、学生時代からこれらを参考にしてゴルフを組み立てており、それが強さを支える要素のひとつになっています。

MEZAWA METHOD 5 アドレスとスイングに一貫性をもたせる

多くのアマチュアゴルファーはアドレスとスイングの間に溝があり、構えにそぐわないアクションを体に強いている。実のところ、ミスの多くはこうして生まれている

PGAツアーを見ると、ターゲットに対してスクエアにアドレスしてストレートボールを打っているプレーヤーはほとんどいません。彼らのアドレスのベースにあるのは、イメージしたボールを打つこと。それをやりやすくするためにボール位置やスタンス幅、アライメントを決めています。言うなれば、アドレスがスイングの一部になっていて、両者に一貫性がある。いろいろなミスが出るゴルファーの多くは、スイングとの一貫性がないアドレスをしています。

MEZAWA METHOD 6 インパクトで力を出しやすい形は3つ

[ センター軸タイプ ]
タイガー・ウッズ

[ 左軸タイプ ]
ブライソン・デシャンボー

[ 右軸タイプ ]
ダスティン・ジョンソン

スイングの良し悪しは、インパクトに集約される。力の出しやすいインパクトからさかのぼることで、プレーヤーにとってベストマッチなスイングを引き出せる。そのタイプは3つに分かれる

体型や手足の長さ、筋肉の付き方や関節の可動域など、スイングに影響を与える要素はたくさんあります。各々の特徴を生かし、体に無理なくクラブを扱えるスイングが、ジャストフィットのスイングになります。とはいえ同じ人間がやること。体の基本的な構造や持っているクラブも同じ構造ですから、それらを無視して動いてはいけません。この前提でスイングを考えると、ある程度、形が絞られてきます。インパクト時に力を出しやすい形は3つに大別でき、それがスイングスタイルの違いを生んでいます。

MEZAWA METHOD 7 アプローチは“ボールを止める”のが目的

アプローチではまず、寄せやすい条件からベストな結果を出せるようになりたい。高い確率でできるようになると、ショットをいいところに運ぶ発想が恒常的になり、スコアメイクしやすくなる

アイアンではボールを“ 打つ” イメージですが、アプローチは“ ボールを止める” のが目的。とりわけウエッジを使うアプローチでは、なるべくピンに近くて次のパットを楽に決められる場所に運ぶという明確な目標があります。また、それなりにボールコントロールもできますから、ショットとは一線を画すことになります。プロには技のバリエーションが必要ですが、アマチュアにはそれほど必要ない。いい条件でミスしない方法を、しっかり習得することが大事です。

MEZAWA METHOD 8 パットでは“ボールを止める”練習をする

バーディを狙いにいってボギーにするのはアマチュアによくあるパターン。「ボギーは打たない」と肝に銘じることで、パーはもちろんバーディも増えてくる

パットは無理に狙わない。入れにいかないことですが、それ以前にタッチを合わせることが一番大事です。これができないとラインが読めません。タッチ(距離感)は教えることができない部分なので、練習をたくさんしてほしいのです。プロがショットよりパットを練習するのは、毎回グリーンが変わるから。いかに早くその日のグリーンに適応できるかが攻略する秘けつです。その意味でも、パット練習ではカップを設けないほうがいい。入ってしまうと打った強さがわからないので、止める練習をするべきです。

[ 目澤メソッド ]好評発売中!

この連載の内容が書かれている書籍が『目澤メソッド』。松山英樹を筆頭に、男女ツアープロを指導し、ツアー優勝やシード獲得へ導くゴルフコーチ・目澤秀憲が、その指導メソッドを「アマチュアのためのスコアアップ法」にフォーカスしてわかりやすく解説した、うまくなりたいゴルファー必読の1冊だ。「ツアープロとアマチュアのスコアアップ法は、実はかなりの部分が共通している」「ゴルフで“いいスコアを出す”とはバーディを獲りにいくことではない」という目澤の上達ノウハウが詰まっている。全国書店やアマゾンほかネット書店などで好評発売中!(実業之日本社刊 本体1500円+税)

いかがでしたか? ぜひ、目澤メソッドを参考にして、スコアアップを目指してみてください!

ゴルフコーチ 目澤秀憲

●めざわ・ひでのり/1991年生まれ、埼玉県出身。5歳からゴルフを始め、プロゴルファーを目指す。日本大学法学部卒業後、「TPI」(タイトリスト・パフォーマンス・インスティテュート。アメリカのインストラクター養成プログラム)を知り、セミナーを受講して感銘を受ける。24歳で指導者に転身後は、ボストンでの語学留学を経て、TPIの5つの資格のうち「ゴルフ」と「ジュニア」の最高水準であるレベル3を取得。

一般ゴルファーへのレッスンをしながら、2021年には松山英樹と専属コーチ契約。松山のマスターズ日本人初制覇に貢献した。ゴルファー個々の身体的特徴に合った動きを教える「コーチング」をベースに指導。昨年から河本力のコーチも務め、ツアー優勝へと導いた。

文=岸和也 写真=高橋淳司、田辺安啓

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